進化する戦闘機F-15A~Eの違いを解説!2040年まで運用できる理由
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1965年、アメリカ空軍F-4ファントム-Ⅱの後継機となる新型戦闘機F-Xの研究を始めた。

一方、1967年、当時ソ連の新型戦闘機であったMig-23、Mig-25、Su-15がモスクワ航空ショーで姿を現した。

アメリカはソ連に対抗するために、新型戦闘機F-Xの本格的な開発を始めた。

F-Xには双発エンジン、機関砲装備、格闘戦に優れた運動性能といったベトナム戦争での経験や戦訓を元にし性能が求められた。

そして、マクドネルダグラス社が中心となり、完成した機体がF-15である。

F-15は初飛行から50年たった現在でも最新鋭機に劣らない能力を発揮し、航空史に残る傑作戦闘機である。

世界各国に輸出、配備され湾岸戦争でも活躍し、空中戦においては、現在まで一度も撃墜されたことがない戦歴を持つ。

今回は、F-15AからEまでの兵装や装備の違い、また2040年まで運用される理由について解説していこう。

しまかぜ

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史上最高傑作F-15A/B誕生

F-15はアメリカのマクドネルダグラス社に製造権が与えられ、最初は単座式のF-15Aが10機と複座式のTF-15が2機製造された。

初号機であるF-15Aは1972年7月27日に初飛行を成功させ、続いて複座式のTF-15が1973年7月7日に初飛行を行った。

そして、最終チェックが完了した後、1976年に実戦配備が開始された

部隊配備に伴い、量産されることとなったF-15A及びTF-15であるが、量産型のTF-15は後にF-15Bと呼ばるようになった。量産型ではいくつかの改造が行われ。

主翼の両端が切り落とされ、エアーブレーキ面積が約平方メートル拡大されている。

エアーブレーキとは着陸時に空気抵抗により減速するための装備である。

主翼はF-4と比較すると、薄く角度も小さくなっており、これは音速を超える速度域での機動性、飛行特性を重視した結果である。

大出力のF100エンジンを2発搭載し、優れた加速力と上昇性能をあわせ持ち、あらゆる高度に対応した運用性を発揮できるように開発され、最大9Gの負荷をかけることができる。

Gとは旋回時に機体やパイロットにかかる加速度のことで9Gとは9倍の負荷がかかることを示している。

ジェットコースターなどでも最大3G程度であるため、戦闘機は想像を超えるGが体にかかることになる。

F-15の機体構造はチタンが大量に使用されており、その使用量は全体の27%であり、当時の機体としては珍しいカーボンなどの複合素が使用されている。

このようにF-15は空中戦での運動性能を重視した設計となっており最短22秒で旋回が行える。

胴体両側にある特徴的な空気取り入れ口は、飛行中に先端部分が上下することで空気量を調整でき、エンジンまではほぼ直線のダクトでつながっているめ効率は良いものの、現在のステルス性重視の観点からすると逆に弱点でもある。

レーダーはAPG-63が装備されており、敵戦闘機を80マイル(約150km)先から探知できる。

高解像度のレイド・アセスメント識別能力もあり、これにより密集した敵部隊の中から個別に狙った目標を判できる。

ミサイルはAIM-7スパローのほか、エンジンなどの熱源を追尾する赤外線誘導のAIM-9サイドワインダーを4発搭載する。

また20mmバルカン砲が固定装備として右主翼下に装備されている。F-15A/Bは登場時から高性能な機体であるが、さらに能力を発展させて開発されたのがF-15C/Dである。

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PEP2000計画によるF-15C/D誕生

F-15C/Dの外観はA/B比較するとまったく変わっていないように見えるが、最大の特徴はF-15A/Bの弱点ともいえる燃料搭載量の不足を解消したことだ。

機内のスペースに燃料タンクを追加することで、F-15A/Bよりも燃料が910kg多く搭載できるようになっている。

さらにF-15C/Dでは胴体側面にFASTバックと呼ばれる追加燃料タンクを装備でき2700Lの燃料を搭載することができる。

これらの改造は「PEP2000計画」と呼ばれており、それらが施された機体がF-15C/Dである。

アメリカ空軍は当初からF-15に対して、常に高い戦闘力を維持できるようにアップデート計画を立てており、段階的に改良を加えるプログラムを実施している。

F-15C/Dについてはエンジン性能の向上に加えコンピューターの演算能力が3倍に高速化されたことで、探知目標の機種判別が可能になるシステムが導入された。

また空対空ミサイルを別々の目標に対して連続で4発発射可能となった。

通信系統は敵の通信妨害に影響を受けにくくする無線機の導入が行われた他、探知情報を味方機やイージス艦などと共有できるリンクシステムを搭載した。

また、F-15Cを2040年まで運用できるようにする「2040C計画」も行われている。

これは、システムをデジタル化に統合することで攻撃された場合の最適な対抗手段を自動で発動する自己防御能力の強化が目的である。

また、ミサイルの搭載数を4連バックランチャーの装備により現在の2倍の16発にする計画もある。

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対地攻撃能力が付加されたF-15E

F-15Eの特徴は複座式の機体であり、対地攻撃能力を重視するために機体構造の約60%にも及ぶ多くの改造が施されていることだ。

F-15Eは1988年に配備され、その2年後には湾岸戦争が勃発したことでサウジアラビアにて実戦に参戦している。

レーダーはF-15C/Dと同じであるが、追加でSARレーダーが使用できるようになった。

これは対地攻撃時にレーダー画像を写真のように確認することができる機能だ。

解像度は攻撃目標から80km手前で12.8m、24km手前では2.6mという高解像度である。

つまり2.6m以上のサイズであれば、攻撃目標の車両や施設などがコックピットのモニターで画像確認できるのである。

対空攻撃においても複数の目標に対して同時攻撃が可能なマルチショットを有する。

戦闘機は敵の防空網に探知されないように低高度を飛行する。

夜間低高度飛行においてF-15Eはパイロットが設定した高度を地形の起伏に応じて常に維持する機能があるため、夜間でも安全に低空飛行することができる。

赤外線監視装置や低高度専用のレーダーなども装備され、夜間における襲撃でも任務を遂行できるようになっている。

F-15Eの最大の特徴はタンデム式の複座型であるということだ。

前席にパイロット、後席に武器システム操作員が搭乗する。前席コックピットの4つのデジタルモニターには飛行情報や敵情報、各種システムの状態が表示される。

後席コックピットにも4つのデジタルモニターがあり、レーダーや光学カメラなどで得た情報が表示され、攻撃目標の識別や攻撃時のロックオンに使用される。

低空飛行で攻撃目標を一度の航過で確実に仕留めるために、パイロットは操縦に集中し、武器システム操作員は爆弾の投下を行うことで任務を成功させる。

これがF-15Eが複座型になっている理由である。

2040年までF-15が運用される理由

高い戦闘力を誇るF-15は各国も目をつけており、日本はF-15J、韓国はF-15K、サウジアラビアはF-15S、イスラエルはF-15Iといったように、その国の頭文字を付した名称で呼ばれている。

納入後は各国が独自に開発した装備を施しており、派生型として活躍している。

初飛行から50年たった今も、F-15が各国で現役として活躍している一番の理由は、システムや技術面で常にアヒップデートが繰り返され、近代化が図られているからである。

航空自衛隊のF-15Jは現在201機が配備されており、オリジナル機体とアップデートされた能力向上型の2種類がある。

アメリカ空軍では少なくとも2035年~2040年までは運用する予定であり、新型レーダーや各種システムの開発を行っている。

今後はステルス機が主流となっていくだろうが、F-15はアップデートを繰り替えしながら、これからも第一線で活躍していくだろう。

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