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2021年11月9日、韓国海軍の新型フリゲート「チョナン」が進水した。
この「チョナン」という艦名であるが、2010年に北朝鮮の魚雷攻撃を受けて撃沈した哨戒艦の名前を受け継いだものである。
当時行方不明となっていた乗員46名のうち、36名の遺体が収容されるという悲劇となった。
進水式には、先代チョナンで犠牲となった隊員の遺族らも列席していた。
2代目となるチョナンは艦種がコルベットからフリゲートとなり、装備も重装備化されている。
今回は、韓国海軍のテグ級7番艦の「チョナン」の性能、フリゲート艦とはどのような艦艇か、また韓国海軍がこの艦艇をどのように運用していくのかについて解説していこう。
韓国海軍 新型フリゲート「チョナン」の性能や用途を動画でも解説しているので、最後まで見てね!
韓国海軍テグ級フリゲートとは?
テグ級フリゲートとは韓国海軍の戦艦の一種で フリゲートとは防空・対潜能力を持つ揚陸部隊や補給部隊、商船団などを護衛する任務にあたる艦船の総称として用いられることが多い。
テグ(大邱)級とはフリゲートとして開発された1番艦のテグという艦船をベースにしたシリーズである事を指す。
韓国海軍のフリゲート艦はウルサン(蔚山)級、インチョン(仁川)級、テグ(大邱)級と3種類存在する。
この中でテグ級フリゲートが最新艦となであり、 テグ級は先のインチョン級をベースにして改良設計されている。
インチョン級は新型フリゲート(FFX)計画のバッチ1型とされ、テグ級はバッチ2型として開発された。
テグ級の推進機関としてガスタービン機関とディーゼルエンジンが用いられる予定であったが、価格の高騰によりガスタービン機関をLM2500×2基からMT30×1基に変更している。
兵装としては国産の個艦防空ミサイルと国防科学研究所が開発した韓国産対潜ミサイルで通称ホンサンオ/赤い鮫と呼ばれるK-アスロック対潜ミサイルが採用されている。
ネームシップである1番艦のテグは修理中につき実戦配備されていない。
2021年現在では低速運航にて稼働している模様で、 故障の原因を解明中ではあるが一部構造的な欠陥も指摘されている。
一部の韓国メディアが報じるところでは、プロペラシャフトとスラスト軸受の問題で潤滑油の漏れが頻繁に起こっているとされている。
しかしながら、韓国の防衛事業庁からは、「テグ級フリゲートの運用に問題はない」と公式発表されている。
テグ級フリゲートは8隻が建造予定であり、そのうち5隻がすでに建造されている。
新型フリゲート「チョナン」とはどのような艦艇か?
艦名の由来であるチョナンとは韓国の大都市の名前であり、ソウルのベッドタウンになりつつある。
LGやサムスンなどの大企業グループが多く、電子機器や半導体産業が盛んな都市でもある。
テグ級フリゲートの7番艦(FFG-826)として登場したチョナンは 全長122m、全幅14m、全高35m、排水量約2800トンとされ、乗員は約120名で艦載ヘリコプター1機を運用できる。
格納式アレイソーナーシステムと長距離対潜魚雷を用いることで、大幅な潜水艦探知能力を獲得し、対潜能力の飛躍的な向上を果たしたとされ、ゆくゆくは海上戦力の中核を担うであろうと期待されている。
装備としては韓国産の対空ミサイルのK-SAMや対潜兵器、地上攻撃巡航ミサイルとそれを運用するための垂直発射装置であるK-VLSを16セル装備している。
ミサイルのセル数で言えば、海上自衛隊の「むらさめ型」や「ひゅうが型」と同等である。
他にも対艦ミサイルとして韓国の国防科学研究所が開発したミサイルSSM-700Kも装備されており、敵ミサイルを迎撃するための近接防御システムであるファランクスも実装されている。
近接防御システムといえば、韓国の揚陸艦「ドクト」が装備している「ゴールキーパー」と呼ばれる武器が設計ミスにより自らの艦載ヘリコプターを撃墜する恐れがあることが判明し大問題となっていた。
推進方式としてはディーゼルエレクトリック・ガスタービン複合推進方式を採用しており、低速時と高速時でそれぞれ使い分けられている。
水中での騒音を軽減するためのハイブリッドな推進システムであり、それによって敵潜水艦に探知される確率が下がり、速度に至っては30ノット(時速約55km)に到達することが可能となっている。
敵機潜水艦を探知し追跡するための低周波ソーナーシステムも装備されている。
なお「チョナン」は2023年に就役予定となっている。
韓国フリゲートの用途とは?
フリゲートの用途を考えるうえで、韓国のおかれている地理的環境は無視できない。
韓国は周りを海で囲われ、北朝鮮と陸続きで接しているため、もともと周辺諸国と領土・領海問題で対立しやすい傾向にある。
そのため、自国の防衛・国益保護の観点からどうしても他国と渡り合うための戦力が必要とされている。
その最たる例が徴兵制である。
徴兵制を実施しなければならないほど、韓国にとって国防は重大案件であるともいえる。
過去には北朝鮮と海洋上での延坪(ヨンピョン)海戦や天安沈没事件もあり、日本とも竹島問題や韓国国内での潜在的な反日感情なども無視できないものである。
日本との関係性においては、日本を仮想敵国として訓練しているのではないのかという説もあり、海上自衛隊の艦艇をライバル視しているように似たような新型艦を建造している。
イージス艦の配備数や揚陸艦など、少し過剰とも取れる戦力増強を行っている傾向がある。
他にも、日本ではあまり大きく取りざたされていないが、中国とも蘇岩礁(そがんしょう)・離於島(イオド)問題を抱えている。
これら周辺各国との海洋上の問題もあり、自国の領海問題に対処するために海軍の軍備増強は避けて通れない道であると考えられる。
海軍の任務遂行上、駆逐艦や揚陸艦などの戦闘艦ばかりではなく、韓国の沿岸周辺を防衛するうえで中核をなすための艦として任務を受け持つ、フリゲートもその重要性を増している。
ウルサン級フリゲート9隻やインチョン級フリゲート6隻など、あせて15隻ものフリゲートを運用中であり、この先もテグ級フリゲートが控えている。
他にもポハン級コルベットとして24隻もの艦艇を運用している。
コンパクトな艦艇が多いことから、韓国では周辺海域における領海問題を重視しており、この先もフリゲートやコルベットを用いた防衛任務に力を入れていくことだろう。
韓国の海軍力 まとめ
韓国における海洋戦力の増強は、国防の上で最も重要な課題の一つとして位置づけられていると考えるのが妥当であろう。
周辺各国との摩擦を回避しながらも領土防衛を行う上で、次期主力艦船の開発は必須であると考えらる。
この先、日本との関係性に明確な友好路線を見いだせない以上、仮想敵国としての日本とどのように向き合っていくの注目したいところである。
アメリカとの関係もあり、大々的に敵対国家として日本を取り上げられない上、巨大国家である中国の動向、それに加えて長きにわたり進展の見えない北朝鮮との領土統一問題。
フリゲート級の実装により幾ばくかの戦力増強は認められるものの、本質的の問題解決への糸口とは言い難く、刹那的な対処策しか示せない韓国政府は、この先どこに着地するのだろうか?
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