韓国 新型戦闘機KF-Xの能力が貧弱な理由とは?まもなく試作機が初飛行!
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韓国空軍の新型戦闘機KF-X。

新型戦闘機KF-Xの開発費には約8080億円が投じられており、性能試験用の試作機がまもなく完成し、公開される予定だ。

退役が近いF-4とF-5の後継機としてKF-Xを開発中であるが、その性能は「期待以上」であるといわれいる一方、協力国であったインドネシアが、ある理由で手を引こうとしている。

第5世代戦闘機が主流となる現代において、4.5世代と言われるK-FXを開発するのはなぜなのだろうか?

今回は、韓国が初めて自国で生産する最新鋭戦闘機 KF-Xの全貌について、また、KF-Xの開発に影響を及ぼしたとされる北朝鮮からの砲撃、大延坪島(ヨンピョンとう)事件について解説していこう。

しまかぜ

KF-Xについて動画でも解説しているので、最後に見てね!

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KF-Xの機体スペック

K-FX

第5世代のステルス戦闘機が主流となる中、非ステルスの4.5 世代と呼ばれるKF-X の性能はどの程度のレベルなのだろうか?

KF-Xのスペックはこのようになっている。

KF-Xのスペック

・全長 16.9m 全幅 11.2m 全高 4.7m
・最大速度マッハ 1.8(約2200 km)
・航続距離 2900km
・最大離陸重量約11.6トン
・兵装 IRIS-T(短距離対空ミサイル) ミーティア(長距離対空ミサイル)
BLU-109 (地中貫通爆弾) KEPD350(巡航ミサイル)
・価格800億ウォン(約72億円)

最大速度はアフターバーナーを使用した際の速度で、最大離陸重量はF-15と比較すると小さい。

KF-16と比較すると戦闘行動半径は50%大きくなっており、機体寿命も34%長くなっているが、価格は2倍近くなっている。

また韓国国産のフェーズドアレイレーダーを搭載しており、最新のアビオニクスと電子戦装置や味方との情報共有を行うデータリンクシステムを搭載する。

アビオニクスとは、電子機器、通信機器、自動操縦装置など飛行のために使用されるシステムのことである。

兵装については、2019年に展示されていた KF-Xの翼下にはレーザー誘導爆弾、短距離空対空ミサイルが各2発ずつ搭載されていた。

さらに胴体下にはミーティアと呼ばれる長距離空対空ミサイルが4発搭載されていた。

ステルス機はレーダー反射面積が極端に小さく、敵に探知されにくいのが一番の特徴でもある。

非ステルス機である KF-Xのレーダー反射面積は0.5㎡と韓国メディアが主張しており、これはF/A-18の1㎡と比較すると半分の数値となる。

韓国空軍はアメリカ空軍のF-117戦闘機相当になるだろうと主張しているが、実際F-117のレーダー反射面積の数値は0.025㎡である。

韓国空軍の主張に矛盾がある点に疑問を感じる。

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K-FXは、なぜ第4.5世代戦闘機と呼ばれるのか?

先進国の空軍では、現在第5世代と呼ばれる最新鋭戦闘機が導入されている。

第5世代戦闘機とは、簡単にいえば、技術の進歩により高い攻撃力と機動性、敵に探知されにくいステルス技術を導入した最新鋭戦闘機である。

アメリカ空軍のF-22ラプターをはじめ、航空自衛隊が導入した第5世代戦闘機F-35 は高度なシステムとステルス技術をもつ、非常に戦闘力の高い戦闘機である。

またロシアのSU(スホーイ)57、や中国のJ-20 が挙げられる。

韓国もアメリカから F-35を購入することが決まっているにも関わらず、非ステルスの4.5世代と呼ばれる KF-Xという戦闘機を開発している。

なぜ、4.5世代と呼ばれるK-FXを開発しているのだろうか?

当初、K-FXはF-16戦闘機相当の戦闘機を韓国国内で開発する計画であった。

しかし、自国だけの需要では開発が難しいという問題が発生し、KF-Xを購入してくれる国を探す必要が出てきたのだ。

そこで、候補としてインドネシアが挙がり、共同開発を進めることとなったのだが、当時の李明博(イ・ミョンバク)大統領はこの計画に乗る気はなく予算が十分に与えられなかったのだ。

そのため、開発は細々と継続され開発は予定通り進まなかったが、一部の技術がロッキードから提供されたことにより計画が一気に動きだした。

その結果、「F-16戦闘機」程度の戦闘機を開発するという計画が、第4世代機と第5世代機の中間程度の性能をもつ第4.5世代機になったのである。

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KF-X 開発の経緯

韓国空軍の戦闘機 KF-X の開発は2001年に発表された。

開発当初は、超音速ジェット練習機 T-50をベースにした機体であったが、多用途戦闘機とするため軍が方針転換し、双発戦闘機として開発が進むこととなっ
た。

KF-X開発にはインドネシアが開発計画に参加しているが「資金難」という理由で分担金が滞納状態となっている。

実際は、インドネシア側に得られる利益が少なく、KF-Xの開発に対する関心が失せていると報じられている。

実際、2018年にはインドネシアは分担金の支払いをストップしており、韓国に派遣した技術者40人全てを引き上げさせている。

また、当初はボーイングとエアバス、大韓航空の3社連合を組み、KF-X開発に参加することとなったが、計画は難航し、結果的に参加表明をしたのは韓国航空機メーカーのKAI(ケーエーアイ)だけとなった。

KAI は、「自動操縦システム」を開発することとなり、戦闘機では低空飛行時に地形を読み取り衝突を防止する技術で、現在の韓国国産機には搭載されていない。

さらに北朝鮮の脅威に対抗するために、開発が進められていくこととなった。

その理由として大延坪島(ヨンピョンとう)事件が影響しているとされている。

2010年11月、北朝鮮が北方限界線を越えた大延坪島(ヨンピョンとう)に向け、突然、砲弾約170 発を発射した。

そのうち80 発が弾着し、韓国軍の海兵隊2名と民間人2名が死亡、その他、重軽傷者や家屋の火災が発生した。

この攻撃に対し韓国は、80発の対抗射撃を行うとともに、韓国空軍のF-15K、16戦闘機の4機を大延坪島に緊急出撃させた。

この事件が影響し、新型戦闘機の原型であるKF-X開発の重点がステルス性能の向上となったのだ。

アメリカ国防省はKF-Xの開発において「ステルス技術」「フェーズドアレイレーダー」「電子光学照準システム」「自己防御装置」の4項目についての技術移転は行わないと発表した。

そのため、韓国はイスラエルやヨーロッパの技術提供を得ながら、試作段階へと移行していくしかなくなったのだ。

KF-X まとめ

アメリカの技術提供やインドネシアの協力も難航しており、原因は文在寅政権の外交下手が大きく影響しているとされ、このままではインドネシアがKF-Xの開発から完全に手を引く可能性も大きくあるといえるだろう。

2022年から試験飛行を開始し、2026年までには開発を完了する予定で、2015年に開始したKF-Xの開発は2026年に完了し、2028年に40機、2032年に80機が発注される予定である。

KF-X は韓国が初めて自国で生産する戦闘機のため、ステルス性能や兵装など、中途半端な性能となっている。

韓国が独自で最新鋭戦闘機を開発するには困難であり、外国からの技術導入は必須となるだろう。

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