ウクライナが使用したMLRSとHIMARSの違いと威力!戦局を逆転させた兵器

「戦争映画」は、ただ国同士が争う映画ではない。

迫力ある戦闘シーンだけでなく、涙なしには語れない数々の人間ドラマがある。

数ある戦争映画の中でも、今回は実話を元にしたエピソードのみを厳選して紹介する。

一度は見ておきたい実話の戦争映画5選!

ロシアがウクライナに進行して、すでに半年以上の月日が経過している。

当初はロシアの圧勝や短期間で決着をつける「電撃作戦」によって早期の終結が予想されていた。

しかし、その予想を良い意味で裏切るウクライナの健闘によって、すでにロシアとウクライナの紛争は長期戦にもつれこんでいる。

この状況の裏では、ウクライナ国民の命をかけた戦いもさることながら、ウクライナを支援する欧米諸国の物理的な援助による部分も大きい。

提供された兵器であるHIMARSやMLRSがウクライナに到着してから戦局は完全に逆転したのだ。

今回は、ウクライナとロシアとの紛争で、支援された兵器について解説し、短期間で終結すると思われていたロシアの侵攻を食い止めた要因についても触れていこう。

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多連装ロケットシステムMLRSの威力

バイデン米大統領は「50カ国以上がウクライナに14万基近い対戦車システム、600両以上の戦車、500門近い大砲システム、60万発以上の砲弾、さらに最新のMLRS、対艦システム、防空システムを供与する」と宣言した。

その中のMLRSとは(Multiple Launch Rocket System)の頭文字をとったもので、自走式の多連装ロケットシステムで広範囲にわたってロケット弾を発射する陸上兵器である。

1980年代から導入が開始され、何度も近代化が図られたことによって4.5秒間隔でのロケット弾発射が可能で、小型爆弾をつめこんだクラスター爆弾のような散弾性能を持つようにアップデートされた兵器だ。

MLRSは、もともと戦車の数では東側諸国に劣るアメリカが開発した兵器で、広範囲の面積にロケット弾の雨を降らせて相手の陸上戦力を無力化することを目的とした兵器として運用が想定されていた。

広範囲に攻撃を与える面制圧は、敵の撃破よりも、敵をその場にくぎ付けにして動けなくする意図が大きい攻撃法である。

こういった背景からウクライナへの援助として投入されており、ロシアの陸上戦力に対して威力を発揮することが期待されている。

投入されるのはM270多連装ロケットシステムと呼ばれるモデルであり、現代戦にも使用される現行兵器だ

MLRSはキャタピラを装備した自走式の車両で3名で運用でき、時速64㎞で移動することが可能だ。

射程90キロで、40秒間に12発撃てる能力を持っており、射撃後は位置を特定されないように移動することができる。

2022年7月に援助されたばかりで戦果は不明だが、その攻撃力は注目に値しロシアの戦車部隊にも対抗しうる戦力といえるだろう。

MLRSは日本の陸上自衛隊にも配備されており、富士演習場で行われる演習にも度々登場し、その攻撃力や広範な範囲への破壊力を目にすることができる。

いずれにしても、MLRSの投入によってウクライナの防衛力が向上することは必至であり、本格運用が始まることによってウクライナ紛争のゲームチェンジャーとなりうる可能性は十分考えられるであろう。

アメリカによるウクライナへのMLRSの供与は「一線を越える」ことになり、「ロシアは厳しい対応を取ることになるだろう」と報じされている。

ただし、MLRSは戦略機動性が低く航空攻撃には簡単にやられてしまうため、敵航空戦力の脅威下では次に解説するHIMARSの方が有利である。

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 高機動ロケット砲HIMARSの威力

ウクライナに提供されたもう一つの兵器が高機動ロケット砲システムHIMARS(High Mobility Artillery Rocket System)である。

こちらは、ロケット弾6連装発射機を搭載した車両型の兵器で、目的はMLRSと同じ印象を受けるが、機動力の面でMLRSよりも優れた能力を持つ。

MLRSが25トンもの重量があるのに対し、HIMARSは13.7トンまで軽量化されている。

海外への迅速な部隊展開に制約のあるMLRSからC-130輸送機にも搭載可能な長距離火力支援兵器として開発されたのがHIMARSである。

トラックの車体後部にミサイルコンテナ1基を搭載し、迅速に目的地への展開が可能であり、速やかに阻止砲撃を実施し敵の後方支援部隊を攻撃することができる。

また、注目すべき点としては運用性の容易さとアフガニスタンでの活躍が挙げられる。

ウクライナのような運用実績のない国であっても、整備が容易であり、運用しやすいのがメリットである。

また、過去にはアフガニスタンでの紛争にも投入されており、カンダハルにおけるNATO軍の攻勢のきっかけを作ったとされている点も注目に値するだろう。

提供されたHIMARSはウクライナ軍によりロシア軍に命中させたという情報も出てきている。

ただ、ロシア側ではHIMARS4基を破壊したという発表も行っており、近接攻撃を受けた場合は、容易に破壊されてしまう点は懸念であろう。

車体後部に射程70kmのGPS誘導ロケット弾M26なら6発、もしくは射程約300kmのMGM-140対地ミサイルなら1発を搭載できるほか、陸上から艦艇を撃破する地対艦ミサイルとしても運用できる。

今回供与されたのは射程70kmのM26ロケット弾である。

その理由は300㎞の射程であれば、ロシア領土の攻撃も可能となるため、ロシア側に対して大きな影響が出ないようにするためである。

バイデン氏はロシアとの核戦争を回避するためハイマースでロシア領土を攻撃しないことをウクライナに誓わせている。

射程は短くなるものの、長距離精密攻撃が可能なM26ロケット弾により、ロシア軍の弾薬集積所や司令部などの重要目標をピンポイントで攻撃することができる。

それでもロシア側にとって脅威であることは間違いないだろう。

足の速いトラックという機動力を生かして、ロシアとの最前線での後方支援兵器として積極的な運用が行われることが期待されている。

ちなみにアメリカは追加支援を決定しており、合計16基のHIARSがウクライナに展開されることで防衛力が高まることは確実といえるだろう。

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戦局を変えた兵器

ウクライナとロシアとの紛争で、現在高機動ロケット砲HIMARSの供与によってウクライナはロシア侵攻の防衛を行っている。

さらに7月には、より広範囲に攻撃でき、かつ破壊力の大きなMLRSも投入されている。

MLRSは、HIMARSに比べて運用が難しい一面を持つが、ロシアに対して有効な防衛力となるだろう。

現在、沖縄に駐留しているアメリカ海兵隊の基地にも「HIMARS」が配備されており、日本の防衛にも大きな意味を持つことは確かだ。

慎重な運用と的確な攻撃によって、供与されたこれらの兵器を有効利用し、ウクライナがロシアからの侵攻を抑えて紛争の早期解決ができることを願わずにはいられない。

また、これ以上の供与によって戦線が拡大し、複数の国が戦場となる広域な戦争が勃発しないことも祈りたい。

「戦争映画」は、ただ国同士が争う映画ではない。

迫力ある戦闘シーンだけでなく、涙なしには語れない数々の人間ドラマがある。

数ある戦争映画の中でも、今回は実話を元にしたエピソードのみを厳選して紹介する。

一度は見ておきたい実話の戦争映画5選!