ステルス無人給油機「MQ-25スティングレイ」ついに給油ドローンが空母に

「戦争映画」は、ただ国同士が争う映画ではない。

迫力ある戦闘シーンだけでなく、涙なしには語れない数々の人間ドラマがある。

数ある戦争映画の中でも、今回は実話を元にしたエピソードのみを厳選して紹介する。

一度は見ておきたい実話の戦争映画5選!

近年、各国で軍事用ドローンの需要が高まっている。

ドローンとは無人機全体の通称で、手のひらサイズの小型のものから、ミサイルを搭載し攻撃が可能な大型のものまで多種多様である。

そのような中、アメリカ海軍が史上初の無人機による空中給油を成功させた。

その名は「MQ-25スティングレイ」で、空母から発艦させて作戦行動中の戦闘機に空中で燃料を補給する役目を果たす。

今回は、ステルス無人給油機「MQ-25スティングレイ」の性能、空中給油を行う理由とメリットやデメリットについて解説していこう。

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史上初!無人給油機「MQ-25スティングレイ」

MQ-25はボーイング社が開発、製造を行った世界初の無人給油機である。

価格は8億500万ドル(約940億円)で4機の発注が決定している。

給油能力は、ハードポイントを翼下に2つ搭載し、米海軍が配備している各種戦闘機、例えばF/A-18スーパーホーネット、EA-18Gグラウラー、F-35C戦闘機への補給を想定している。

これは、主に戦闘機や電子戦機などの固定翼機への給油を行える能力だ。

ただし、 MQ-25の航続距離は、最大で580マイル(約1,070㎞)であり、輸送機C-130の航続距離が約2,000㎞、MQ-25と同じ空中給油機であるKC-767が14,000㎞であることと比較すると物足りない数字といえるだろう。

任務のため燃料を15,000ポンド(約6,800㎏)を給油用に搭載した場合、その航続距離が500マイル(約930㎞)に低下する。

そう言ったことから航続距離を生かした運用というよりは、無人での運用に主眼を置いた運用になるといえる。

MQ-25のステルス性能は、かなり高い水準にあると思われる。

ただし、エンジンに関しては、ビジネスジェットなどに用いられるロールスロイス製エンジンを改良したものを搭載しているため、静粛性に関しては、極端に高いといえるものではないといえるだろう。

操縦士は有人機操縦者と同じく操縦に関する基礎を学んだのち、空中給油機や操作法の特別教育を受け、15~18か月で終了する。

現時点で450名程度の体制が予定されている。

そもそもMQ-25の運用は試験中なため、仮にデータが判明したとしても変更される可能性が高いといえる。

ただ、いずれにしても最新のレーダーやセンサーが搭載される推測される。

空母での実運用は、2021年現在行っていないが、テスト飛行は成功しており、史上初の無人機による空中給油はF/A-18「スーパーホーネット」で実施された。

また、F-35Cへの空中給油にも成功している。

予定では2021年末に空母での運用を想定して試験飛行を行うことになっている。

これまでのテストが順調にいっていることから空母で実際に運用される日も近いだろう。

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無人給油機のメリット、デメリットとは?

無人給油機による一番のメリットは、万が一の場合も人命を失うことがないことだ。

さらに過酷な任務を連続して行えるといった点が挙げられる。

給油機は敵側からすれば、邪魔な存在でしかないといえるだろう。

そのため、発見したら速やかに撃墜の対象になる。

しかし、給油機は戦闘機のような兵装を持たないため、反撃できずに撃墜される危険性が高い。

そうなった場合、乗員の命を失う悲惨な事態に陥る。

しかし、無人機であれば機体の損失だけで済み、人命を失うことなく作戦を継続することが可能だ。

これは、兵士たちの士気の面でも非常に重要であり、また戦後補償なども行う必要がないため、メリットの大きな一面である。

また、過酷な任務を連続して行えるのもメリットといえる。

人間が運用するのが難しい局面、例えば高度なストレスをともなう危険な空域での長時間の任務であっても無人給油機であればメンテナンスさえ行っていれば問題なく運用できる。

人間の場合は、消耗が激しく耐えられないような過酷な任務も文句ひとつ言わず、1年中運用できるのは大きなメリットといえる。

とにかく危険なミッションであろうと、淡々と任務を行ってくれるのは頼もしい。

デメリットは、イレギュラーな対応がしにくい点や電子妨害などでコントロール不能に陥る恐れがあるということだ。

プログラム、あるは遠隔操作によってMQ-25は運用している。

しかし、有人の給油機でなければできないような芸当、例えば任務にない航空機への給油の判断や緊急事態に対しての給油など応用的なものが困難とされる。

また、相手の妨害電波などの電子攻撃を受けた場合、コントロール不能になるという弱さも否定できない。

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空中給油を行う理由とは?

空中給油を行う理由は、単純に長距離を飛べるようにするだけではない。

作戦の遂行を行うための時間を延長するためや航続距離の拡大、航空機の救助、そして戦闘機の武装強化を間接的に支えるためだ。

空中給油を行うことで、戦闘機は基地に戻らずとも燃料補給が可能となる。

これは、作戦可能時間の延長や航続距離の拡大を期待することができる。

作戦時間の延長によって活動範囲が広がり、他国への軍事的な抑止力が期待できるだろう。

また、意外な面では航空機の救助も期待できる。

戦闘が長引き、燃料が帰還できないレベルまで消耗してしまったケースがそれに当たる。

本来であれば、航空機を危険な緊急着陸や放棄によって失わざるを得ない状況にありながら、空中給油によって、それを回避することも可能だ。

また、増槽タンクを何かしらの理由で放棄した場合も行動距離が大幅に減る状態になっているので、それをフォローする意味でも空中給油は重要なものとなる。

また、戦闘機の武装強化も間接的に行える点も挙げられる。

本来であれば、増槽タンクをたくさんつけるような作戦も空中給油機によって、そう言ったものが不要になるだろう。

これによって、増槽タンクの代わりに爆弾やミサイルといった武装を追加で装着でき、多くの武器を搭載した状態で作戦に望めるというメリットも挙げられる。

これによって相手よりも優位に立てるメリットもあるといえるだろう。

このように空中給油を行う理由は数多く存在する。

それによって大きなメリットをもたらし、防衛力や他国への抑止力につながる。

加えて無人化することで、よりアグレッシブで多彩な空中給油が展開できるのは確実だ。

そう言った意味でMQ-25の存在は、今後国防における空中給油の概念を大幅に覆す存在になりうるのは確かといえるだろう。

無人給油ドローン MQ-25 まとめ

無人機の分野に新たに登場したMQ-25は、空中給油の無人化という世界的にも初めての試みを行った機体だ。

最終的には72機の導入を目指す予定である。

これによって従来の空中給油の概念を大きく覆し、戦術の幅が大きく広がったといえるだろう。

スペック的には、従来の空中給油機と比較して、航続距離の面で物足りないものがある。

しかし、空飛ぶ増槽タンクという概念を持って見ることで、その存在感の大きさは計り知れない。

また、無人給油機にすることで、万が一の撃墜に対しても、かけがえのない人命を失うことがないということや、人間では難しい連続的な運用も問題なく行える。

さらに制空権が十分に得られていない危険な空域であっても、ある程度運用を試みることも可能だ。

そんな無人給油機MQ-25は、これまでの戦術を大きく変えるポテンシャルを持った存在であることは確かといえる。

「戦争映画」は、ただ国同士が争う映画ではない。

迫力ある戦闘シーンだけでなく、涙なしには語れない数々の人間ドラマがある。

数ある戦争映画の中でも、今回は実話を元にしたエピソードのみを厳選して紹介する。

一度は見ておきたい実話の戦争映画5選!