現代の戦艦!ロシア原子力巡洋艦キーロフがアメリカを震え上がらせる!
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大陸国であるがゆえに、陸軍を主戦力と考え強大化させていった旧ソ連。

しかしながら、世界最強と謳われたバルチック艦隊をはじめ、実は海軍力もそれなりに高いことはご存じだろうか?

第二次世界大戦時には世界最大の潜水艦隊を保有するなどの実績もある。

しかしながら、経済力、軍事力、資金力、作戦力、その他の面で他を圧倒するアメリカ軍の前に、キューバ危機では、その海軍力の歴然たる差を、なすすべなく見守ることとなったのであった。

結局は、キューバのIRBM基地を退去せざるを得なくなった旧ソ連。

これを機に、不利な状況に追い込まれた旧ソ連は、海軍力増強に乗り出し、特に水上艦艇戦力を増強するようになっていく。

そのような動きの中で生まれた軍艦こそが、原子力巡洋艦キーロフなのであった。

キーロフはその名の通り動力が原子力という艦艇で、現役で活動しているのは世界でキーロフだけである。

今回は、世界でも珍しい原子力巡洋艦キーロフの能力と世界で最初に装備されたVLS(垂直発射装置)、また近代化のための改造について解説していこう。

しまかぜ

原子力巡洋艦キーロフの迫力のミサイル発射シーンやカッコいい動画もあるので見てね!

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第二次世界大戦後最大の戦艦キーロフ

第二次世界大戦後に開発、建造された航空母艦を除く水上戦闘艦としては、世界最大であり、極めて強力な耐水上打撃力、防空力を備えており、また重厚は装甲を施していることから、巡洋戦艦とも呼ばれている。

現在も運用中であるキーロフは、ロシア海軍内で「重原子力ミサイル巡洋艦」と位置づけられており、通常の「ミサイル巡洋艦」より上の艦艇として扱われている。

キーロフは、アメリカの強大な海軍力に対応すべく、「対潜及び防空任務を果たし、仮想敵国であるアメリカの大型軍艦を撃沈できる「1144型原子力ミサイル多目的巡洋艦」として開発された。

船体は、ステルス性に配慮してレーダー反射断面積の低減が図られており、ステルス戦艦の先駆けとも言われている。

あらゆる部分で垂直面を避け、各所に傾斜を付けるなどの改良の甲斐あって、同艦がデンマーク海峡通過する際には、NATO軍のレーダーには「2000トン程度の小型フリゲート」程度にしか映らなかったとされている。

また、キーロフの特徴として、核動力に通常の蒸気タービン主機を併用した点があげられる。

原子炉の動力と予備としての重油焚きボイラーが2機備えられている。

原子炉での最大速力は31ノット、予備動力も14ノットの速力がある。

また、Ka-25/27ヘリコプターを3機収容できる航空運用能力を備えており、現代の艦艇と同じく空からの捜索や早期探知の能力も備えている。

キーロフは計4隻が建造されたが、ソ連崩壊による軍事費の削減によって経費が捻出できず、現在では2艦のみが稼働している。

重ねて、ソ連崩壊後に「アドミラル・ウシャコフ」改名された同艦であるが、こちらの名称はさほど浸透せず、現在でもキーロフと呼ばれることが多い。

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キーロフが装備する兵器について

キーロフの兵器についてであるが、最も特徴的なものとしてP-700グラニート艦対艦ミサイルシステムがあげられる。

艦橋全面の発射機には約50度の角度で搭載された20発のP-700グラニート艦対艦ミサイルが搭載されており、最大700kmの射程距離を有している。

これは、アメリカ海軍「空母打撃群」の射程圏外から攻撃することを目的として開発、搭載されたものである。

発射後は慣性航法装置により誘導される。

慣性航法とは、ミサイルに搭載された加速度計により飛翔高度や距離を計算し自らの位置を修正しながら飛翔する。

そして、レゲンダシステムと呼ばれる衛星により目標との誤差を修正しつつ、最終段階ではミサイル自体がアクティブレーダーを作動させ、マッハ2.5(秒速850m)の速さで目標に突入していく。

レゲンダシステムは、精巧なシステムであり、フォークランド紛争では戦況を克明に中継することに成功するなどの成果を得ている。

また最初から複数同時に用いる事を想定して、飛行中にミサイル同士が情報を共有するという機能を備えている。

また、艦隊防空ミサイルとしては、先行して計画されていたスラヴァ巡洋艦と同じS-300Fフォールトが搭載されている。

キーロフが長距離対艦ミサイルを多数装備していることは、有力な正規空母を持たない旧ソ連海軍が、強力なアメリカ海軍の空母打撃群に対抗するための手段である。

同じコンセプトで開発されたオスカー級原子力潜水艦、スラヴァ級巡洋艦を駆使して、実際の戦闘時にはミサイルの一斉発射による飽和ミサイル攻撃を、アメリカ空母艦に行う戦略が可能となったのである。

この戦術を恐れたアメリカ海軍は飽和攻撃に対抗するために後にイージスシステムを開発するのである。

また、短・近距離の防空システムとしては、「キンジャール」個艦防空ミサイル及び「コーチクル」複合CIWSといった新装備が予定されていた。

しかし、開発の遅延によって、1,2番艦では従来の「オサーM」が搭載され、3番艦ではその改良型の「オサーMA」が搭載され、4番艦で、ようやく当初の予定であった3K95「キンジャール」個艦防空ミサイルの搭載が実現した。

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イージス艦より巨大な「リデル級原子力駆逐艦」

旧ソ連がキーロフ巡洋戦艦などを開発し、他の同様の戦艦と合わせて、大規模な飽和ミサイル攻撃が可能となったことで、世界的にディフェンスミサイルの需要が高まった。

そのため、強大な情報収集能力と迎撃システムを備えたイージス艦の開発につながるほどのインパクトをもたらした。

そのような戦艦の後継機はあるのだろうか。

未だ発注には至っておらず計画の段階ではあるものの、着々と建造が準備されているであろう「リデル級原子力駆逐艦」がそれにあたる。

本来、巡洋艦と比べて駆逐艦は小型であるが、近年は駆逐艦自体の巨大化が進んでいるため、大型で機動力を保ったリデル級はその流れを受け、総排水量は17,500トンと予想されている。

また、最新の原子力推進装置を装備予定であり、その航行距離は故障しなければ20年以上走り続けることができる。

また、その搭載兵器は、長射程有翼ミサイルのカリブル、オーニクス、将来的には極超音速ミサイルのツィルコンを配置できる8組の発射装置で、計64発となる。

カリブルの最大射程距離は、対地攻撃型が2500km、対艦攻撃型が375km、潜水艦発射型が50kmとされている。

飛翔速度は音速よりも遅い亜音速で、対艦攻撃型のみは目標の手前20kmほどで弾頭が分離することで超音速に加速可能となっている。

また、極超音速ミサイルのツィルコンは、2016年4月の実験段階で最大速度がマッハ8を記録したとされており、F-16V戦闘機のマッハ2を遥かにしのぐ極超音速は、各国にとっての脅威となるであろう。

キーロフで、すでにその実績を有しているステルス性がさらに進化するであろうリデル級原子力駆逐艦は、遠海での任務遂行において、ロシア海軍の軍事力を大幅に増強するものと見られている。

ロシア海軍の今後

二度の世界大戦を終え、東西冷戦時代に幕を下ろしたかに見える世界各国の軍事力競争。

しかしながら、冷戦が終了し、ソ連が崩壊した結果、大幅に縮減された軍事予算の中でも虎視眈々と、アメリカ軍や中国軍の戦力や展開をにらみ、抑止力として軍事力の増強を続けているロシア。

その影響によって、世界的にイージス艦が開発されるなど、軍縮とは程遠い現状ではある。

今後、ロシアを含めた各国が、どのような軍事力強化を見せるのか、AI技術が目覚まし発展し続ける現在においては、ますます目が離せない状況である。

そして、直近では、キーロフの後継であるリデル級原子力駆逐艦の建造開始、完成に合わせて、世界の海軍力にどのような変化があるのだろうか。

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