対潜哨戒ヘリコプターSH-60Kの秘密に迫る!世界最先端の能力!

「戦争映画」は、ただ国同士が争う映画ではない。

迫力ある戦闘シーンだけでなく、涙なしには語れない数々の人間ドラマがある。

数ある戦争映画の中でも、今回は実話を元にしたエピソードのみを厳選して紹介する。

一度は見ておきたい実話の戦争映画5選!

海上自衛隊の対潜ヘリコプター「SH-60K」はSH-60Jの後継機として開発された。

対潜能力の向上、高い機動性により広い捜索エリアをカバーでき、輸送能力も向上したヘリコプターである。

海上自衛隊では、この対潜へリコプターのことを通称「HS」エイチエスと呼ぶ。

ほとんどの護衛艦は後部の飛行甲板や格納庫にHSを搭載できる構造となっている。

ひゅうが型は最大11機、いずも型は14機を搭載することができる。

HSの主な任務は、艦艇と協同で潜水艦を捜索、探知、攻撃するほか、艦艇のレーダーでは届かない水平線以遠の目標を上空から捜索して識別する。

また、人員や急患の移送、故障した艦艇の部品を運搬したり、災害派遣で捜索や救助も行ったりする。

SH-60Jから大幅な変更が行われ、能力が向上したSH-60Kは現在、海自のヘリコプターの主役でもある。

今回は、対潜ヘリコプターSH-60JとKの違いや、そのスペック、また上空からどのようにして潜水艦を探知して攻撃するのかについて解説していこう。

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SH-60Jから進化した60Kの能力とは?

現在、海上自衛隊にはSH-60Jが35機、SH-60Kが52機、UH-60Jが10機、MCH-101が10機配備されている。

DD型護衛艦のへリコプター搭載能力は基本的には1機で、「あまぎり型」以降のDDは2機搭載できるように格納庫と飛行甲板が拡張されている。

しかし、この拡張は常時2機を運用できるといったものではなく、非常時に使用するためのものであった。

実際に格納庫が2機運用できるようになったのは「むらさめ型」からであるが、これも同時に2機を運用するためのものではなく、たとえば海外派遣などで、半年間、日本を離れる必要がある合に、予備機や部品交換用として機体を格納するためのものである。

アメリカ海軍は当時、艦艇搭載型のヘリコプターとしてSH-60Bを開発した。

それを日本独自に改良したのがSH-60Jで、生産数は艦載型67機、陸上型36機の合計103機である。

1、2号機はシルコスキー社が製造し、3号機以降は三菱重工がライセンス生産を行った。

運用は1991年から始まり、60Jが配備された1992年の翌年には、すでにKの研究がはじまり、1997年には60J改として試作を開始した。

後継機である60Kに求められたのは

「対潜、対水上能力の向上」

「人員や物資の輸送能力、警戒監視などの任務」

「安全性の高さ」

であった。

これら全てを実現するために改造が施された結果、機体形状やエンジン、ローターの変更、搭載計器類やセンサーの追加が行われることとなった。

では具体的に60JとKではどのような点に違いがあるのだろうか?

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SH-60JからKへの進化と見た目の違い

SH-60Kのスペックはこのようになっている。

SH-60Kのスペック

全高5.4m 全長19.8m 全幅16.2m
重量 10.9t
最大速力139kt (約257km)
航続距離800km
乗員4名 人員12名
兵装 97式、12式魚雷、対潜爆弾、対艦ミサイル「ヘルファイアII」、74式機関銃
センサー:FLIR:赤外線探知装置、MAD:磁気探査装置
ESM:電子戦支援装置、ISAR:逆合成開口レーダー、吊下式ソーナー、ソノブイ

まず、見た目の違いであるが60Kは機体サイズが大きくなっている。

キャビン高が15cm、コックピット後部が33cm延長されたため、キャビンドアが1枚から2枚になり、開口部が広くなったことで救難や輸送任務などの適応性も向上した。

機体の大型化に伴い、人員輸送能力が12名に増加し、災害時は救助用の吊り上げ装置であるホイストを使用し、機内に担架を配置することもできる。

また警戒監視任務では上空から警告射撃ができるように74式機関銃も装備可能となり、幅広い任務に対応できる仕様となった。

半球上の窓であるバブルウインドも大型化され、上空からの視認性が向上している。

60Kでは後部の窓が2つになっている点も60Jとの違いである。

国産のレーダーや対潜システムを搭載し、1999年から不審船に対応するため、ミサイルを避けるチャフやフレアーといった「おとり」も装備されている。

機体サイズが大きくなった分、エンジンももちろん強化されている。

2,145馬力のターボシャフトエンジンを2基搭載し、その力を発揮するメインローターブレードも独特の形状に変更されている。

60Jのブレードはまっすぐな形状であるが、60Kは先端部分に角度がつけられているのが特徴だ。

複合素材で形成されており「ケプラー繊維」を使用することで、高い強度と軽量化されたブレードになっている。

ブレードの長さを変更することなく、形状や素材を変えることでホバリング効率が60Jよりも5%アップし、これにより60Jのホバリング可能重量である9,900kgから10,900kg
ヘと1トン近く向上している

ただし、ブレード先端に角度をつけた影響により空気抵抗が増え、最大速力は60Jよりも時速30km程度低下している。

この新型ブレードは開発段階では何度も亀裂を生じていたが、ブレードが原因による事故は発生していない。

次に、武器やセンサー、潜水艦の捜索法について見ていこう。

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水中に潜む潜水艦を捜索、探知、撃沈せよ!

60Kは機体のほかにセンサーや武器もアップデートされている。

AI 化により敵潜水艦の未来予想位置を算出することができるなど、対潜能力は飛躍的に向上している。

空中のヘリコプターがどうやって水中に潜む潜水艦を探知して攻撃するかであるが、HS は潜水艦を探知するためのディッピングソーナーというセンサーを搭載している。

ソーナーとは水中で音波を送信するセンサーで、潜水艦に当たって反射した音波を分析することで、方位や距離、針路、速力が判明するシステムである。

HS は艦艇と協同で潜水艦の存在しそうなエリアで捜索を開始する。

ホバリング状態でワイヤーにつながったソーナーを水中に下ろし送信する。

反応がなければ、次のポイントに移動し捜索、といった行動を繰り返す。

もしソーナーに反応があれば艦艇にデータ送信して協力して正確な位置を割り出す。

このように自らが音を出して捜索する方法をアクティブモードという。

もう1つの捜索方法がパッシブモードだ。

パッシプモードとは潜水艦が出すエンジン音やスクリュー、モーター音などを探知する、いわゆる「開き耳」を立てる捜索方法である。

HSにはソノプイと呼ばれるセンサーが多く搭載されており、このソノブイを海に投下することで、マイクロフォンの役目を果たす。

ソノブイは水中の音を採取して電波で送信する。

このデータを艦上で分析することで、潜水艦の種類や概略の位置が判明する。

このようにアクティブとバッシブの2種類の捜索法でHSは上空から水中の潜水艦を探知、識別することができるのだ。

さらにMADとよばれる磁気探知装置が装備されており、ワイヤーで吊り下げた状態で飛行する。

潜水艦が存在した場合、船体の磁気がMADに反応して場所を特定するというセンサーである。

ソノブイやMADは対潜哨戒機にも搭載されており、同じような戦術で潜水艦を追い詰める。

ソーナーやMADを使用して潜水艦を探知し、ある程度の位置を局限できたなら魚雷攻撃を行う。

旧タイプの60Jは重量制限によりMk46短魚雷のみであったが、60Kでは国産の97式、12式探魚雷を搭載できるため、現代の潜水艦のように、より深い深度や高速で移動する目標に対しても攻撃することが可能となった。

また対潜爆弾を投下することで、浅い深度に存在する潜水艦だけでなく不審船に対しての威嚇や警告もできるようになった。

遠距離の敵艦艇を識別、攻撃せよ!

SH-60K はレーダーもアップデートされており、従来までは目標を探知した場合、それがどのような目標かは不明であったが、60Kに装備されているISARは探知した目標を画像化して、その船体形状が判別できるようになっている。

つまり、何らかの目標を探知した場合、それが空母なのか駆逐艦なのか、もしくは商船なのかが類別できるレーダーであるため攻撃対象がより明確になる。

ISAR 画像は艦艇にも共有でき、そのデータを元に識別を行ったのち、対艦ミサイルを発射して攻撃する。

さらに対潜魚雷しか搭載できなかった 60Jに比ベ対艦ミサイルも搭載できるようになっているなど攻撃力も向上している。

ヘルファイアは本来、対戦車用であるため大型艦艇の撃沈などは難しいが、ある程度のダメージは与えることができるので、味方艦艇との協同攻撃で使用すればその効果は高い。

コックピットは液晶ディスプレイを採用したグラスコックビットで60Jよりも視認性がよくなり、デジタルマップや赤外線カメラで撮影した画像を表示することができる。

世界初!着艦誘導支援装置SLAS

60Kには世界で始めて実用化されたSLAS(着艦誘導支援装置)が装備されている。SLAS はGPS の位置情報により、母艦の60ヤード付近まで赤外線とレーザーによりアブローチす
る。

その後、飛行甲板上へ自動で移動してホバリング、着艦までの一連の操縦をシステムが自動で行ってくれる装置である。

特に夜間や悪天候における視界不良時において、パイロットの操縦ミスを大幅に軽減できるシステムである。

海自でも、そのような状況下ではSLASの使用を推奨しているが、パイロットによる着艦よりも時間がかかることや、システムに頼りすぎると、自らの技量が落ちることを懸念するパイロットも多く、夜間や視界不良時でも誘導灯を頼りに自ら操縦するパイロットは多い。

対潜ヘリコプターSH-60K まとめ

護衛艦に搭載するHSは60K が多くなってきているが、60Jよりも全長が長いため飛行甲板の狭い従来の護衛艦は60Jを搭載している。

また、陸上でも20機ほどの60Jが運用されている。

60K は約90機を調達予定で、それ以降はさらに対潜能力が向上した次世代ヘリコプターを開発する計画である。

具体的には、ステルス化が進んでいる近年の潜水艦に対処するために、「あさひ型」や「ひゅうが型」が装備しているマルチスタティックソーナーに対応させるという構想である。

マルチスタティックソーナーとは、潜水艦に当たって反射したソーナー音を他の艦艇やヘリコプタ一などが受信して潜水艦を探知するという戦術である。

対潜ヘリコプターのSH-60は護衛艦をはるかに上回る機動性により、指定エリアに迅速に進出し、ホバリング状態で吊下式ソーナーを水中に下ろして、潜水艦を探知する兵力として欠かせない。

「戦争映画」は、ただ国同士が争う映画ではない。

迫力ある戦闘シーンだけでなく、涙なしには語れない数々の人間ドラマがある。

数ある戦争映画の中でも、今回は実話を元にしたエピソードのみを厳選して紹介する。

一度は見ておきたい実話の戦争映画5選!