病院船の任務と種類
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新型コロナウイルスが猛威を振るう中、世界中の病院がパンク状態になり医療崩壊の危機が叫ばれている。

日本でも去年に引き続きコロナウイルスが収束する気配はなく、まだ医療崩壊こそ起きてはいないが集中治療室や人口呼吸器などは数に限りがある。

世界で新型コロナウイルスによる感染者や死亡者が増加しており、2021年現在、感染者は8400万人以上、死者は180万人以上に及んでいる。

特にアメリカは世界で最も感染者が多い国であり、医療機関は深刻な事態に陥っている。

そこで投入されたのが、アメリカ海軍の病院船「コンフォート」である。

病院船とは、多くの病室、高度な医療設備、手術室などを備え患者を治療できる、文字通り病院がそのまま船になったようなものである。

今回はあまり馴染みのない病院船の驚くべき設備やその活躍について解説していこう。

しまかぜ

各国の病院船の設備や任務を動画でも解説してるよ!

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アメリカ海軍病院船「マーシー」 その驚くべき船内の設備!

世界には病院船として定義されている船舶を持っている国は、アメリカ、中国、ロシアの3カ国しかない。

今回、新型コロナウイルスの支援に出動したのはアメリカ海軍の病院船「マーシー」と2番艦「コンフォート」だ。

マーシーはもともと大型のタンカーであり、それを病院船に改造したため、そのサイズは全長272m、満載排水量69552 トンにもなり、海上自衛隊最大の護衛艦「いずも」の全長248m 満水排水量 26000トンよりもかなり大きいサイズになる。

ちなみに戦艦大和が全長263m、72809トンなので、それに匹敵するサイズである。

 

驚くのはサイズだけではない。

船内の設備も充実している。

病室1000室を備えており、その内訳は集中治療室88、離隔病床 11、中間治療病床 400、軽症治療病床500となっている。

また、手術室12室、CTスキャン、人工透析設備、防除ステーション7箇所、救急へりの運用能力まで備えられている。

大学病院なみの設備が整っており、まさに動く病院なのだ。

これだけの設備が整っていれば、どんな事態にも対応できそうであるが、病院船にも弱点はある。

それが船体の大きさだ

船体が巨大なだけに、狭い航路や浅い海域に入ることができず、被災した港内に入港することが難しいという点である。

岸壁が使用できる状態であればいいが、被災により着岸できない場合は洋上での支援となる。

また、出港までの準備に5日間かかるといわれており、急な災害などが発生した場合は迅速に現場に到着することは難しい。

これだけ大きな船体と充実した設備だけに維持費も気になるところだ。

通常の艦艇のように動き回ることはなく、ほとんど停泊しているにもかかわらず、マーシーの維持費は人件費などを除いて、年間10 億~12億円かかっており、維持費もビッグサイズだ。

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その他の国の病院船 日本の準病院船とは?

一方、ロシアについては、320型と呼ばれる病院船を3 隻持っており、全長 152m、満水排水量11756 トン、病室100床、手術室7室、救急ヘリも搭載しており、普段は岸壁で海軍病院として
機能している。

また、中国は大小合わせると数多くの病院船を保有しているが、その中でも最大の病院船が920型で全長 172m、満水排水量14200トンである。

病室300床、手術室8、救急ヘリ搭載で、普段は国際貢献に従事している。

では、気になる日本はどうなのだろうか?

病院船と名のつく船舶は持っていないものの、それに類似したものはいくつか存在する。

それが準病院船といわれる海上保安庁と海上自衛隊の船舶だ。

海上保安庁の巡視船「いず」「みうら」はサイズこそ 3000 トン級であるが、手術室、X線撮影、血液検査、酸素吸入設備などの医療設備があり、医師などの臨時乗船者の居住区、救援物資や給水の搭載量増加など、災害時に支援できる仕様となっている。

また、海上自衛隊最大の護衛艦「いずも」は病床が 35床あり、手術室も備えられている。

輸送艦「おおすみ」や補給艦「ましゅう型」、護衛艦「ひゅうが型」にも、それなりの医療設備が備えられている。

準病院船は普段は他の任務に当たっているため、岸壁で災害に備えて待機しているわけではない。

そのため、緊急時に他の任務に対応している場合は、現場に急行できないこともある。

現在の病院船は1949年に規定されたジュネーブ条約で定義されたもので、攻撃や捕獲することは禁じられている。

普段は緊急事態に備えての洋上訓練や国際貢献を行っている病院船であるが、いざというときには洋上で多くの人の命を救うことができる貴重な存在であることは間違いない。

日本でも過去に病院船としての運用はあったが、専用の船舶ではなく民間船を臨時的に病院船として使用するといった使い方であった。

新型コロナウイルスや被災時の緊急事態に備えて病院船の計画が始まり、導入に向けて約7000万円の調査費が投入され議論されている。

被災した岸壁には着岸できないという弱点はあるものの、逆に考えれば津波や地震で病院が壊滅しても、海上ならば被害は少ないため治療ができるというメリットもある。

現在懸念されている、南海トラフ地震、首都直下型地震、など災害というのは、今この次の瞬間に起きてもおかしくないものである。

いつか来る「その時」に備えて、大切な命を1人でも多く救えるなら、日本も病院船を一刻もはやく導入するべきではないだろうか。

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