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ロシアのウクライナに対する攻撃により、1万2千発以上が郊外や村落に、約1900発が住宅、約250発は輸送インフラに撃ち込まれた。
ロシアとウクライナの間で行われている戦争は、1年を経過した現在になっても終結の糸口は全く見えてこない。
アメリカを含むヨーロッパのNATO諸国は、ウクライナに対して武器支援を継続しており、提供する武器も、当初は対戦車ミサイルや携帯式対空ミサイルなどの小型兵器が主流であったのに対し、現在では、戦車やハイマースなど重火器や長距離ミサイルの供与を行っている。
一方のロシアも、イランからドローンを購入してウクライナの各都市を攻撃しており、最近では、中国がベラルーシを経由してロシアに軍事支援を行っているという話が囁かれている。
これはロシアとウクライナ二国間の戦争ではなく、西側諸国と東側諸国の代理戦争とも言えるような状況になっている。
この戦争におけるウクライナとロシア両国の攻撃方法は極めて対照的であると言える。
今回は、被害を受けた民間施設やロシア軍の空爆失敗の理由のほか、ウクライナがモスクワを攻撃しない理由について解説していこう。
ロシアの攻撃、97%が民間施設
現在、 ロシア軍は、ウクライナ各都市のインフラ設備に対して、ミサイルやドローンによる攻撃を続けている。
特に、電力施設に対する攻撃は深刻になってきており、 飛来してくるミサイルやドローンの多くは対空ミサイルによって撃墜されているが、その一部は着弾し、各都市のインフラ設備は被害を受けている。
とくに電力設備の被害は深刻になってきており、各都市は頻繁に停電を余儀なくされている。
原発も一時占拠されて、極めて危険な状態であった。
これに対処すべく、アメリカは パトリオットミサイルやホークミサイルなどの対空ミサイルをウクライナに供与することを決定している。
ロシア軍は、これ以外にも産科病棟や集合住宅に対する攻撃も無差別に行っている。
本来こういった施設に対する攻撃は、戦略的には何の価値もない行為であるといえる。
それにもかかわらず、このような攻撃をするということは、ウクライナ国民の戦意を削ぐために行っているとしか思えない。
しかし、その意に反してウクライナ国民は、ますます団結を強化させ、ロシアに対する怒りを募らせている。
ロシアの空軍機は、ウクライナの防空ミサイルを恐れて、都市には飛来してこず、防空圏外の安全な空域においてのみ飛行しているというのが現状だ。
ロシアは世界各国からの半導体の輸入を止められているため、精密誘導兵器である巡航ミサイルが、不足している。
それが、原因で軍施設などに正確な攻撃ができず、民間施設が被害にあうということも考えられる。
そのため、今後の攻撃はイランなどから輸入したドローンによる攻撃が主流となってくるだろう。
ドイツから供与されたゲパルト対空戦車も、このドローンを撃墜するのに一役買っている。
現在、西側各国からは、戦車、装甲車、対空ミサイルなどの各種装備の供与が続々と決定しており、ウクライナ兵は、その使用に向けての訓練を受けている。
全ての準備が整うのは、春以降になりそうだ。
そのような中、ロシアの戦略爆撃機がある理由から攻撃に失敗するという事態が起きている。
ロシアが戦略爆撃に失敗した理由
ロシアが戦略爆撃に失敗した理由として考えられるのは、戦争の当初に行われた、ウクライナ空軍に対する攻撃が不十分だったことが挙げられる。
ロシア軍は、ほんの数日でウクライナを攻め落とせると予想し、長期戦の準備をせずに戦争を始めた。
これに対して、ウクライナ軍は、事前にロシア軍の攻撃を察知し、 あらかじめ戦闘機や防空ミサイルを安全な場所に分散配置して、攻撃に供えていたのである。
このため、当初に受けた攻撃による被害は軽微であり、作戦に支障をきたすことはなかったのである。
とは言え、戦力的に見れば圧倒的に優勢なロシア空軍が航空優勢を取れていない現状には疑問が残る。
原因として考えられることとしては、「稼働率」と 「パイロットの技量」この二つの要因が考えられる。
軍用機は常日頃から 機体の整備を行い、いつでも飛行可能な状態に保っておく必要がある。
つまり保有している航空機のうち何割が飛行可能であるかを示すものが稼働率である。
米空軍や航空自衛隊の戦闘機の稼働率は、約八割と驚異的な高さを誇っている。
ロシア空軍の軍用機の稼働率は公表されてはいないが、おそらくこれよりもかなり低い数字なのではないかと考えられる。
特にエンジンの寿命においては、ロシアの戦闘機のエンジンは、西側の戦闘機の約半分しかなく頻繁に交換を重ねないといけないという現状を考えると、この可能性は充分あるだろう。
またロシアは実戦経験のあるパイロットが少なく、技量面においても 充分な飛行訓練を受けてない可能性が高いと言える。
つまり軍用機の保有機数、稼働率、パイロットの技量、この三つが揃って初めて、 空軍は、その実力を発揮できるのである。
単に保有機数のみを見ては、その国が持っている空軍の本当の実力を図り知ることはできないのである。
お互いの空軍機が飛び交い、ロシアがキーウを攻撃する半面、なぜウクライナはモスクワを攻撃しないのだろうか?
ウクライナがモスクワを攻撃しない理由
そもそもウクライナ空軍には、大型の爆撃機は保有しておらず、 攻撃機を少数保有しているのみなので、仮にモスクワを攻撃したとしても、軽微な損害を与えるに過ぎないので実施する意味がないと言える。
しかし、ウクライナ軍は、無人機のドローンを使って、しばしば ロシア領内に侵入し、各燃料施設や弾薬庫などに対する攻撃を複数実施している。
これは極めて有効な戦い方だと言えるだろう。
本来、敵を攻撃する際に目標とするのは、軍需工場、燃料施設、弾薬庫、航空基地、レーダー設備 などの重要施設であり、それ以外の一般住宅などを攻撃しても戦略的価値はほとんどないと言えるだろう。
ロシア軍が軍事施設とは関係のない民間の施設に対して攻撃を加えているのとは対照的である。
ゼレンスキー大統領もウクライナ領内からロシア軍を追い出すことが主目的であると話していることから、今後もモスクワを攻撃することはないであろうと考えられる。
ウクライナが、もしモスクワを攻撃したらプーチンを激怒させ、戦争終結を通のかせてしまう可能性が考えられる。
現在ウクライナ軍がドローンを使ってロシア国内の攻撃を行っている目標は、あくまで敵の攻撃を阻止するために必要な措置であり、正当な反撃であると言えるだろう。
日本で今よく議論されている敵基地攻撃能力は、あくまで日本を攻撃しようとする目標を叩くための能力であり、 基本的には同じことだと言ってもいいだろう。
つまりこれは 他国に対して「先制攻撃を加える」という意味ではなく、「防衛のための攻撃」なのである。
「他国を刺激してはいけない」という意見をよく聞くが、「大人しくしていれば、どこの国も攻めてこない」というような考え方自体が、他国につけ入れられる要因となり、かえって危険なのである。
ウクライナの現状は、中国による台湾侵攻が 囁かれている 日本と 相通ずる部分があるのではないだろうか?
戦争ではなにも解決しない
戦争においては、兵士だけではなく一般国民にも多くの犠牲者がでるのが世の常である。
本来、戦闘に関係のない都市に対する攻撃は非人道的行為であり禁止されているはずである。
しかし、その約束は、実際の戦争においては、いとも簡単に破られているというのが実情だ。
太平洋戦争における東京大空襲、広島、長崎に対する原爆投下などは、その最たるものだろう。
平和を願う国民の意思とは裏腹に戦争は、彼らの生活を切り裂いていく。
戦争が終結し、破壊されたウクライナの各都市が復興し、ウクライナ国民が元の生活に戻れるは一体いつになるのだろうか?
出口の見えないこの戦争の終着駅は、どこにあるのだろうか?
過去の歴史において何度も繰り返されてきているこのような悲劇を、人間は何故、繰り返すのか?
「戦争ではなにも解決しない」
今、この言葉が、空しく聞こえてくる。
次の動画では、ウクライナに提供されロシア軍の15%を失ったとされる兵器について解説しよう。
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