米海軍の原子力潜水艦が南シナ海で「何か」に衝突!中国潜水艦か?

「戦争映画」は、ただ国同士が争う映画ではない。

迫力ある戦闘シーンだけでなく、涙なしには語れない数々の人間ドラマがある。

数ある戦争映画の中でも、今回は実話を元にしたエピソードのみを厳選して紹介する。

一度は見ておきたい実話の戦争映画5選!

世界最強の潜水艦といわれるアメリカのシーウルフ級原子力潜水艦の2番艦「コネチカット」が10月2日に南シナ海で潜航中に何らかの水中物体と衝突した。

中国はこの衝突事件について、非常に興味を示しており「米国および関係国は、事件の正確な位置、この任務の目的、衝突の詳細、放射線漏洩などの情報を公開しなければならない」と述べている。

さらに「米国はこの事件に関する情報の公表を遅らせ、それを隠そうとしている。彼らの行動は無責任で透明ではない」と批判している。

しかし、潜水艦はどの国も非常に秘匿性の高い性質のため、その作戦や行動範囲など一切公表されないのが一般的である。

過去には日本の水産高校の練習船「えひめ丸」とアメリカの潜水艦が衝突して多数の死傷者が出ており、今年も潜水艦「そうりゅう」が貨物船と衝突して事件が発生している。

今回は、南シナ海で起きた潜水艦衝突事故の詳細と世界最強のシーウルフ級の性能、また衝突した原因や物体について解説していこう。

しまかぜ

南シナ海で衝突したコネチカットの動画による解説もあるので見てね!

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米海軍シーウルフ級攻撃型原子力潜水艦が衝突

2021年10月、アメリカ海軍のシーウルフ級原子力潜水艦コネチカットが南シナ海で作戦行動中に未確認物体と衝突したと発表された。

衝突の衝撃により1人の乗組員が負傷したが、いずれも軽傷だと言う。

発表が遅れた原因として秘匿性の高い任務についていたとされており、作戦行動そのものの詳細については伏せられている。

目下、未確認物体の詳細な調査を実施中であるが、現在のところ詳しくは分かっていない。

一部情報筋によると、海底地形を把握するための海図に未記載の沈没船や水没コンテナの可能性も否定できないとされている。

専門家によるとアメリカ海軍の原子力潜水艦コネチカットは本来、非常に難易度の高い海域において活動する潜水艦であり世界でも有数の作戦遂行能力を持つという。

その高度な作戦遂行能力を支えるひとつとして、周囲の音を分析するパッシブソナーを用いて水中周辺の物体の感知を行っている。

南シナ海周辺は海上交通路としては世界でも有数の混雑さを有しており、水上からの様々な雑音が潜水艦へ影響して今回の事故に繋がったのではないかと指摘されている。

事故が起きた原因の背景にはこのような地理的要因が関係して、センサー系に影響したのではないかと推測されている。

事故後、損傷が軽微だったこともありコネチカットは自力でアメリカ領のグアム海軍基地までたどり着くことができた。

アメリカ海軍報道官によると、潜水艦の前部が損傷しており、今後の方針としては完全な調査と分析を実施すると発表している。

過去にも同海域で潜水艦の事故が起きており、今年に入って2度目となる。

一度目はインドネシアの潜水艦がバリ海峡で沈没している。

その際、乗組員の53人全員が死亡するという惨事となった。

次に世界最強の潜水艦といわれるシーウルフ級について解説していこう。

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シーウルフ級攻撃型原子力潜水艦とは?

アメリカ海軍の攻撃型原子力潜水艦として建造されたもので、コネチカットはアメリカ海軍が保有するシーウルフ級潜水艦の3隻のうちの一つ である。

1998年に就役し、その全長は107メートルにも及び、原子炉を1基搭載している。

シーウルフ級のスペックはこのようになっている。

シーウルフ級のスペック

全長:107m
水中排水量:9150トン
速力:35ノット(約65㎞)
原子炉:1基
乗員:約130名
潜航深度 600m以上
兵装:対艦ミサイル、トマホーク、Mk48魚雷、機雷

世界最強の原子力潜水艦といわれており、数ある米原子力潜水艦の中でも最も静粛性に優れており、主力のロサンゼルス級潜水艦の10分のⅠといわれている。

兵装は対艦ミサイル、長魚雷、トマホーク対地ミサイル、各種機雷など、あらゆる任務に対応できるスーパーサブマリンだ。

乗組員は140人とされ、アメリカ海軍の最新艦であるバージニア級攻撃型潜水艦よりも巨大であり、他の攻撃型潜水艦に比べても多くの兵器を搭載できる。

就役から20年は経つコネチカットではあるが、システムの更新が実施されており技術的にもまだまだ高度な潜水艦として運用されている。

そのコンセプトは仮想敵国として想定されていたソ連海軍の原子力潜水艦を凌駕するように設計されている。

当時のアメリカ海軍が保有する潜水艦はソ連が保有する潜水艦の性能に若干の遅れを認めざる得ない状況にあった。

中でもその静粛性においてはソ連の潜水艦に軍配があがり、 当時アメリカ東海岸を哨戒中だったソ連の潜水艦アクラ型をアメリカの潜水艦が見失ったという失態が起きた。

他にも憂慮するべき側面があり、ソ連の潜水艦から発射される弾道ミサイルの性能向上は脅威であった。

旧世代のミサイルでは2,000km~3,000kmほどの射程を有するにとどまるが、当時ソ連が開発したR-29ミサイルは射程距離6,000km以上となり、その攻撃射程の長さから西側諸国は大きな懸念材料を抱えることとなった。

しかし、冷戦終結により攻撃型原子力潜水艦コネチカットは、その必要性の低下や高額な建造費が仇となって当初予定されていた建造数を大幅に縮小された。

建造費は高価と言われるイージス艦の2倍の21億ドルにまで膨れ上がったため3番艦で打ち切りとなった。

当初は29隻を建造予定だったが、最終的に同型艦を2隻と準同型艦1隻にとどまった。

性能面の向上に特化したコネチカットは莫大なコストがかかるため、 この後に建造される攻撃型潜水艦にはコネチカットの能力75%程度を目安として、コストを抑える方針がとられることとなった。

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水中衝突したものは中国潜水艦なのか?

(画像はUSSサンフランシスコ)

コネチカットが衝突した未確認物体が何だったのかについては、現状のところアメリカ海軍による詳細な調査結果の発表を待つしかない状態である。

詳細が明らかにされていないことから、中国の潜水艦と衝突したのではないかという噂も出回っているが、その可能性は低いだろう。

今回事故が起きた南シナ海は、アジアの大湯沸かしと称されるほどの政治的ホットスポットとなっており、その直接的な原因を作ったのが中国とされている。

中国が2014年頃を機に南沙諸島周辺に大規模な人工島を急ピッチで建設したことで、南シナ海周辺の海洋問題が一層複雑となった。

この事実を懸念してアメリカは 、南シナ海の人工島周辺海域において「航行の自由作戦」を実施。

「航行の自由作戦」とは中国が勝手に自国の領海と言い張はる海域を通ることで、その主張を認めさせないための行動である。

中国が行なった人工島建造によって領有権紛争と海洋管轄権の問題は周辺各国へ多大な影響を与える結果となった。

このような背景もあってか、今回南シナ海ではコネチカットが秘匿性の高い任務についていた可能性がある。

現在のところ、中国との摩擦による問題が影響して、結果事故に繋がったなどという報告は上がっていない。

また南西部のマレーシア東方海域では、大陸棚の影響により水深は200m以下となっている。

そのため海上航行を行う船舶から雑音による影響は大きくなる。

結果、南シナ海周辺の特異な環境がパッシブソナーへの影響したせいで、本来なら感知可能な沈没船や水没コンテナに接触したとする説が、事故の原因としてもっとも妥当性が高いのではと推測されている。

元々潜水艦には外界を感知する機能としてソナー以外には存在せず、艦艇や航空機のように目視による確認などもできない。

そのためソナーによる事故が最も多くなるのも事実であり、2021年2月に海上自衛隊の潜水艦「そうりゅう」が高知沖の足摺岬沖で貨物船と衝突した事故は記憶に新しい。

大型貨物船が安全確認のために潜水艦そうりゅうが放ったソナーの死角に入ったのではないかとされている。

原子力潜水艦コネチカットの衝突事故 まとめ

南シナ海における今回のアメリカ海軍潜水艦の事故は、その背景にある中国との問題を考慮に入れて考えていかなければならない。

なぜその海域で極秘性の高い作戦を行う必要性があったのか、本当にソナーによる認識不能が原因なのか、何らかの深海地形に影響されたものなのかを含めて、事故原因の詳細な調査を望むものである。

各国の国益に関する重大な案件となるため、全ての情報が開示されることはないのかもしれない。

しかし、ただの潜水艦事故として処理されるにはあまりにも、背景のきな臭さに目を向けずにはいられない。

もちろん何らかの障害物に接触した可能性も大いにあり、邪推による深読みは慎むべきだろう。

上記のような情報を基にこれからも事故の詳細を注意深く見守って行く必要があるだろう。

「戦争映画」は、ただ国同士が争う映画ではない。

迫力ある戦闘シーンだけでなく、涙なしには語れない数々の人間ドラマがある。

数ある戦争映画の中でも、今回は実話を元にしたエピソードのみを厳選して紹介する。

一度は見ておきたい実話の戦争映画5選!