原子力潜水艦が最強と言われる理由!その大きさや仕組みがスゴイ!
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水中から忍び寄り、魚雷やミサイルを発射して敵艦隊や地上の施設を攻撃する「海の忍者」といわれる潜水艦。

その種類は通常動力潜水艦原子力潜水艦の2つに分類される。

水中では大気を取り入れることができないため、ガソリンのように燃やして動力を得るものは一切使用できない。

現在、水中で推進力を得るには電気か原子力の2つしか存在していない。

通常動力潜水艦は浮上中にディーゼルエンジンで発電した電気を蓄電池に貯めて、水中では電気の力のみで推進力を得る仕組みであるが、充電が減ってくれば浮上して電気を作る必要がある。

一方、原子力潜水艦は原子の熱により水蒸気を発生させ、蒸気タービンを回すことによって、大気を必要とせず推進力を得る仕組みのため、食料や乗員の精神力が持つ限り半永久的に潜行できる。

America's Virginia-Class Submarine vs. Russia's Lethal Yasen: Who Wins? | The National Interest

ちなみに原子力となるウランは、たった1 グラムで石炭3トン、石油2000リットル分のエネルギー を発生するため、原子力潜水艦は半永久的に燃料不足を起こすことはない。

そのため、どんなに速力を出しても燃費を気にすることがなく機動力に関しては通常の潜水艦の何倍も優れている。

この隠密性と機動力を生かし、弾道ミサイルを搭載して地上の施設を攻撃できるのも原子力潜水艦の特徴である。

North Korea Developing Ballistic-Missile Submarine, Seoul Says - WSJ

世界で弾道ミサイルを発射できる原子力潜水艦を保有する国はアメリカ、ロシア、イギリス、フランス、インド、中国の6カ国だけである。

今回は高い機動力と攻撃力をあわせもつ、原子力潜水艦の種類や驚くべき任務について解説していこう。

しまかぜ

原子力潜水艦の3タイプを動画で解説したので見てね!

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弾道ミサイル原子力潜水艦SSBNの脅威!核弾頭で先制攻撃!

Missile tubes on submarine - Stock Image - C016/6618 - Science Photo Library

弾道ミサイルを搭載している原子力潜水艦のことをSSBNという。

アメリカ海軍の原子力潜水艦「オハイオ級」には射程1万2000 キロの弾道ミサイル「トライデント」を24基搭載しており主に南半球で作戦行動に出ている。

USS Nebraska Successfully Tests Trident II D5 Missile > U.S. Strategic Command > News Article View

世界最大級の原潜はアメリカのオハイオ級やロシアのボレイ型で、水中排水量は 19000 トン以上という大型サイズだ。

海上自衛隊で最大の艦艇は「いずも」で、その基準排水量が 19500 トンなので、いかに大きな潜水艦かが分かる。

USS Ohio SSGN SSBN 726 class guided missile submarine US Navy

ちなみに世界最大の潜水艦はロシアのタイフーン型で全長 171.5m、水中排水量は 26925トンにもなる。

日本の潜水艦の「そうりゅう型」は4200 トンなので約6倍もの大きさになる。

もし戦争になり、相手からの先制攻撃で核ミサイルを撃たれたとしても、原子力潜水艦は水中深くに潜航しているため、ほとんど被害をうけずに、報復核攻撃をすることができる。

つまり相手の原潜を撃沈しない限り、いつどこから報復攻撃を受けるか分からないため、原潜を保有することは大きな抑止力となるのだ。

冷戦時代からアメリカとロシアは競うように原潜の建造を行ってきたが、ヨーロッパでもイギリスとフランスはお互いに抑止力となる原潜を保有している。

インドでは隣国の核保有国であるパキスタンに対抗するために原潜を保有している。

さらに中国では 2019年6月には射程 12000~14000キロに及ぶ弾道ミサイルの試験発射を行っており、これを24発搭載できる原子力潜水艦「タン型」の建造を計画している。

また、2016年には、4月、7月、8月と立て続けに発射し、このうち8月の発射では、約500キロの飛翔に成功している。

China expands shipyards where nuclear-powered submarines are built - Business Insider

北朝鮮では通常型潜水艦1500トン程度の「ゴラエ型」のセイル部分に弾道ミサイル発射管が確認されている。

さらに 2019年10月にはロメオ型を改造した新型潜水艦が東部のウォンサン沖から「北極星3号」といわれる弾道ミサイル発射実験を行い、角度を変えれば射程は約 2000 キロ程度になると報じられている。

20年10月10日の軍事パレードでは「北極星4」と記された新型とみられる潜水艦発射弾道ミサイルを公開し「かなりの射程をもちながら潜水艦に収まるサイズになっている。北朝鮮は、ミサイルをたくさん搭載できる本格的な潜水艦を作ろうとしている可能性がある」と軍事アナリストが報じている。

もし北朝鮮が、弾道ミサイルを潜水艦から日本に向けて発射した場合、高性能なイージス艦であっても撃墜するのは不可能であろう。

なぜなら、ミサイルの発射地点が不明だからである。

陸上施設から発射される弾道ミサイルは、発射地点が明確なため、あらかじめコンピューターが計算することができるが、潜水艦はどこから発射するか、またその兆候がまったく不明なので、仮に発射後に探知できても撃墜までに計算が間に合わないのだ。

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攻撃型潜水艦SSNの任務   敵潜水艦を撃沈し特殊部隊を輸送せよ!

弾道ミサイル原子力潜水艦のほかにも特別な任務をもつ原潜がある。

それが SSNと呼ばれる攻撃型原子力潜水艦だ。

敵に弾道ミサイルを撃たせないためには、その前に敵潜水艦を撃沈させる必要がある。

その任務を果たすのが攻撃型潜水艦SSN の役目である。

また敵の艦艇や空母を攻撃するのもSSN の任務でもある。

逆にその攻撃から守るために空母打撃群(キャリアストライクグループ)とよばれる艦隊の近くにはSSN が随判しているといわれている。

さらに、アメリカやイギリスの SSNでは特殊部隊を敵地に上陸させるため、彼らの居住空間や装備スペースなども確保されている。

しかし原潜は、船体が巨大なゆえに、海岸のような浅瀬には近づけないし、敵地に近づけば見つかる可能性も高くなる。

そのために、特殊部隊を輸送するためのSDVと呼ばれる小型潜水艇を上部に1隻から2隻、搭載しているのだ。

水中に潜行した状態で特殊部隊はSDVに乗り込み、原潜から離脱して敵地に近づき上陸するという作戦だ。

Drydock shelter (DDS) deck captain signals to the operator of a Mark 8 special dive vehicle (

オハイオ級の場合、弾道ミサイルの発射筒を改造して特殊部隊のためのスペースやSDVに乗り込むための連絡通路として使用されている。

また、ロシアの原潜デルタ IV(フォー)型では北極海での作戦能力向上のため、艦底に「ロシャリク」と呼ばれる原子力特殊工作潜水艦を装備しており、深深度までの任務が可能となっている。

特殊部隊が水中で原潜から小型潜水艇に乗り換えて移動するなど、まるで映画の世界のような内容であるが、これは現実の話なのだ。

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ミサイル原子力潜水艦 SSGN  トマホークで陸上施設を破壊せよ!

Good Idea: The Navy Wants a New Cruise-Missile Submarine (And New Missiles) | The National Interest

潜水艦から通常のミサイルを発射することができる潜水艦をSSGN と呼ぶ。

アメリカ、イギリス、ロシアの原潜はトマホーク巡航ミサイルを搭載しており、射程圏内に入ると発射して敵の陸上施設を破壊することができる。

射程はアメリカ、イギリスが約1500キロ、ロシアは2400キロにも及ぶため、敵地に近づくことなく遠距離からの攻撃が可能となっている。

オハイオ級の数隻は弾道ミサイル「トライデント」を撤去し、トマホークを 154 発搭載できるように改修している。

オハイオ級1隻で敵地に大打撃を与えることができるほど脅威度が高い潜水艦なのだ。

イギリス海軍のアスチュート級は、魚雷発射管からトマホークを発射することも可能となっており、フランス海軍のシュフラン級も対地ミサイルを同様の方法で発射することができる。

魚雷とミサイルの発射装置が同じというのは世界でも珍しいタイプの潜水艦であるが、逆にその搭載比率が問題になることもある。

日本の潜水艦の「おやしお型」と「そうりゅう型」は攻撃潜水艦 SSNに分類され、武器については長魚雷もしくは対艦ミサイルの2つで対地ミサイル等は搭載できない。

世界の原子力潜水艦の脅威まとめ

今回紹介した原子力潜水艦のほかにも、通常動力型もを合わせると潜水艦を保有している国は世界で41カ国にもなる、

潜水艦を自国で建造して、それを運用していくには、高度な技術力と経済力が必要となるため、保有している国はそれなりに軍事力が高い国といえる。

自らの存在を隠しつつ、敵の艦艇や陸上施設を破壊することができるのが、潜水艦の強みでもある。

現代の海軍において、作戦を有利に進めるに当たって、潜水艦は欠くことのできない重要な戦力である。

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