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2022年2月24日にロシア軍がウクライナに軍事侵攻して以来、これまで比較的、裏側で暗躍していた雰囲気もあったロシア軍の軍備に、表立って目を向けることができる機会が増えている。
この機会に、ここぞとばかりに世界各国の報道でも連日ロシア軍の動きや行動、戦況、軍備などが報じられるようになり、これまで我々が、なんとなく目を背けていたものの、ほんの一部が露わになってきている。
そういった状況のなかで、ロシア軍がウクライナ侵攻に対して、いかなる戦闘車両を配備、投入しているのか.
この機会に少し触れてみようと思う。また、ロシアとウクライナと国境を隣接しているベラルーシの動きについても少し確認してみたい。
ロシアの兵器について動画も見てね!
この記事に書かれている内容は
すべてを焼き尽くすTOS-1
TOS-1は多連装ロケットランチャーと言われる戦闘車両である。
見た目は、ロケットランチャーの装備からも、攻撃力や重厚感にあふれ質実剛健といった感じすらある。
ロケットランチャーは30発装備され、優れた連射性を有しているため、15秒あれば30発を撃ち尽くすことができるとされている。
技術の進化がもたらすハイテク戦闘車両という属性ではなく、旧来のアナログ的な戦闘車両として地上戦の主力として長きに渡り、一線に君臨する兵器といってよい。
この戦闘車両のTOS-1という車両には、燃料気化爆弾を搭載したロケット弾を搭載したタイプがあり、ウクライナ侵攻の際、地上戦で実戦配備され、その使用をロシア軍自体が認めたと報道されている。
燃料気化爆弾とは、液体燃料を気化させ、周囲の酸素を利用して高温爆発を起こす危険な兵器である。
そのため、市街地などでの使用では民間人や民間施設に被害が及びやすく、使用が制限されるほどの高い殺傷能力を有した兵器としても有名である。
このTOS-1のロケット弾は、射程距離が500m~最大3500mとされており、近距離にある敵兵や敵軍をせん滅するための兵器としての役割が課せられている。
ちなみに、TOS-1は、1979年のアフガニスタン侵攻の際に渓谷に潜む敵を攻撃するために開発された背景がある。
なお、TOS-1は、それ単体では近距離戦闘で敵に応戦する機能はなく、歩兵や戦車などと連帯を組んで戦闘を行う戦闘車両である。
そのような兵器を使用したため、民間人の被害も大きく、批判も集まるロシア軍ではあるが、旧ソ連時代にアフガニスタンに侵攻した際にも、燃料気化爆弾を使用した例もあり、ロシア軍における同兵器使用は、他国におけるそれとは一線を画していると思われる。
主に市街地などの近距離戦闘ではTOS-1を想定しているが、より広域の陸上戦を展開する際には、より高い機動力を有する戦闘車両を使用する必要がある。
それが、次に解説するウラガンである。
BM-27「ウラガン」
BM-27「ウラガン」はロシア語で疾風などの意味を持つ。
16連装220mmロケットランチャーを8輪式の大型軍用トラックに搭載した兵器である。
2つのガソリンエンジンを搭載し、各エンジンが4輪を駆動させることで、20t強ともされる貨物を積載しているにも関わらず、時速65キロもの速度で移動できる戦闘車両であり、燃料無補給の状態で最大航続距離は500キロとされ、広大な場所での陸上戦闘を想定した戦闘車両である。
BM-27「ウラガン」を継続的に運用するにあたって、弾薬運搬車からのロケット弾の再装填が必要であり、その装填には20分ほどの時間を要する。
旧ソ連軍のアフガン侵攻の際には、接近する陸軍歩兵部隊の接近を足止めできるという理由で多用された実績がある。
BM-27「ウラガン」は、16発のロケット弾を20秒で発射するほか、核兵器や生物兵器、化学兵器に対する防護機能が備わっている。
この防護機能は、核兵器や化学兵器を保有していたロシアが開発した戦闘車両であるということを如実に物語っていると言ってよいだろう。
BM-27「ウラガン」は、旧ソ連時代である1970年代から使用されている戦闘車両であり、操作はさほどの訓練を必要としないことから、実戦でもすぐに使用できる兵器である。
そのため、退却したロシア軍が残していったBM-27「ウラガン」を、ウクライナ軍が鹵獲(ろかく)し、反撃に転じるといったこともある。
反撃に使用できる状態でロシア軍が退却、撤収している状況を考えると、ロシア軍にとって決して余裕のある状況、戦況とは言い難く、混迷を極めた戦局と判断せざるをえない。
そういったことから、戦闘の長期化の様相を呈しているとも言える。
短距離弾道ミサイル「イスカンデル」
短距離弾道ミサイル「イスカンデル」は、固体燃料で推進する車両に搭載される移動式の短距離弾道ミサイルである。
イスカンデルとは、古代マケドニアのアレクサンドロス大王の異称であり、この兵器の破壊力が込められたとも思われる。
搭載するミサイルは、クラスター爆弾弾頭、燃料気化爆弾弾頭、威力増大型弾頭、バンカーバスター用の地中貫通弾頭、対レーダー作戦用の電磁パルス弾頭など複数のタイプがある。
また、核弾頭も搭載可能であるイスカンデルは、抑止力も含めて大きな脅威となる。
2023年2月には、ベラルーシが国内にイスカンデルを配備したことを明らかにしたというニュースがあり、各国には衝撃が走ったことは記憶に新しい。
ベラルーシは、2023年1月にはロシア空軍との合同演習を行っているという報道もあり、ベラルーシのウクライナ侵攻への参画も懸念されている。
ベラルーシは、ソ連崩壊とともにできた国家であるが、その輸出の半分以上をロシアに依存することなど、ロシアとの関係が国家存続に大きな影響を持っている。
また、ベラルーシのルカシェンコ大統領は、ソ連崩壊時にベラルーシ最高会議の議員であり、ソ連解体に唯一反対した親ソ連派であったことも影響していると思われる。
ルカシェンコ大統領は、かつてロシアから格安輸入した天然ガスを精製後に転売し、ロシアの逆鱗に触れ、一時輸出を断ち切られた過去もあるため、ロシアのご機嫌を損ねることはできないようだ。
まさに蛇ににらまれた蛙のごとく、ロシアににらまれたベラルーシ。
そういった背景から、ロシアとの関係性を維持、強化する目的もある今回のイスカンデルの配備は、今後どのような進展を見せるのか注視しなければならない。
旧型のロシア兵器
ロシア軍が、ウクライナ侵攻に対して用いている戦闘車両や軍備は、そのほとんどが1970年代に開発された古い型のものである。
アメリカと比べれば潤沢とは言い難い軍事予算の中でロシアが、決してその手を緩めていないことが見えてきた。
旧式の軍備であるとはいえ、正面から激突すればそれ相応の代償を払わざるをえないロシアの軍備に、少なからず不安を感じた方も多いだろう。
そして、そんな危険なロシアと国境を隣接し、国家存亡にかかわる相手として関わらなければならないベラルーシの積極的ではないが消極的でもない対ロシアへの加担も理解できなくはない。
今後、ウクライナの状況はどう変化していくのだろうか?
次の動画では、ロシア戦車の装甲を突き破る対戦車ミサイルについて解説しよう。
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