世界でたった4機!日本の空を見張る自衛隊の早期警戒機の任務

「戦争映画」は、ただ国同士が争う映画ではない。

迫力ある戦闘シーンだけでなく、涙なしには語れない数々の人間ドラマがある。

数ある戦争映画の中でも、今回は実話を元にしたエピソードのみを厳選して紹介する。

一度は見ておきたい実話の戦争映画5選!

1976年9月6日、ソ連空軍の戦闘機Mig-25が日本の防空網を突破して北海道の函館空港に強行着陸した。

この機体を操縦していたパイロットのペレンコ中尉は訓練中に離脱しソビエトから亡命してきたと述べた

航空自衛隊のレーダーは途中で、この機体を見失い、同時に日本の防空網の弱点が浮き彫りになることとなった。

この事件がきっかけで、領空の警戒と航空機の管制を行う早期警戒管制機が導入されることとなる。

今回は、神の眼を持つといわれる早期警戒管制機E-767、E-2Cの任務と性能について解説していこう。

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迫りくる敵を先制探知 早期警戒管制機のレーダー

機体の上部に円盤のような巨大なレーダーを装備した航空機が早期警戒管制機の特徴である。

空飛ぶレーダーサイトや司令塔と例えられ、高性能レーダーにより遠距離でいち早く目標を探知し、その情報を味方に共有したり、戦闘機を指揮管制したりすることが主な役目である。

なぜ、早期警戒管制機は通常のレーダーよりも遠距離で探知が可能なのだろうか?

それは地球の形が影響しているからである。

地球は丸いため、直進するレーダーの特性上、水平線より先は地球自体の影になることから探知することができない。

しかし、高度が高くなればなるほど上から見下ろす形になるため、遠くまで探知することが可能となるのだ。

分かりやすく例えるなら、山や高層ビルに登ると遠くまで見通すことができるのと同じ原理である。

つまり、レーダーを高い位置に設置すれば、より広いエリアをカバーすることができるので、早期に敵の近接を察知することができるのである。

航空自衛隊は小高い丘や山の上にレーダーサイトを設置して、常に監視を行っているが、ソ連のMig-25を見失ったのはレーダー網をかいくぐる低空飛行が原因とされている。

状況に応じて適切な位置に移動でき、より高度の高い位置から監視できるのが早期警戒管制機である。

機体の背中にのせた巨大なレーダーがゆっくりと回転することで、半径300km以上という広大なエリアの目標を探知することができる。

陸上のレーダー探知を避けようとして低空飛行する目標も上空から逃さず探知する。

装備されている高性能レーダーは単に探知距離が長いだけではない。

上空から下に向かってレーダーを送信すると、航空機だけでなく陸上や海面に当たった反射波も探知することになる。

しかし、早期警戒管制機のレーダーは航空機だけを抽出して探知する能力をもっている。

早期警戒管制機のもう1つの役割が指揮管制である。

管制員を載せることで、探知した敵機の情報を共有し、味方の戦闘機に指示を出すなど、空中で航空管制を行うこともできるのが早期警戒管制機の任務でもある。

広いエリアの情報を的確に処理するために管制も複数人で分担して行う。

つまり広大なエリアを探知できる能力をもつ早期警戒管制機には、それだけ多くの管制員を載せる必要があり機体の大型化につながっている。

早期警戒管制機で探知したデータは味方の戦闘機やイージス艦などの画面上に直接表示することができるデータリンクというシステムを搭載している。

これにより、無線で報告せずともほぼリアルタイムで同じ情報を共有することができるようになった。

このように非常に重要な任務を担う早期警戒管制機であるが、敵からすれば、その眼をつぶすため、最優先攻撃目標になることから護衛の戦闘機をつける必要があるのだ。

では、航空自衛隊に配備されている2種類の早期警戒管制機E-2CとE-767とはどのような機体なのだろうか?

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初の早期警戒機E-2CとステルスハンターE-2D

Mig-25亡命事件を教訓として、1983年から航空自衛隊ではE-2Cホークアイと呼ばれる早期警戒機が配備された。

E-2Cは本来アメリカ海軍の艦隊防空のために空母艦載機として開発された機体である。

導入当時は、ソ連を警戒して青森県の三沢基地に配備されていたが、南西諸島における中国の活発化により2014年からは沖縄の那覇基地にも配備されている。

E-2Cのエンジンはターボプロップ双発機で最大速度は約600kmで、上部には直径7.3mの円盤状の回転するロートドームが搭載されている。

また、4枚の垂直尾翼もE-2Cの特徴といえる。

もとは空母艦載機として開発された機体のため、主翼は折りたたむことができる。

航空自衛隊ではあまりメリットがないように思えるが、駐機しているときは主翼をたたんでコンパクトに格納庫に入っている。

航空自衛隊はE-2Cを1994年までに13機導入しており、装備についてはレーダーやコンピューター、プロペラなどのアップデートが行われている。

E-2Cは2名のパイロットが操縦を行い、3名の管制員がレーダーやシステムの運用、戦闘機などの要撃管制を行っている。

そしてE-2Cを改良して能力が向上した機体がE-2Dである。

2014年に導入が決定し、4年にわたり毎年1機ずつ発注されており、合計13機の予算が計上されている。

見た目はE-2Cと大きな変化は見られないが、レーダーは回転せずに電子的にビームの方向を変えることで捜索を行う構造となった。

これにより重点捜索方位に向けて瞬時にレーダーを送信することができるようになった。

レーダーに低い周波数が使用されたことで、ステルス機の探知においても他のレーダーよりも優れた探知能力を備えていることからE-2Dは「ステルスハンター」とも呼ばれている。

探知範囲は大型機なら約550㎞、爆撃機クラスなら約740㎞先から探知できる能力があるほか、無人機やミサイルなどの小型目標の探知も可能だ。

E-2Dのパイロットは2名であるが、副操縦士が管制に加わることができるようにディスプレイにはレーダー情報も表示できるようになっている。

これにより、管制員3名プラスアルファになったことでオペレーションの効率化が図られている。

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ボーイングを改造した早期警戒管制機E-767

E-2Cよりもさらに高い監視機能と管制能力を求めて導入されたのがE-767である。

E-767は旅客機であるボーイング767を早期警戒管制機用に改造した大型の機体で通称AWACS(エーワックス)と呼ばれる。

E-767を改造したこの機体は日本以外に配備されておらず世界で4機しか存在しておらず、全て浜松基地に配備されている。

E-767の特徴は、E-2Cと同じく上部に装備されたレーダーである。

機体が大きいだけにレーダーも巨大化されており、直径9.1m、厚さは1.8mもある。

中央の白い部分にアンテナが装備されて、黒い部分は飛行する際の空力が計算されたカバーである。

任務飛行中はこのレーダーが10秒で1回転しながら捜索を行っている。

パイロットは2名で、E-2Cとの大きな差は管制員が19名も搭乗しているということである。

もとの機体が旅客機のボーイングだけに、オペレーションルームも拡大することができ管制員が増員されている。

各オペレーターがレーダーなどを表示するコンソールを操作して、担当エリアを分担して管制を行う。

空中給油はできないもののボーイングの高い航続力を活かし、12時間ほどの連続飛行が可能である。

またE-2Cの狭い機内とは違い、E-767は旅客機なので快適性の面では利点が大きい。

早期警戒管制機の重要性

アメリカ海軍の空母には全てに早期警戒管制機が搭載されている。

つまりそれだけ重要な任務を担っているということである。

敵を早期に探知できれば、対空戦をより有利に運ぶことができる。

敵機に裏をかかれないようにするだけでなく、状況に合わせて味方の戦闘機をコントロールすることで戦力を有効に振り分けることもできる。

その役目を果たすのが早期警戒管制機である。

軍用機といえば見た目が派手な戦闘機につい目がいってしまうが、このような航空機が舞台裏で支えているということも忘れてはならない。

また空中給油機など、戦闘機を支援する機体もあり高度な給油技術にも眼を見張るものがある。

次の動画では数センチのミスも許されない空中給油の方法について解説しよう。

 

「戦争映画」は、ただ国同士が争う映画ではない。

迫力ある戦闘シーンだけでなく、涙なしには語れない数々の人間ドラマがある。

数ある戦争映画の中でも、今回は実話を元にしたエピソードのみを厳選して紹介する。

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