航空自衛隊【C-2輸送機】アフガニスタンへ!その性能と邦人輸送任務とは?

「戦争映画」は、ただ国同士が争う映画ではない。

迫力ある戦闘シーンだけでなく、涙なしには語れない数々の人間ドラマがある。

数ある戦争映画の中でも、今回は実話を元にしたエピソードのみを厳選して紹介する。

一度は見ておきたい実話の戦争映画5選!

アフガニスタンの邦人らを退避させるために、航空自衛隊のC-2、C-130輸送機が派遣された。

米軍がアフガニスタンから撤退し始めると同時に、イスラム主義勢カタリバンが侵攻して首都力ブールを占領した。

派遣されたC-2、C-130はアフガンの国際機関で働く日本人職員や大使館、その他の機関の職員らを近隣国に輸送することが、今回の任務である。

輸送機の派遣は、自衛隊法第84条の4「邦人輸送」に基づいて行われた。

海外で緊急事態が発生した場合に邦人を安全な場所に輸送するという規約である。

派遣された2種類の航空機のうちC-2は国産輸送機で、そのサイズは国内最大である。

今回は、航空自衛隊が誇るC-2輸送機の性能やC-1との比較、また過去に行った邦人輸送任務について解説していこう。

しまかぜ

航空自衛隊の主力輸送機C-2の素晴らしい性能やC-1との比較動画も最後にみてね!

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航空自衛隊C-2輸送機の開発と性能

C-2輸送機は鳥取県にある美保基地の第3輸送航空隊に配備されている。

2021年現在では美保基地に10機、埼玉県の入間基地に1機配備され、試験機を合わせると合計12機が人員や物資の輸送任務に従事している。

今回の邦人輸送の任務では、C-2輸送機が入間基地から中継地点である美保基地に移動して、自衛隊員らや機材を乗せた後、8月23日午後6時25分に出発した。

付近の住民からは

「いつも見ている姿ではあるが今回ばかりは離陸する姿に胸が熱くなった」

「無事に任務を完遂して帰ってきてほしい」

という熱い思いで見送ったという声があがっている。

導入から47年が経過したC-1輸送機の後継となるC-2は2016年から配備されており、輸送能力はC-1の3倍以上にアップグレードされており日本の主力輸送機として活躍している。

C-2の機体はブルーを基調としており、空や海の色と機体が同調することで敵からの視認性を低くしている。

そのカラーリングからC-2は「青い鯨」という意味の「ブルーホエール」というニックネームがっいている。

C-2は海上自衛隊の対潜哨戒機であるP-1とともに2000年に川崎重工が開発と製造を担当。

同時開発の理由として、一部の部品などを共有化することで、開発費を抑えることが目的であった。

しかし、試作や試験では不具合や故障が発生し、計画の見直しや設計の改善など前途多難であった。

2 機同時開発という世界的にも珍しい試みは予定よりも大幅に遅れ、開発から導入までC-2は約16年、P-1は約13年という年月を費やした。

当時は「種類の異なる機体の同時開発は無理ではないか」「計画自体がバカバカしい」などと航空機マニアなどから批判されていた。

川崎重工が主体となって開発されたが、胴体は三菱重工業、主翼は富士重工、レーダーは東芝など各企業が分担して製造しており、機体の約7割が国産仕様となっている。

2004年にはC-2のモックアップが完成した。

モックアップとは実大模型のことで機体外形や整備上の整合を図る目的で作られる。

そしてC-2は改良を重ねて2011年に初飛行に成功したのだ。

現在、空自のC-2と海自のP-1はどちらも部隊運用されていることから、結果的には2つの機体の同時開発は成功したといえる。

C-2輸送機のスペックはこのようになっている。

C-2輸送機のスペック

全長43.9m  全幅44.4m  全高14.2m
乗員 2~5名
輸送能力 貨物36トン 人員110名
ターボファンエンジンx2基
最大速力 890㎞
航続距離 約7,600km(20トン搭載時)

旧型のC-1 から機体サイズは大幅にサイズアップし、戦後日本が開発する機体としては過去最大のサイズとなる。

それにあわせてエンジンもボーイングやエアバスに使用されているハイパワーエンジンが装備され、政府専用機や早期警戒機E-767 と同じエンジンである。パワーの理由以外に、ほかの航空

機と共通のエンジンであれば整備面においても効率的であることから採用されたと思われる。

機体のサイズは大型であるものの、上部に給油口があり空中給油を受けることも可能である。

通常の航空機は翼が胴体の中央付近についているが、C-2は主翼が胴体の上側についている点が特徴といえる。これは主翼を上につけることで胴体内に高さ 4mの貨物室が確保できるからである。

もう1つの特徴として水平尾翼の位置である。

これも通常の航空機と違い、垂直尾翼の上に水平尾翼がついたT型の設計となっている。

胴体内に車両やヘリコプターなどを搭載する後部ハッチを設けるために垂直尾翼が上部に設置されたT型翼となっている。

乗員は操縦士2名と輸送員1名で補助席5名まで乗ることができ、貨物室には30 トンの貨物や110名の人員をのせることができる。

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C-1からC-2ヘ進化した性能と装備

C-1とC-2の 機体サイズの差は全長15m 全幅14mであり、比較するとかなり大型になった。

C-1の約3.8倍もの輸送能力をもっており、貨物は約30トンを搭載できる。

最大離陸重量も3.1倍の141トンまで増加し、国産航空機の中ではトップである。

この重量に耐えられるように車輪は左右6輪ずつの計12輪となっている。

最大速度も1.2倍となり、エンジン出力は4.2倍となっている。

このようにC-2の開発コンセプトは搭載量、巡航速度、航続距離の増加が目標であった。

なるべく遠くまで多くの貨物をはやく届けることができるのが輸送機の一番の強みである。

C-1やC-130よりも航続距離や搭載量は大きくなっておりC-130とはエンジンは違うものの、各能力は1.5倍ほど上回る。

後部のハッチはC-1が観音開き扉であるのに対し、C-2はハッチそのものが車両などをのせるためのローディングランプになっている。この構造により、全長20m近いサイズのUH-60Jヘリコプターや大型トレーラーも自走で搭載することが可能となった。

貨物室はC-1のように配管や骨組みが目立たず、広くてすっきりとした室内になっている。

輪送機のため、さすがに旅客機のような静粛性と乗り心地のよさはないものの会話ができるくらいの騒音まで抑えられている。

航続距離は貨物重量により変わるもののC-1の約4倍もの距離を飛ぶことができる。

36 トン搭載時4500km、20 トン搭載時7600km、空の状態なら9600kmの航続距離であり、給油なしでハワイまで飛行できるスペックを持っている。

C-1の機体と比較するとそのサイズがいかに大きくなったかがわかる。

旧型のC-1は 機体サイズが小さいため、旋回時などの運動性能が高く、パイロットの思い通りに操縦できるというメリットがあった。

それに対しC-2はニックネームの鯨のように大柄な機体であるが、その運動性能や操縦性はよく、バランスのとれた安定性をもつ輸送機である。

コックピットはP-1と同じ大型液晶ディスプレイ6台が設置されており、ヘッドアップディスプレイにより、状況の把握がより分かりやすくなっている。たとえば低空飛行の際にヘルメットのバイザー部分に飛行経路の誘導や障害物などの脅威が表示され、その回避ルートも示される。

C-1よりも大幅に航続距離が伸びたため長時間のフライトも可能となった。

長い任務に備えてコックピット内には仮設2段ベッドが設けられており、冷蔵庫や簡単な調理ができる電子レンジも設置されている。

多くの人員を輸送する任務もあることから、トイレは民間旅客機と同等のものが2箇所に設置されている。

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邦人輸送任務とは?

アフガンに残された日本人を保護するために、美保基地を飛び立ったC-2はパキスタンのイスラマバードに到着した。

自衛隊法第84条の4「在外邦人等の保護措置、輸送」に基づき、海外での災害や紛争など、緊急事態が発生した場合、その地に居住している日本人を保護するために輸送を行うことができる。

邦人輸送を速やかに行うために、陸海空自衛隊では部隊を現場に速やかに派遣するための準備がとられている。

陸上自衛隊はヘリコプターや陸上輸送を担当する部隊、海上自衛隊は輸送艦などの艦艇、航空自衛隊は輸送機や派遣隊員の準備など待機態勢が整えられている。

実際、自衛隊はこれまでに4回の邦人輸送を行っている。

平成16年、イラクの外国人拘束事件においてC-130輸送機で邦人10名をイラクからクエートまで輸送。

平成25年、アルジェリアで起きた邦人拘束事件では、政府専用機のボーイング747で邦人7名とご遺体9名を日本に輸送。

平成28年、バングラディッシュのダッカ襲撃事件ではご遺体7名とその家族を日本へ輸送。

同年、南スーダンの情勢悪化にともなう事案ではC-130輸送機で大使館職員4名をジュバからジブチへ輸送した。

このように航空自衛隊は、日本周辺の空域だけでなく遠くはなれた海外においても日本人の生命を守るために活躍している。

C-2輸送機 まとめ

南西諸島海域では、年々、中国海軍の勢力が強まっている。もし、尖閣諸島が侵攻された場合、C-2は装備や隊員を現場に運ぶ任務も担うことになるだろう。

水陸両用車AAV7やUH-60ヘリコプタ一、野外手術システムのほか、北朝鮮からの弾道ミサイルを迎撃するパトリオットも輸送することができる。

また有事の際以外にも、激戦地となった硫黄島での遺骨収集のため遺族らを移送したり、災害時には救援活動を行うために車両や機材を空輸したりすることができる

このように、C-2は平時においても、その高い能力を発揮する日本国内の航空技術の結晶といえる輸送機である。

「戦争映画」は、ただ国同士が争う映画ではない。

迫力ある戦闘シーンだけでなく、涙なしには語れない数々の人間ドラマがある。

数ある戦争映画の中でも、今回は実話を元にしたエピソードのみを厳選して紹介する。

一度は見ておきたい実話の戦争映画5選!