敵のセンサーを欺け!潜水艦の究極のステルス性能と隠密性の秘密

「戦争映画」は、ただ国同士が争う映画ではない。

迫力ある戦闘シーンだけでなく、涙なしには語れない数々の人間ドラマがある。

数ある戦争映画の中でも、今回は実話を元にしたエピソードのみを厳選して紹介する。

一度は見ておきたい実話の戦争映画5選!

潜水艦は一度潜れば、 戦闘機や水上艦艇のように目視で発見されることはほぼない。

また海中ではレーダーによる探知もできないため、その場所を特定することは極めて困難である。

この「隠密性」 こそが、 潜水艦の一番の強みでもある。

潜水艦を探知する方法は2つあり、1つは音を頼りに捜索する方法、もう1つは潜水艦が発生する磁気の乱れを探知する方法である。

現在の潜水艦は戦闘機と同じようにステルス化が進み、 さらに探知が難しくなっている。

しまかぜ

潜水艦が発生する音や船体に施された音響ステルスの仕組みを動画でも解説してるよ

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潜水艦から発生する3種類の音

対潜戦闘は潜水艦と水上艦艇がお互いの音を頼りに位置を探りあうところから始まる。

潜水艦が一番おそれていることは、自らが出す音によって探知されることである。

乗組員も足音が響かないように、底の固い靴は履かずにジョギングシューズなどクッション性が高く足音のしない靴を履くほど音には厳しい世界なのだ。

「海の忍者」とも呼ばれる潜水艦が、 位置を知られることは致命傷につながる。

そのため、各国の潜水艦は相手のセンサーに対抗するために 「探知されにくい船体」いわゆるステルス性の向上に努めている。

潜水艦を探知するための音響センサーは2種類ある。

ひとつはソーナー音という特殊な音波を送信して、潜水艦に当たって跳はね返ってきた反射音により位置を特定するアクティブ捜索である。

もうひとつは潜水艦自体が出すスクリュー音や機器などの雑音を頼りに捜索するパッシブ捜索である。

潜水艦が発生する音は主に機器雑音、 流体雑音、電気雑音などがある。

機器雑音は艦内に装備された電子機器などが発生する振動や共鳴音である。

流体雑音は潜水艦が海中を進む際に発生する水切り音や渦、船体の振動や艦内のパイプ内を流れる液体の振動などのことである。

そして電気雑音は電子機器や電動弁など作動する際に発生する音のことである。

これらの水中雑音は海水を伝搬して数十キロ離れたところまで届く。

水中の状況によっては数百キロ以上届くこともある。

水上艦艇のパッシブセンサーで探知された場合、 潜水艦の概略の位置だけでなく国籍や型式までも解析されてしまうのだ。

なぜ、音だけでそこまで分かるのか?

それは潜水艦の音を専門に収集する音響測定艦という艦船が日頃から膨大なデータを収集して分析しているからである。

音響測定艦については他の動画で解説しているので、そちらをご覧いただきたい。

潜水艦には、音源そのものに対する対策や水中に伝わる雑音を低減させるための対策がとられている。

また、深度変換により水圧が変わることで船体が発生する 「きしみ音」を防ぐために、隔壁や甲板は「ひずみ」を吸収する構造となっている。

船体から水中に小さな気泡を発生させ、その気泡が壁となり潜水艦が出す雑音を遮断する「マスカー」といわれる装置もある。

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進化する潜水艦の音響ステルス

ステルスといえば F-22やF-35 などの戦闘機を思い浮かべる人も多いだろう。

戦闘機はレーダーに探知されにくいように、機体の角度や溶接、排気口にステルス形状が施され、塗装もレーダーを吸収する特別なステルス塗装で覆われている。

潜水艦においては音響に対するステルスが施されている。

水上艦艇から送信されたソーナー音は、潜水艦だけでなく海底火山や岩、 くじらなどの大型動物などにも反射する。

その反射音をソーナーマンが聞きわけ、潜水艦かどうかを判断している。

潜水艦は構造上、金属の塊で作られている。

そのため、反射音は岩や水中動物などとは明らかに違った音となるのだ。

一方、潜水艦は相手が送信するソーナー音に対して反射角度を変えるために、艦橋部に傾斜がつけられたりソーナー音を吸収するために弾力性のある吸音タイルが船体に貼られたりしている。

これらの素材や装着部分については各国独自のデータに基づき、さまざまなパターンがある。

海上自衛隊の「そうりゅう型」の船体にも吸音タイルが貼り付けられているのが確認できる。

このように、レーダーが届かない海の中では音波に対する音響ステルスが各国で研究されているのだ。

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磁気ステルスで地球の磁場に同化

潜水艦を探知する方法は音以外に磁気による探知方法もある。

磁気にはN極とS極があるが地球もいわば大きな磁石のようなものである。

その大きな磁場の中を鉄の塊である潜水艦が通過すると、その部分の磁場が乱れるのである。

対潜ヘリコプターや対潜哨戒機にはMAD (Magnetic Anomaly Detector) と呼ばれる磁気探知機が装備されている。

海上を飛行しながら磁場の乱れをMADが感知した場所に潜水艦がいる可能性が高いということである。

海中に潜航している潜水艦を航空機の磁気探知機で捜索する方法は日本が初めて実用化したものである。

MADによる探知はソーナー音による探知よりも潜水艦の確率は高く信頼性が高い。

対する潜水艦は自らが発生する磁気を減衰させ、制御し地球の磁場に同化させるために 「消磁装置」 と呼ばれるシステムを作動させる。

潜水艦の船体には、 縦横に複数の電磁コイルが走っており、 このコイルに電流を流すことで地球の磁場に同化することができる。

いわば磁気ステルスである。

「消磁装置」により磁気に反応する磁気機雷やMADによる探知から逃れることができる。

護衛艦にも磁気機雷の反応を防止するために消磁装置が搭載されている。

また、 潜水艦や護衛艦は建造時に造船所で長期間、 同じ方向を向いていることにより地球の磁場による 「永久磁気」 が発生する。

この磁気を除去するために、 船体全体に電磁コイルを巻くデパーミングといわれる大掛かりな消磁作業が行われる。

さらなるステルス化を目指して

潜水艦は常に海中に潜んでいるわけではなく、 攻撃前に潜望鏡をあげて敵艦艇の最終確認を行ったり、司令部との通信のためにアンテナを上げたりすることもある。

またディーゼル潜水艦はバッテリーを充電するためにシュノーケルを上げてエンジンを回す必要がある。

この状態を露頂状態という。

水上艦艇や航空機は水面から出ている わずかな露頂部分をレーダー探知する。

いったん発見されれば、魚雷を撃ち込まれる恐れがあるため、潜水艦は船体や磁気に対するステルス化だけでなく、レーダーに対するステルス化も重要視されている。

露頂部分に電波吸収材といわれる素材を使用することで、電波によって発生する電流を吸収する繊維が使用されている。

また、潜望鏡やシュノーケルを格納した後に残る波の航跡を消すための整流技術も工夫されているほか、排気ガスの熱を感知されないような冷却対策や船体の色も、 航空機から見た場合に黒に近いほうが、視認性が低いという理由から昔の灰色から黒に近い色に変化している。

このように、潜水艦は敵のあらゆるセンサーから探知されないように、ほとんどの部分をステルス化しており、さまざまな工夫が施されている。

これが「海の忍者」と呼ばれる所以である。

次の動画では、海上自衛隊の最新鋭潜水艦「はくげい」の特徴と搭載された世界初となるリチウムイオン電池の性能について解説しよう。

「戦争映画」は、ただ国同士が争う映画ではない。

迫力ある戦闘シーンだけでなく、涙なしには語れない数々の人間ドラマがある。

数ある戦争映画の中でも、今回は実話を元にしたエピソードのみを厳選して紹介する。

一度は見ておきたい実話の戦争映画5選!