中国の人工島建設! 領土を奪われたフィリピン そこで何が行われている?

「戦争映画」は、ただ国同士が争う映画ではない。

迫力ある戦闘シーンだけでなく、涙なしには語れない数々の人間ドラマがある。

数ある戦争映画の中でも、今回は実話を元にしたエピソードのみを厳選して紹介する。

一度は見ておきたい実話の戦争映画5選!

2012年、フィリピン領である美しいスカボロー礁に突然大量の土砂が流し込まれ、埋め立て工事による中国の人工島が建造された。

その後、その島には軍事施設が建設され実行支配された。

まるで映画のような話だが、これは南シナ海で起きた実際の出来事だ。

それまで、スカボロー礁はフィリピン領であったが周辺海域の豊富な漁業資源に目をつけた中国は、多くの中国漁船を送り込んだ。

フィリピン海軍の艦艇はその対応のために出港したが、多数の中国漁業監視船から取り囲まれ、一触即発の事態へと発展した。

事態を重く見たアメリカが仲裁に入り、双方の船舶は一旦撤退したものの、中国はその後も、その付近に居座り続け、人工島建設のための大量の土砂を運搬して埋め立て工事を開始した。

フィリピンは中国の軍事力の前には丸腰同然で、抵抗することなく自国の領土を奪われることとなった。

今回は、中国が実行支配したフィリピン領の島々について人口島建設で何が行われているのか、またその目的について解説していこう。

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フィリピン領土に中国が人工島建設

南シナ海に浮かぶフィリピン周辺の美しい島々。

その7箇所において、中国は環礁に大量の土砂を流し込み、埋め立て工事による人工島を建設している。

偵察衛星画像でもはっきりと分かるように戦闘機や爆撃機が離着陸できる3,000m級の滑走路がすでに完成している。

中でも、ミスチーフ礁は建造が進めば将来的に中国海軍の基地になると予想され、中国海軍が海洋進出する際の拠点になる恐れがある。

環礁を埋め立てる行為はあきらかな環境破壊であることから、各国の環境保護団体にも働きかけ、フィリピンの美しいさんご礁を埋め立てる行為を止める必要がある。

中国が南シナ海の領有権をめぐって行動に移したのは遡ること1974年のことだ。

そもそも、南シナ海の岩礁はフィリピン、ベトナム、中国が領有権を主張していた。

当時アメリカはベトナム戦争で多くの戦力を失い、南ベトナムから撤退した。

その時を待っていたと言わんばかりに中国は南ベトナムに侵攻しスプラトリー諸島の一部を占拠したのだ。

1992年、中国はフィリピン周辺諸島と日本の尖閣諸島に対し、これらを自国領とする「領海法」を制定した。

その影響で2019年11月、海上保安庁の航空機が尖閣諸島上空をパトロール中に、中国海軍の艦艇から4回にわたり「尖閣諸島は中国の領土である」と主張し、保安庁の航空機は領空侵犯を行ったとして直ちに尖閣諸島から離れるようにと警告を受けている。

このようにエスカレートする中国の行為に対し、日本政府は有効な対策を講じておらず「遺憾、抗議」という言葉を繰り返しているのが現状である。

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人工島で何が行われているのか?その目的とは?

中国による実行支配はスビ礁、スカボロー礁のほかにもファイアリークロス礁でも大規模な建設が行われている。

ウッディー島の3000m級滑走路と島の拡張工事は完工しており、埋め立て工事により22%面積が拡張されている。

つまりそれだけ大量の土砂を流して環境破壊をしたことになる。

人工島には054型フリゲート5,000トンクラスの「ジャンカイ級」が同時に9隻も接岸できる大規模な岸壁が建設されている。

ジャンカイ級は30番艦まで建造が完了しており、主任務は対水上戦と対潜戦である。

今後はこの人工島を拠点に南シナ海や東シナ海を中心として作戦行動に出る可能性も出てくる。

さらに、中国はミャンマー、バングラディシュ、スリランカ、パキスタンに資金援助を行い中国企業の手で港を開設している。

現在は支援という形で港湾設備を建設しているが、将来的にこれらの港が軍港として機能する可能性は十分考えられる。

また、スプラトリー諸島には中国の主力ミサイルであるYJ-12の陸上運用型が配備されている。

YJ-12は対艦ミサイルとして航空機や艦艇にも装備されており、中国の主力ミサイルである。

射程は400㎞以上とされ、多数のミサイルによる飽和攻撃が脅威となっている。

これらの中国の違法行為を止めるため、アメリカをはじめヨーロッパの海軍は「航行の自由作戦」を決行した。

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人工島建設を中止させる「航行の自由作戦」開始

南シナ海や東シナ海の尖閣諸島周辺において、中国の傍若無人ともいえる行動に対し、アメリカや日本を始めG7サミットにおいても各国は「中国のいかなる一方的行動にも強く反対する」と宣言し、中国に対し厳しい姿勢で臨む必要があるという結論に至った。

それを実行したのが、アメリカ海軍が行った「航行の自由作戦」である。

他国の領土に勝手に人工島を作り、実行支配を続ける中国に対し、アメリカ国防省は「国際法に従った航行の自由の権利を中国に認識させる」とし、横須賀基地所属のイージス艦「ラッセン」を派遣。

人工島建設が行われているスビ礁周辺の領海12マイル以内を通過する「航行の自由作戦」を決行した。

この行動に対し中国軍制服組トップである范長龍(はん ちょうりゅう)「中国の領土主権と安全への脅威であり、判断ミスと偶発的な事故を起こしかねない」と激怒し、中国海軍2隻を出港させ、イージス艦ラッセンの監視と追尾を開始させる事態へ発展した。

アメリカ国防省はこの行動を3ヶ月に2度の割合で実行していくとしているが、その程度では中国があきらめることはないだろう。

また、「航行の自由作戦」はアメリカのみならず、イギリス、フランス海軍も参加して複数回行われている。

南シナ海を中国に支配されることなく、各国が自由に航行できることは世界的にも重要なのだ。

なぜ、この作戦が世界規模で行われるのだろうか?

その理由はエネルギー資源の輸送だ。

世界で取引される石油や天然ガスなどのエネルギー資源の40%以上が、巨大タンカーにより南シナ海を通過する。

世界経済を支える商船の半数以上が南シナ海を航行するという重要な海上交通路となっている。

もし南シナ海の岩礁が中国の支配下に置かれ、その周辺の海域を領海侵犯だと主張し始めたら、タンカーは太平洋から遠回りせざるを得ない。

これにより輸送コストが大幅に上昇することが予想される。

その影響は石油製品に反映され、世界の原油相場や株価に大きく影響し、結果的に世界中で経済が混乱する恐れがある。

つまり、南シナ海に直接関係のないヨーロッパ諸国やアメリカにも経済的影響を及ぼすため、世界規模で中国の野蛮な行動を止めるべく「航行の自由作戦」が行われているのだ。

南シナ海の次のターゲットは尖閣諸島

中国にとっての最終目的は南シナ海全域を支配することであり、同時に東シナ海の尖閣諸島も狙っているのは間違いない。

つまり人口島建設は序章にすぎないのだ。

尖閣諸島周辺の海域は常に中国海軍と中国海警の船舶が航行しており、領海侵入を繰り返している。

中国海警(かいけい)とは日本の海上保安庁とは違い、武装警察部隊の一部で準軍事組織のことである。

そのため中国海警の船舶は保安庁よりも強力な武器を搭載しており重武装化されている。

これらの船舶に対し海上自衛隊の護衛艦と海上保安庁の巡視船が1年を通して24時間休むことなく常に監視任務を行っており、東シナ海では「にらみ合い」が常態化している。

中国の一連の行動は軍事侵略の新しい手段ともいえる。

ジワジワと尖閣諸島周辺で活動の既成事実を積み上げていき、南シナ海のように実行支配につなげる作戦ではないだろうか。

日本政府の中国を刺激しない政策も、中国の行動をエスカレートさせる一因といえるだろう。

「戦争映画」は、ただ国同士が争う映画ではない。

迫力ある戦闘シーンだけでなく、涙なしには語れない数々の人間ドラマがある。

数ある戦争映画の中でも、今回は実話を元にしたエピソードのみを厳選して紹介する。

一度は見ておきたい実話の戦争映画5選!