陸・海・空自衛隊の観閲式。20年ぶりの国際観艦式に韓国参加、中国不参加
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2022年の11月、海上自衛隊の国際観艦式が行われ、外国艦艇をふくめ39隻の艦艇が参加した。

自衛隊における観閲式とは、外国の観兵式に当たるもので、自衛隊などにおいて実施される式典および総合訓練のことである。

駐屯地・基地の創立記念や方面隊・師団・連隊など各部隊の創隊記念に行われる記念式典で、主に国民や地域住民などに対して自衛隊の活動に理解を得るためであるほか、周辺国に対しての牽制の意味合いを持つ時がある。

観閲式の観閲官は原則として主催する部隊などの長となるが、中央観閲式は内閣総理大臣が観閲官となる。

1996年以降においては、自衛隊記念日の行事の一つとして陸上自衛隊における中央観閲式、航空自衛隊における航空観閲式と連携した形で、それぞれ持ち回ることで3年ごとに開催されている。

しまかぜ

動画では迫力の陸海空の観閲式を解説するよ!

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 陸上自衛隊 観閲式

現在の自衛隊の前身である警察予備隊が発足した年の翌年にあたる1951年に東京都江東区にある越中島駐屯地において初めて観閲式が行われた。

この観閲式は1973年から交通事情や警備などの関係で、現在の朝霞訓練場へと会場を移して行われている。

現在の中央観閲式は、原則的には3年に一度、10月に陸上自衛隊が埼玉県南部に位置している陸上自衛隊朝霞訓練場において行う観閲式のことである。

自衛隊の創設を記念して行われるものであり、自衛隊における記念日行事の一環として行われている。

これを陸上自衛隊では、自衛隊記念日観閲式と呼んでいる。

陸上自衛隊はこの観閲式における開催目的を「内閣総理大臣の観閲を受けることで、隊員の使命の自覚と士気の高揚を図ると同時に、防衛力を展示することで、自衛隊に対する国民の理解と信頼を深めること」としている。

このほかに、1966年以降は自衛隊に対する国民の理解を深めることを目的として、富士総合火力演習が陸上自衛隊の演習を一般公開している。

隊員の育成や部隊戦技の向上と日本国民への広報を目的に行われるが、朝霞訓練場において行われる観閲式と同様に、諸外国に対して軍事プレゼンスを誇示する活動としての意味合いを兼ね備えたものである。

この富士総合火力演習は、陸上自衛隊富士学校の学生に火力戦闘の様相を認識させる目的で1961年から開始されている。

一般公開の演習は観覧することが可能だが、観覧するためには、1ヶ月間の募集期間中に防衛省陸上自衛隊の総合火力演習観覧応募ページから応募し、当選する必要がある。

実際の射撃や戦車、ヘリコプターなどを目の当たりにできる大変人気の高いイベントのため、チケットの当選倍率は数倍~数十倍である。

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2022年 海上自衛隊 国際観艦式

今年は海上自衛隊創設70周年にあたり、海外からの艦艇も参加する大規模な国際観艦式が20年ぶりに行われた。

観艦式とは、一般的に軍事パレードの一つとされており、見学者を乗せて多くの護衛艦などが航行する式のことを指す。

国家の祝典や、海軍の記念行事の一つとして行なわれ、護衛艦や潜水艦だけでなく、航空自衛隊の戦闘機やブルーインパルスも参加している。

祝砲発射や対潜爆弾の投下、潜水艦の急浮上や航空機による展示飛行もおこわなれる。

軍の士気を高めると同時に、国民や友好関係にある国に対して、精強さを誇示する目的のほかに、敵視する相手にはプレゼンスを示すことの意味合いも持つ。

他国からの艦艇を招いたり、国際親善や防衛交流の推進に使われたりすることもあり、また国民の海軍に対する支持と理解を求めることが主な目的ともされている。

今回の観艦式では韓国はレーダー照射問題もあったが、6月ごろには日本政府が韓国政府に対し、招待状を正式に送っており、、補給艦「昭陽(ソヤン)」が参加した。

一方、中国も招待されていたが、回答待ちのまま保留となっており、結果的に「艦艇は派遣しない」と中国海軍から回答があったと防衛省が発表した。

日本における観艦式は、明治元年3月26日に大阪の天保山沖において行われたものが記録として残っており、これは、明治天皇が観閲したとされている。

第二次世界大戦後は海軍解体に伴って行われることがなかったが、1957年10月2日、海上自衛隊によって東京湾において再開されている。

その後、1973年まではほぼ毎年開催されていたものの、この年のオイルショックのため、再び中止されることになった。

1981年に復活し、それ以後は3年おきに行なわれ続けている。

水上艦艇部隊、潜水艦部隊、航空部隊という3つの部隊が観覧式に参加していて、観覧官に内閣総理大臣を置き、執行者には自衛艦隊司令官または防衛大臣が任命する海将が務めることになっている。

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航空自衛隊 航空観閲式

航空観閲式とは、航空自衛隊が3年に一回、茨城県にある航空自衛隊百里基地で行っている観閲式のことで、諸外国の軍事パレードにこれが当たるとされている。

百里基地は、茨城県小美玉市に置かれている航空自衛隊の基地である。

自衛隊の基地としては、近隣に入間基地が埼玉県に位置しているが、地域との結ばれた協定によって、轟音を響かせるアフターバーナーを使用して飛ぶことができないという理由から、航空自衛隊が関東で戦闘機を運用することができる唯一の基地となっており、「首都防空の要」と言われている。

基地反対の住民などの声から用地買収を完全に行うことができず、日本では珍しい形である「くの字型」の誘導路であることが特徴で、成田国際空港のB滑走路に通じる誘導路が同様の例と

して有名である。

航空自衛隊は、この滑走路が何らかの理由で破壊された場合、誘導路から離陸することを想定しているものの、百里基地ではこれが困難な誘導路となっている。

航空観覧式は、戦闘機を含む航空機による展示飛行がメインとなっているが、ペトリオットミサイル、基地防空器材、移動管制器材も展示される。

この観閲式は関係者のみが見学可能となっており、航空観閲式の実施にあたる年には百里基地航空祭が行われないことになっている。

自衛隊の存在意義

近年では各観閲式の様子がYouTubeなどの動画投稿サイトや衛星放送を介した生中継も行われていることから、より身近なものとなりつつある。

身内に自衛官や、国防に関与する者がいなかったり、普段、基地とは離れた場所において生活していると、自衛隊の存在そのものを忘れがちである。

日本においては、軍隊を持つことがなく、そのことで戦争は起きないという安心が若い世代を中心に広がっていることは事実であろう。

逆に、地元に基地を抱える者や、身内に自衛官がいたり、国防に関与する者がいる人にとっては、戦争が身近であるとは言い過ぎかもしれないが、普段、全く関係ない生活を送っている者との温度差は否めないものがあるだろう。

陸海空がそれぞれ開催している観覧式は、理解や協力を求め、深めるために、この温度差のようなものを埋める目的の一つでもあるのではないだろうか。

次の動画では、全自衛隊が出動した災害派遣「東日本大震災」での陸海空自衛隊の活躍について解説しよう。

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