航空自衛隊の第6世代戦闘機【F-3】開発の全貌とF-35との比較
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2007年の日米合同訓練において、航空自衛隊のF-15戦闘機と米空軍の ステルス戦闘機F-22との間で、模擬空中戦が行われた。

結果は、F-22の一方的な勝利となった。

対戦したF-15のパイロットは「姿が見えないボクサーに連打を浴びているようなもの」と、その時の模様を語っている。

このようにレーダーに探知されぬようあらゆる技術が取り入れられているステルス機と従来の非ステルス機では性能の差は歴然としているのである。

ステルス性のない戦闘機は、もう時代遅れになりつつあると言えるだろう。

日本は F-15の後継機として、このF-22を導入する計画であったが、アメリカは輸出を拒否したため、F-35を導入することとなった。

そして現在、使用しているF-2の後継機として計画されているのが、日本独自の技術で開発が計画されているF-3である。

目標はF-22を超える戦闘機、世界最高峰の戦闘機を作ることである。

今回は、F-3がどのような戦闘機になるのか、そのコンセプトと新型エンジンの性能や新しい装備について解説していこう。

しまかぜ

F-3の新型エンジンのパワーを動画でも解説しているよ!

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F-3の開発コンセプト

F-3は、現在、防衛装備庁が研究開発している次世代戦闘機だ。

この戦闘機のコンセプトとしては「ステルス性」と「高い運動性」の両方を兼ね備える戦闘機であるということが挙げられる。

防衛装備庁では、2009年より F-3の開発に向けての実験機としてX-2先進技術実証機、別名「心神」の試作を進めてきた。

その後完成した機体で2016年4月から2017年10月までの間、名古屋空港にて合計32回におよぶ試験飛行を行ない、ステルス性や飛行制御技術、各種計器動作の確認などが行われた。

X-2の実現のために適用された技術としては、次の4項目が挙げられる。

「エッジ・マネージメント」

これは翼やエアインテークなどの角度を、そろえることによりレーダー電波の反射を特定方向のみに限定させ、その他の方向に電波が反射しないようにする技術である。

「キャノピーコーティング」

これは、コクピット内に入ってくるレーダー電波を低減させ、反射した電波が外部に放射しないように特殊コーティングを行ない抑制する技術である。

「電波吸収材」

これは電波を吸収しレーダー電波の反射を抑えるものである。

翼の前縁やエアーインテークなど電波を反射しやすい箇所に使用されるものである。

「ステルスインテークダクト」

これは従来の航空機の直線的なエアーインテークでは正面からエンジンのファンブレードが見渡せてしまうためレーダー反射面積が大きくなる。

その電波を直接反射させないよう内部で回ったダクトが用いられている。

コクピットについては、座席とキャノピーは T-4練習機用が、主脚はT-2 練習機の物が利用されている。

コクピット内部は二基の「マルチファンクションディスプレイ」と呼ばれるモニターが装備され、ボタン一つでさまざまな各種データを確認できる。

そしてヘッドアップディスプレイと呼ばれるヘルメット状のデバイスにはパイロットの視覚にさまざまな情報を映し出す装置が装備されている。

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 XF-9エンジンの技術と性能

XF-9エンジンは、防衛装備庁と日本のIHI社が、将来戦闘機開発計画の一環として開発中のターボファンエンジンであり、2010年より研究開発が行われている。

このエンジンのコンセプトは、「ハイパワースリムエンジン」と呼ばれる大出力と小型化を両立させたエンジンを開発することにある。

XF-9エンジンの推力は米軍のF-22戦闘機に搭載されているF119エンジンに匹敵する出力を持っている。

また発電能力については、スターターとジェネレーターを一体化したスタータージェネレーターを装備し、180kWの発電容量を持っている。

これにより将来大きな電力消費が予想される場合でも対応できるようになっている。

また推力偏向パドルは、ジェットエンジンの排気ジェットの向きを変えることによって高い運動性を確保する研究も行われている。

従来の戦闘機では、主翼に取り付けられているフラップを使用して飛行機の起動を変更するが、推力偏向パドルは、このフラップをエンジンの噴射口に、それぞれ3枚ずつ、120度間隔で取り付けて、さらに高い機動力を得ようとするものである。

XF-9の最大推力の目標性能は、アフターバーナー 作動時で15トン以上、アフターバーナー非作動時で11トン以上となっている。

アフターバーナーとは、ジェットエンジンの排気に対して通常より多くの燃料を噴射し、再燃焼させ、高揚力を得る装置であり、離陸時などに用いられている。

推力偏向パドルは、本来であれば失速して墜落してしまうような急角度における飛行もできるようになるのである。

エンジンの開発においては、日本のIHI社が担当となっているが、防衛省は今後イギリスのロールスロイス社との共同開発を行うとの発表を行った。

今まで米国一辺倒だった日本が始めて米国以外の国と開発を行うことになったのである。

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 航空自衛隊がF-35を導入 F-3との性能差は?

航空自衛隊は、現在、保有している戦闘機の転換期に差し掛かってきていると言っていいだろう。

約50年間にも及ぶ長期にわたり日本の空を守ってきたF-4 EJ 改ファントムは、2021年度をもって全機が退役となった。

そして現在の主力戦闘機であるF-15も初飛行したのは昭和47年であり、すでに30年以上が経過している。

現在航空自衛隊は約200機のF-15を保有しており、そのうち後期型の100機についてはレーダーや電子機器の近代化が行われている。

しかし初期型の100機については、近代化するためには、多額の費用がかかることが予想されたため、今後は退役していく予定である。

F-22の輸入が頓挫したことによりF-4ファントムの後継機としてF-35が選ばれることとなった。

戦闘機の総数こそ変わらないが、近代化したF-15、最新鋭のステルス戦闘機F-35、日本の技術が取り入れられた新鋭ステルス戦闘機F-3の三本柱となり、その中身は、以前よりも遥かに航空優勢を確保するための戦闘力がアップするであろう。

F-35とF-3の性能や任務の違いについては、現時点ではまだ明確になっていない。

しかしF-3は、エンジンが双発、F-35は、エンジンが単発であるということは、エンジンの出力に余裕がある分、F-3の方が安全性において有利であり、なおかつミサイルの搭載量も多くできるという利点があるだろう。

また今後アップグレードをしていく上でも、エンジン出力において上回るF-3の方が有利だといえる。

またレーダーについては、ステルス機を発見するためのセンサーを備えた次世代ハイパワーレーダーを開発する予定となっている。

これは従来よりも出力を強化したレーダーで、レーダー反射断面積の小さい目標の探知能力を高めることを目的としている。

米国依存からの脱却

日本は戦後、長らくアメリカから戦闘機を輸入し設計図を買い取り、それを元に戦闘機を日本国内で製造するというライセンス生産を行ってきた。

F-4ファントム、F-15イーグルの大部分の部品については、日本での製作が可能であり、それにより多くの航空機開発技術の蓄積がされてきた。

しかし、今後導入することになるF-35では、ライセンス生産は行われず、完成品を輸入する形がとられるようになった。

これによりコストは多少下がることにはなったが、このまま米国依存を続けていると、日本の航空機開発技術は廃れてしまうことになる。

完全国産化は資金面や技術面で多少困難であるとは言うものの、F-2の時とは違い、エンジンや ウェポンベイと呼ばれるミサイルを機内に格納する技術、それにレーダーな度においては、日本の技術が取り入れられているF-3は、今後の日本の戦闘機開発において、大きな足跡を残すことになるに違いない 。

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