航空自衛隊が電子戦機導入で中国の脅威に対抗へ。次世代戦争に備えよ!
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航空自衛隊が、電子戦機の導入によって、電子戦能力を強化し、周辺地域の脅威に対応するための戦力を強化することが明らかとなった。

導入が検討されているのは、アメリカボーイング社のEA-18G、通称「グラウラー電子戦機」である。

電子戦機は、最近登場してきた機種ではなく、米軍においては古くから使用されており、ベトナム戦争時にはA-1スカイレイダー、A-6イントルーダー、 EF-111Aレイヴンなどの各機を保有していた。

しかしこれら航空機は、敵国に対して電波妨害を行う攻撃任務に使用される航空機であるため、日本に導入されることはなかった。

しかし、ここにきて敵基地攻撃能力の保有に関する議論が日本では高まってきており、その必要上、この電子戦機の導入も検討されはじめてきたのだ。

日本の国防体制は新たな展開を迎えようとしている。

しまかぜ

電子戦機EA-18Gグラウラーの性能について動画も見てね!

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世界最強の電子戦機 EA-18Gグラウラー

EA-18Gグラウラーは、アメリカ海軍の戦闘機F/A-18スーパーホーネットをベースとして開発された電子戦機である。

2009年よりアメリカで配備が始まっており、日本でも横須賀を母港とするアメリカ第7艦隊所属の原子力空母「ロナルドレーガン」の艦載機として配備されていて、総生産数は172機である。

2010年より退役が始まっているEA-6B電子戦機の後継機として開発された。

最大速度はマッハ1.8、乗員は2名で、後席には電波妨害担当の士官が搭乗する。

装備としては、戦術妨害装置と呼ばれる電波妨害装置、無線周波受信システム、通信対抗手段セットなどを搭載している。

なお従来のF/A-18ホーネットに搭載されていた機首部分にある20ミリ機関砲は撤去され、そこには電子戦用機器が搭載されている。

現在、このグラウラーを保有している国は、アメリカ以外にはオーストラリアがあり、配備を検討している国は日本以外には、ドイツとフィンランドがある。

オーストラリアは、今後さらに追加で本機を購入する予定であり、ドイツでも15機を購入する方針を示している。

また火器管制レーダーについては、F/A-18と変わらずフェーズドアレイーレーダーが装備されている。

また搭載できるミサイルとしてはファームレーダーミサイルおよびアムラーム空対空ミサイルがある。

このファームレーダーミサイルについては、敵のレーダーから発せられる電波をたどって飛んでいくミサイルであり、現在行われているウクライナ戦争でも使用されている。

アメリカから提供されたこのミサイルは、 ロシア軍の対空ミサイルを攻撃することに対し、大きな戦果を挙げている。

これにより現在は、ロシア軍の防空ミサイルが無力化され、航空機からの地上攻撃が優位に進められている。

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電子戦機の任務と現代の電子戦とは?

電子戦機の任務としては、敵の基地を攻撃する際に、相手のレーダーや通信機器に対して妨害電波を出すことにより、その機能を封じる役割がある。

電子戦とは、敵が使用するレーダーや無線通信などに使用されている周波数に対する妨害活動を行い、また、これとは逆に自軍の使用するレーダーや通信設備に使用されている電波の円滑な運用を確保するための活動の総称をいう。

電子戦は大きく分けて電子攻撃、電子防護、電子支援の三つに分類される。

電子攻撃とは、敵が使用するあらゆる電波に対する妨害をするための活動のことであり細分化されている。

ジャミング

これはレーダーに使用されている電波と同じ周波数の強いノイズの電波を放射することにより、本来目標から跳ね返ってくる反射波を隠匿するものであり電力妨害とも呼ばれている。

欺瞞妨害

欺瞞とは、敵をだますことで、レーダー上で、実際の距離や方位とは違った場所に探知したり、実際の速度とは違った数値で探知するなど、それぞれを組み合わせて使用され、敵のレーダーから味方を隠匿して攻撃されるリスクを最小にするものである。

デコイ

これは、敵の攻撃から逃れるためのおとりのことで、航空機が発射するフレアなど、本当の目標と誤認させるのが目的で使用する装備の総称である。

また、チャフと呼ばれる電波を反射する物体を空中散布することでレーダーの探知から逃れる「おとり」で、第二次大戦中から使われている対レーダー対策であり、現在においては航空機や艦艇に搭載されている。

他にも、対レーダーミサイルというものがあり、レーダーサイトや通信施設などから発せられるレーダー電波や通信信号などを受信し、それをたどることで目標を破壊する。

さらに、近年は指向性エネルギー兵器が開発されており、これは砲弾やミサイルなど、あらゆる目標に対してレーザーによる直接攻撃を行ない、目標を破壊したり、機能を停止させる兵器で大部分は未だに研究段階にある。

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航空自衛隊が電子戦機の導入を検討

現在、航空自衛隊は、電子戦機を新しい戦力として保有することを検討している。

今まで、日本国土の防空を担当して来た航空自衛隊にとって敵国の基地を攻撃するための能力を保有するということは未知の領域であった。

敵地に対する攻撃をかける際に航空機は必ず敵のレーダーサイトの電波に捕まってしまう。

レーダーサイトは敵を探知できる距離が限られているため、隙間ができないように複数箇所に設置されている。

さらにレーダー電波の死角とされている水平線以降の空域においては、早期警戒機が上空から敵機を探知できるようになっている。

つまり敵に見つからずに航空攻撃をかけることは、極めて困難になってきているのである。

攻撃を行う際には敵戦闘機の迎撃やミサイルによる攻撃を受け、攻撃隊が一定の被害を被ることは避けられない状況になってくる。

そのため事前に敵のレーダーや通信網を撹乱させ、迎撃を封じてしまうことができる電子戦闘機の保有は必要不可欠となってくる。

これは自衛隊が本格的にミサイルだけではなく、航空機による反撃能力も保有しようと真剣に考えている現れであると言えるだろう。

戦略的に考えても、飛来してくる敵機や、ミサイルを迎撃するよりも、その元となるミサイル発射台や航空基地を攻撃するの方が、効率の良い戦い方だ。

これは決して他国に対して戦争を仕掛ける先制攻撃などではなく国防のための反撃能力なのである。

つまりこれは侵略のための攻撃ではなく、国防のための反撃ということである。

ディフェンスしかしない相手に対しては誰も攻撃を躊躇しないが、反撃してくる相手に対しては攻撃の手を緩める。

これは戦争においても当たり前の理屈ではないだろうか?

タブー視される反撃能力

自衛隊では長らく専守防衛が国防の基本方針とされているため他国を攻撃するための兵器や装備の保有はタブーとされてきた。

しかし現在、日本を取り巻く周辺国の状況は急変してきている。

北朝鮮は弾道ミサイルの発射実験を繰り返し、ミサイルの性能も向上してきており、イージス艦でも対処が困難な状況になっている。

中国は急激に軍事力を増強させてきており、近い将来台湾へ侵攻することが予測されている。

そしてロシアは現在、ウクライナに対して武力による侵略を行っている。

もはや、今までのような守ることのみを考えている防衛体系では対処しきれない状況になってきているといえる。

しかし、この状況においても、なお日本では、他国を攻撃するための兵器や装備の購入に関しては、戦争を誘発する危険な行為であるかのような考え方が 根強く残っている。

しかしこれは戦争においては当たり前に存在している反撃能力であり、これを危険だという考え方は、おそらく他国にはないであろう。

長らく戦争から遠ざかっている日本は、国防に関する感覚が外国とずれてしまっているのではないだろうか?

日本が厳に慎まなければならないことは、他国に対する侵略行為である。

おそらく一部の日本国民は、侵略行為と反撃行為を同一視してしまっていると思われる。

しかし、これは決して平和を守っているとは言えず、むしろ平和を脅かしていると言えるだろう。

次の動画では、電子戦機EA-18Gのベースとなるアメリカ海軍の主力戦闘機F/A-18の強さの秘密に迫る。

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