日本政府が海上自衛隊の潜水艦に【巡航ミサイル】搭載検討へ!敵基地攻撃も
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現在の海軍力の中心としての役割をもっているのは空母である。

しかし、その空母にとっての一番の脅威である潜水艦も、また海軍力として重要な役割をはたしている。

海上自衛隊の潜水艦においては現在装備している兵器は魚雷と対艦ミサイルの二種類であるが、これに新たに国産の巡航ミサイルを搭載するべきという案が出ており、日本政府が検討の段階に入った。

現代の通常動力型潜水艦は性能が向上しており、今までなら電池を充電後、1日間しか潜航できなかったものが2週間程度なら潜航することが可能となっており、原子力潜水艦においては、充電の必要すらなく、潜航したまま、長期にわたる作戦行動が可能になっている。

そして、その潜水艦が装備する武器も従来、魚雷だけであったものが弾道ミサイルや巡航ミサイルなどの兵器を搭載できるようになり、その存在意義は大いに高まってきていると言えるだろう。

今回は、海上自衛隊の潜水艦に装備が検討されている巡航ミサイルの特徴や攻撃力、また装備された場合の戦術やメリットについて解説していこう。

しまかぜ

潜水艦発射の巡航ミサイルの解説を動画でも見られるよ!

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海上自衛隊の潜水艦に巡航ミサイル搭載を検討

日本政府は、海上自衛隊の潜水艦に巡航ミサイルを搭載することを検討している。

巡航ミサイルは海中より発射され、敵国のミサイル発射基地を叩く役割を背負っている。

近年、よく話題となっている「敵基地攻撃能力」の装備として位置ずけられる。

日本には、弾道ミサイル迎撃用のSM-3ミサイルを搭載しているイージス艦が8隻ある。

SM-3ブロック1Aミサイルは射程が約1200kmあるため、イージス艦2隻で日本全土に向けて飛んで来る弾道ミサイルを迎撃することができる。

最新型の「まや型」イージス艦のSM-3ブロック2Aミサイルは射程が約2000kmあり、1隻で日本全土をほぼカバーできる能力をもつ。

イージス艦が迎撃できなかった場合、地上に配備されている航空自衛隊のPAC-3が最後の砦となる。

PAC-3は射程距離が約10kmと短いのが難点であったが、改良型のPAC-3MSEでは射程距離が2倍となり迎撃能力が向上している。

しかし、北朝鮮による日本海におけるミサイル発射実験は、もはや日常化している状態である。

実験を繰り返すことにより、実験データも多く蓄積されてきており、ミサイルの性能自体も飛躍的に向上してきている。

従来なら放物線を描いて落ちてくるミサイルが、最近開発された北朝鮮の弾道ミサイルは途中で軌道を変更させてことも可能となっている。

こうなると、イージス艦のSM-3ミサイルでも、どこに着弾するかの予測ができないため迎撃が極めて困難なものになってくる。

そういう意味においては、海上自衛隊の潜水艦から発射した巡航ミサイルで敵のミサイル発射台を攻撃できるのは大きな前進であるといえる。

もちろん、これが装備されたらといってミサイル防衛が万全になるわけではない。

なぜなら、ミサイルは地上発射型だけではなく移動式発射台もあるため、全てのミサイルから防衛できるわけではない。

しかし、少なくともミサイル防衛能力が現在より大きく向上することは確かだ。

それにより、敵国は我が国に対して攻撃しずらくなり、結果として抑止力が向上するのである。

ミサイル攻撃からの危険を遠ざけるという意味からも大いに意味があと言えるだろう。

現在配備が検討されているのは陸上自衛隊の12式地対艦誘導弾を元に開発される「スタンド・オフ・ミサイル」と呼ばれる長距離巡航ミサイルだ。

射程距離は約1000kmあり、敵の射程外から攻撃を掛けることが可能だ。

この「スタンド・オフ・ミサイル」は将来、地上艦艇や航空機にも搭載することが検討されている。

では、「スタンド・オフ・ミサイル」といった巡航ミサイルは、どのような攻撃力があるのだろうか?

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 巡航ミサイルと通常のミサイルの違いとは?

巡航ミサイルとは、航空機のような翼を持ち、長距離を自律飛行して目標を攻撃するミサイルである。

他のミサイルとの大きな違いは、その射程距離の長さにある。

通常の対艦ミサイルなど艦艇を攻撃するミサイルの射程距離は約100kmから200km程度であるのに対して、巡航ミサイルの射程は2000kmから3000kmと桁違いに長い。

射程距離が長いため、攻撃側は、敵の射程圏外から攻撃が可能で反撃を受ける心配はない。

例えるなら、拳銃とスナイパーライフルで戦うようなものだ。

そのため、現在の戦争においては、まず最初に相手国に対して攻撃をかける手段として優先されるのが、この巡航ミサイルによる攻撃である。

過去には湾岸戦争やイラク戦争、そして現在戦いが行われているウクライナ戦争においても、まず巡航ミサイルにより敵の航空基地やレーダーサイトなど主要施設を破壊することから始まる。

そしてこの巡航ミサイルは、陸上、航空機、艦艇、潜水艦などあらゆるプラットフォームからの発射が可能である。

攻撃目標では対地攻撃用と対艦攻撃用の2種類がある。

速度による分類は亜音速巡航ミサイルと超音速巡航ミサイルに分けられる。

亜音速とは音速以下の速度のことをいい、超音速とは音速を超えるマッハ1以上の速度の事をいう。

ミサイルの形状としては航空機のような主翼を持ち、ジェットエンジンを備えて低空を飛行する。

低空で飛行する理由は、敵のレーダーによる探知を避けるためである。

レーダーの電波は、基本的には直進するため地平線の向こうまでは電波が届かない。

つまり、地球が丸いため、水平線の下は死角になるのである。

そのため高高度を飛べばレーダーに探知される確率が上がり、低空を飛べばレーダーに探知される確率が下がるというわけだ。

航空機もレーダーの探知を避けるために低空を飛行することがあるが、操縦を誤ると地上に激突する危険性があるため危険を伴う飛行となる。

巡航ミサイルは、あらかじめ目標までの飛行航路や高度がセットされているので、そんな心配はない。

ミサイルは一直線に飛んでいくのではなく、決められたコースを方向を変えながら飛んでいく。

これにより、敵は何を攻撃目標にしているのかわからなくなるのである。

巡航ミサイルの速度については射程距離を優先して速度が遅いものが多いが、マッハ5以上(時速6100㎞)の極超音速により迎撃を困難にする巡航ミサイルも開発されている。

海上自衛隊の潜水艦が巡航ミサイルを搭載した場合、どのような戦術が考えらえるだろうか?

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潜水艦がミサイルを搭載するメリットや戦術

潜水艦がミサイルを搭載するメリットとしては、相手にとって居場所を特定することが困難であるという点だ。

潜水艦は水上艦艇と違い、ほとんど海中に潜航しており、どこに潜んでいるのかわからない。

これは航空機や艦艇では不可能なことである。

地上にあるミサイル発射台、航空基地にある戦闘機、海上を航行する艦艇は、いずれも軍事衛星から丸見えの状態になっている。

現在、宇宙空間には多数の軍事衛星が打ち上げられており、そこから日々の軍隊の行動はほぼリアルタイムに近い状態で確認することが可能なのである。

地上や海上にある軍事施設は常に見られていると言っても過言ではない。

しかし唯一、その監視ができないのが潜水艦なのである。

つまり敵国の奇襲攻撃にあっても生き残る可能性が一番高いのが潜水艦だと言える。

この奇襲による先制攻撃からの生存率が高いということが潜水艦にミサイルを搭載する最大のメリットだと言える。

さらには半永久的に燃料補給なしで長期間にわたり活動することのできる原子力潜水艦が登場することにより、その重要性はさらに高まり、今では核戦力の要となっている。

現在アメリカ海軍やロシア海軍は核戦争に備えて、中・長距離の垂直発射型の弾道ミサイルを潜水艦に搭載して核戦力の軸としている。

一方、巡航ミサイルは核弾頭以外にも通常弾頭を使用して地上施設や艦艇に対する攻撃に使う事も可能だ。

巡航ミサイルは主に敵の重要施設をピンポイントで攻撃するために使用される。

第二次大戦までは敵の目標を攻撃するために多くの爆撃機を出撃させ大量の爆弾を投下して破壊できた目標が、現代では巡航ミサイル1発で破壊することが可能だ。

そういう意味では、海上自衛隊の潜水艦に巡航ミサイルが装備されれば、非常にコストパフォーマンスの高い兵器となるだろう。

核保有と防衛力の強化

現在、日本周辺で核兵器を保有している国は北朝鮮、中国、ロシアの3国である。

しかもこの3国の内、北朝鮮はミサイル実験を繰り返し、中国は台湾に対して力による現状変更を行おうと軍備を強化させてきており、ロシアは、武力でウクライナを侵略している。

ウクライナの現状は決して他人事ではない。

日本も極めて危険な状況になってきていると言えるだろう。

戦争初期の攻撃においてミサイル攻撃により航空戦力が崩壊してしまい制空権を敵に奪われてしまえば、その後の海の戦いや陸の戦いで勝てる見込みは低くなる。

そのためにも敵基地攻撃能力は重要な意味を持っているのである。

戦争を起こさないために必要なのは「軍事バランス」である。

核保有国同士など力が拮抗している状態では戦争は起こしにくい。

核保有や防衛力の強化を「戦争がしたいのか?」と批判する人がいるが、防衛力の強化は「戦争をするため」ではなく「戦争をさせないため」なのである。

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