ロシアのサイバー攻撃でウクライナのシステムが80%ダウン!IT軍による報復攻撃

「戦争映画」は、ただ国同士が争う映画ではない。

迫力ある戦闘シーンだけでなく、涙なしには語れない数々の人間ドラマがある。

数ある戦争映画の中でも、今回は実話を元にしたエピソードのみを厳選して紹介する。

一度は見ておきたい実話の戦争映画5選!

7月21日、 ウクライナのラジオ局から衝撃の放送が流れた。

その内容とは 「ゼレンスキー大統領が病院に搬送され、深刻な状況にある。 現在、 集中治療室に入っており大統領の職務はウクライナ最高議長が代理を務めてい
る。」というものであった。

しかし、この放送内容はロシアのハッカー集団による偽情報で、 サイバー攻撃によりシステムが乗っ取られたことが原因ということが判明した。

その日に、ゼレンスキー大統領はSNS で、この放送がフェイクであることを表明する動画をアップしている。

サイバー攻撃とはいったいどのような方法で行われるのだろうか?

今回は、ハイブリッド戦争を行ったロシアの戦法とサイバー能力について解説していこう。

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史上初のハイブリッド戦争を仕掛けたロシア

ウクライナ侵攻における最初のサイバー攻撃は、 戦闘が開始された2月24日であった。

午後3時30分、 ウクライナ軍が利用する軍事衛星「KA-SAT」(ケーエーサット) に異常を検知するアラートが表示された。

午前5時頃にはロシアのサイバー攻撃が本格化し、 数万を超える通信機器が破壊され、修復不能に陥るほど大規模な通信障害が発生した。

そして午前6時にプーチン大統領がテレビ演説にてウクライナへの侵攻を宣言している。

つまり、ロシアは侵攻開始宣言よりも前に、その裏でサイバー攻撃を仕掛けてウクライナの通信能力を破壊していたのである。

また、ロシアによるサイバー攻撃が発生する約1ヶ月前、ロシアのラジオ局がウクライナのハッカー集団に乗っ取られ、放送中にウクライナ国家と戦争反対の歌が流されるという事態が起きていた。

ロシアはその報復攻撃としてウクライナのラジオ局をサイバー攻撃し、 フェイクニュースを流したと思われる。

ロシアは世界有数のサイバー攻撃能力を持っており、 2022年2月24日に始まったウクライナ侵攻では、ロシアによる大規模なサイバー攻撃が行われることが予想されていた。

ロシアは今回のウクライナ侵攻で史上初のハイブリッド戦争を仕掛けている。

ハイブリッド戦争とは通常の兵器を使う正規戦だけでなく、 情報操作やインターネットを利用したサイバー攻撃などを組み合わせた戦争のことである。

サイバー大国と呼ばれるロシアの攻撃が想定されていたよりも効果を表していないのは、それに備えたウクライナのサイバー防衛能力が高かったからである。

そのため、ロシアは正規戦においても、 戦車部隊の足止めや艦艇の撃沈、 制空権が取れないなど世界2位の軍事力とは思えないほど予想外の苦戦を強いられている。

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ロシアのサイバー部隊GRUの攻撃

ロシアはウクライナ侵攻以前にも、他国に対してサイバー攻撃を行っている。

ロシア軍の情報機関である GRUと呼ばれるサイバー部隊のほか、政府の機関にも情報セキュリティー部門などのサイバー攻撃集団が存在しており、これらの組織による活動が国外で確認されている。

さらに、隣国のベラルーシにもロシアに手を貸すサイバ一組織が存在している。

実際の攻撃内容としては、ウクライナ国内に対して 「DDos」 と呼ばれる大量のデータを送ることでサーバーをダウンさせ、インターネットなどの通信系の80%が使用不能に陥った。

また、 「ワイパー」と呼ばれる攻撃ではシステム上のデータを全て消去し政府機関をはじめ、 金融機関や食料、 医療品、電力などを管理する供給網システムの機能を停止させている。

政府機関においては、機密情報や職員が使用しているパスワードなどもハッキングにより盗まれる事象が発生している。

兵器による攻撃の裏では、このようなサイバー攻撃が行われており、 通信系がダウンすることで政府や軍の指揮系統を混乱させ、ウクライナの国力を低下させることが目的である。

これらの影響は最終的にウクライナ以外にも広がり、世界全体で約100億ドルの損害をもたらしている。

サイバー空間は技術力さえあれば、ロシアのような軍事大国ではない小国でも互角に戦える世界である。

現在、ロシアのほかに中国、イラン、 北朝鮮がサイバー空間で野心的に活動しており「悪のビッグ4」 とまで言われている。

この4カ国はサイバー技術に巨額の資金を投入して各国の政府や軍、 金融機関のほかインフラなどを標的として狙っている。

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ウクライナの報復攻撃とサイバーセキュリティー

サイバー攻撃に対するセキュリティーの基本はネットワークへの遮断であるが、ひとたびウイルスが侵入してプログラムが走り始めると止めることは困難になる。

ウクライナへのハッキングの原因は、推測されやすいパスワードを使用したり、脆弱なセキュリティーシステムからパスワードが盗まれたりしたことである。

こうした攻撃を受けながらも、致命的な被害までには至っていないのは、ウクライナが被害を最小限に留めるためにサイバー防衛を強化していたからである。

ただ、ウクライナには正式に活動するサイバー組織は存在しておらず、 ウクライナだけの技術では十分な対策を得ることはできなかった。

それに対して手を差し伸べたのがアメリカをはじめとする欧米諸国であった。

アメリカはセキュリティー対策に4000万ドル以上という多額の支援を行うとともに、マイクロソフトの技術者をウクライナに送りこみ技術提供と訓練も行っている。

また欧米諸国は、ロシアがサイバー攻撃を仕掛けると思われる標的やハッキングの犯人を特定する協力を行うなど、 ロシアが侵攻を開始する前から、その裏では着々とセキュリティー対策が施されていたのである。

そのような支援もあり、ウクライナはサイバー攻撃を受けても致命的なダメージに至っていないのである。

さらに、 防御だけでなくロシア側への報復攻撃も行っている。

ウクライナはIT軍を立ち上げ SNS上で世界中からウクライナを支援してくれる 「協力者」を募ったのだ。

その結果、ウクライナを支援する協力者は増え続け、50 を超えるハッカー集団が参加してロシアに対してサイバー攻撃を仕掛けている。

ウクライナはロシアの国営ガス会社から1.5テラバイトの内部情報を盗み、その情報をもとにパイプラインの中央制御装置を暴走させ、 サイバー攻撃により火災を発生させたと言われている。

実際にこの火災は現地メディアでも報じられており、 ロシア側は原因を調査中としている。

またハッカー集団で有名な 「アノニマス」 もウクライナ支持を表明しロシアに対する 「DDos 攻撃」 やホームページの改ざんを行ったほか、テレビジャックによりロシアの政治的プロパガンダが流れる放送を反プーチンのメッセージに切り替えるなどの攻撃を行っている。

サイバー攻撃の勝敗を決定するもの

サイバー空間での脅威に勝利するために必要なものは、 究極的にいえば優秀な人材である。

テクノロジーを使いこなせる技術者こそがサイバー攻撃の脅威に立ち向かうことができるのだ。

また、SNSやインターネットで偽情報を流すことで不安をあおり、人々がその不安を増幅していく。

そういった手段で国内を混乱に陥れる心理戦も行われている。

サイバー攻撃や心理戦で相手のインフラや施設、 人間をコントロールすれば、リアルな戦場の優位性も変わる可能性は高い。

ロシアはウクライナ侵攻に予想外の苦戦を強いられていることから、今後さらに行き詰まればサイバー戦への依存度を高めていくかもしれない。

そしてロシアは核保有国であることから、その使用についても可能性はゼロではない。

次の動画ではロシアが保有する世界最強の核爆弾について詳しく解説していこう。

「戦争映画」は、ただ国同士が争う映画ではない。

迫力ある戦闘シーンだけでなく、涙なしには語れない数々の人間ドラマがある。

数ある戦争映画の中でも、今回は実話を元にしたエピソードのみを厳選して紹介する。

一度は見ておきたい実話の戦争映画5選!