台湾の防空識別圏に侵入する中国軍機の正体!台湾空軍の実力と問題点

「戦争映画」は、ただ国同士が争う映画ではない。

迫力ある戦闘シーンだけでなく、涙なしには語れない数々の人間ドラマがある。

数ある戦争映画の中でも、今回は実話を元にしたエピソードのみを厳選して紹介する。

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連日、中国軍機が台湾の防空識別権に侵入を繰り返し、挑発行為を行っている。

2021年の報告書によれば、その数は延べ940機に達し、その日数は230日を越えていたことが明らかになった。

防空識別権とは、領空の外側に設定された400~500kmのエリアで、侵入してくる不明機に対し国籍識別や飛行指示などを行う空城のことでADIS(アジズ)と呼ばれる。

中国軍機の侵入は機数や日数が増加しただけでなく、機体の種類も変化しており、まるで軍事演習のような多種類の航空機が飛来するようになった。

今回は、台湾の防空識別圏に侵入を繰り返す中国軍機について、その機体の種類と特徴また、挑発の目的について解説していこう。

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台湾の防空識別圏に侵入する2つの目的

中国が台湾に対して軍用機を防空識別圏へ侵入させ、軍事的圧力を強める理由の1つは、台湾とアメリカ、ヨーロッパ諸国の関係に対する不満である。

中国は南シナ海のフィリピン領である南沙諸島の珊瑚礁に大量の土砂を流し込み、埋め立てによる人工島の建造を行っている。

すでに3,000m級の滑走路や駆逐艦が複数接岸できる岸壁が完成しており、さらに陸上発射型のミサイルも配備され、完全に実行支配している状態である。

この状況を重く見たアメリカは、「航行の自由作戦」という名のもと、人工島の領海内にイージス艦を派遣して中国の実効支配に対して反発を行っている。

さらにアメリカだけでなくNATOに加盟するヨーロッパ諸国も、南沙諸島で起きている中国の行動に懸念を強めており、それを止める目的もあって台湾との関係を急速に強化しているのだ。

実際に、アメリカ下院とNATOに加盟する議員団が台湾訪問を決めた直後に、中国軍機が大量に台湾の防空識別圏に侵入しており、各国に対する抗議と警告のメッセージが含まれていると見られている。

もう1つの理由が台湾空軍の弱体化である。

連日のように防空識別圏に侵入してくる中国軍機に対し、その対応に追われる台湾空軍の負担が増加しているのは確かである。

それにより台湾空軍を疲弊させ、弱体化させることを狙っていると台湾国防部長は述べている。

日本においても、中国軍機の近接事象が多発しており、航空自衛隊は年間1000回近くも戦闘機を緊急発進させスクランブル対応に追われている。

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台湾に侵入する中国軍機の正体

台湾の防空識別圏に侵入してくる中国軍機は空軍機だけにとどまらず、海軍機を含む多数の機種構成からなる。

その詳細は、戦闘機、爆撃機、電子戦機、情報収集機、空中給油機、対潜哨戒機など多岐にわたる。

戦闘機においては、他の機体と編隊を組んで飛行しており、護衛目的とみられる。

つまり、台湾付近で実戦を見据えた予行演習を行っているようにも見えるのだ。

戦闘機の主力はスホーイ系で、近年はロシアからの輸入や旧型が少なくなり新型の国産であるJ-16戦闘機が増加している。

J-16は海軍機であるが、ロシアのSu-27フランカーを元に独自改造が施された機体で、航空自衛隊のF-15のような戦闘爆撃機である。

J-16の戦闘力については明らかになっていないが、ロシアのSu-30を上回るとされ、機体にはレーダー波吸収素材が使用されステルス性が高められている。

その他デルタ翼が特徴的なJ-10戦闘機も含まれており、F-16と同クラスの多用途戦闘機として運用されている。

どちらの機体も空中給油が可能で、爆撃機と共に台湾付近に飛来している。

爆撃機については、旧ソ連のTu-16をライセンス生産したH-6が主力であり、対艦、対地ミサイルや巡航ミサイルを6発搭載しており、射程2000kmに達する巡航ミサイルKD-20を搭載し、米軍や自衛隊の艦艇に対する遠距離攻撃を企図する機体である。

電子戦機、情報収集機、早期警戒機は主にY-8もしくはY-9シリーズが飛来している。

電子戦能力については非常に高く、Y-8数機で東シナ海全域に対して電子妨害をかけることができる。

艦隊のレーダーや通信網を妨害し無力化したところに戦闘機や艦艇がミサイルを撃ち込むという戦術である。

また、電波収集能力も優れており、敵の送信するレーダー波や通信情報を300km遠方から受信できる能力をもつ。

早期警戒機はKJ-500が主力となっており、後方から戦闘機を管制したり敵情報を共有するなど作戦遂行の支援を行う機体である。

対潜哨戒機Y-8Qは海上自衛隊のP-1やP-3と同様、上空から洋上の監視、潜水艦の捜素対潜攻撃を行う機体で魚雷を6発搭載でき、艦艇部隊と共同で潜水艦を撃沈することを目的としている。

後部には海上自衛隊の対潜哨戒機と同じく、MAD(マッド)と呼ばれる磁気センサーがついており、上空から水中に潜む潜水艦の磁気を探知できる能力をもつ。

台湾海軍には潜水艦は4隻しか配備されていないが、台湾有事の際は米海軍や海上自衛隊の潜水艦も攻撃対象となることが想定される。

その他、中国は無人機の運用にも力を注いでおり、軍事パレードで姿を表した「翼竜」は米軍の無人偵察機に酷似した機体形状である。

また、中国は小型ドローンを1300機以上同時にコントロールすることに成功しており、これに小型爆弾を搭載してイージス艦や空母に突入させる飽和攻撃も企図しているといわれている。

ドローンは戦闘機よりも安価でパイロットの必要もないことから、リスクの高い作戦にも使用でき、かつ相手に被害を与えることができるため、今後はさらに増加していくと思われる。

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台湾空軍の航空戦力と問題点

2016年以前は、中国機が台湾の防空識別圏に侵入することはほとんどなかった。

しかし、新たに就任した台湾の蔡 英文氏(さい えいぶん)の政策により、中国の行動がエスカレートするようになったのだ。

台湾の陸海空軍の航空戦力は合計730機であり、その内、戦闘機は230機である。

この数は世界ランキングにすると日本を上回る第8位となる。

ただし、古い機種も運用されておりF-5においては第3世代戦闘機である。

2000年までに主力である第4世代戦闘機のF-16を150機を導入しているが、当時アメリカは中国との関係悪化を恐れ、旧式バージョンや意図的にダウングレードされたF-16しか許可しなかった。

そのため、台湾はアメリカの企業と合同で国産化した戦闘機F-CK-1の導入を進めた。

この機体は敵の滑走路の破壊を目的とした対地ミサイルと燃料気化爆弾を装備できるようになっている。

配備されている戦闘機の中では対空戦と対地攻撃能力が最も高い機体である。

2017年からはF-5戦闘機の後継機として近代化されたコンピューターや最新のレーダー、電子戦システムをもつF-16Vへのアップデートがアメリカに承認されたことにより、2024年までにF-5全機がF-16Vに置き換わることで台湾空軍の戦闘機は全て第4世代戦闘機となる。

機体については順次アップデートが行われているものの、訓練において制約が多いことが難点である。

台湾は中国と地理的位置が非常に近いこともあり、台湾に軍事的協力ができる国がない。

そのため、台湾空軍のパイロットが他国の空軍と共同で訓練する機会はほぼない状態で、最新の戦術や空戦を学ぶ機会が少なく、実戦でどの程度通用するかは未知数である。

「戦争映画」は、ただ国同士が争う映画ではない。

迫力ある戦闘シーンだけでなく、涙なしには語れない数々の人間ドラマがある。

数ある戦争映画の中でも、今回は実話を元にしたエピソードのみを厳選して紹介する。

一度は見ておきたい実話の戦争映画5選!