65㎞先をピンポイント爆撃!エクスカリバーの命中率と新型自走砲
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戦争では、多種多様な兵器が実戦に投入されている。

その中において、今までの戦闘において、最も多くの兵士を殺傷している兵器が榴弾砲である。

榴弾砲は、目標に対して照準し、精密射撃を行う他の大砲とは違い、数十キロ遠方に広範囲に展開している目標に対して砲撃を行い、敵をせん滅する兵器である。

つまり点ではなく、面を制圧するための兵器なのである。

この榴弾砲に使用される砲弾に対して、ミサイルのようなピンポイントな攻撃が可能となる能力を持った新たな砲弾が登場した。

それが誘導砲弾だ。

今回は、ウクライナに供与された誘導砲弾エクスカリバーの驚くべき命中率とその特性について解説していこう。

しまかぜ

この内容は動画でも見れるよ!

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エクスカリバー弾と新型自走砲M1299

アメリカ陸軍の新型自走砲M1299は2024年頃に運用が開始され、現行のM109A7よりも射程や発射速度の向上を目的として開発された。

自動装填装置の搭載により、発射速度は毎分10発となり、新型のロケットブースター付き砲弾の射程は70キロである。

エクスカリバー弾と呼ばれるロケットブースターとGPSを搭載した精密誘導砲弾を使用すると、65キロも先のターゲットにピンポイントで命中することができる。

レーザー誘導装置を搭載したモデルも開発され、移動するターゲットにもピンポイントで命中する能力を持つ。

M1299は、現在配備されている自走榴弾砲の後継として開発された新型自走砲であり、2024年頃より運用が開始される予定である。

主砲には、58口径の155mm砲が搭載されており、試作型のXM1299は、エクスカリバー弾と呼ばれるロケットブースターとGPSを搭載した精密誘導砲弾を使用し、65km先のターゲットに対してピンポイントで砲弾を命中させている。

その後、システムの見直しや装薬構成の調整が行われ、アリゾナ州ユマ試験場で行われた射撃では、新型のロケットブースター付きの誘導砲弾を使用して70km離れた標的に対して命中弾を与えている。

運用開始の4年後には射程距離を100kmへと伸ばす計画である。

また自動装填装置の搭載により、発射速度は毎分10発となり、M109A7の毎分4発と比べて大幅に射撃速度が向上している。

今後はレーザー誘導装置を搭載したモデルも開発され、移動するターゲットにもピンポイントで命中する能力を持たせる予定である。

現代においては、遠距離目標に対して行われる砲撃戦に備えて、各国は対砲兵レーダーという装備を保有している。

これは、飛翔する砲弾の弾道をレーダーで捉え、解析することで砲弾の発射地点を特定するもので、これにより砲撃を行った敵砲兵部隊に対しての反撃が可能となる。

つまり砲兵の側からみれば、長時間留まって砲撃を行うことは敵の反撃を受ける危険が大きくなるのである。

そのため、短時間で場所を移動する必要があり、牽引式の榴弾砲よりも素早く移動ができる自走砲の重要性は、今後ますます高まってくることになるであろう。

ここで使用されるエクスカリバー弾は、一発約1000万円もする高価な砲弾であるため、高価値目標に対する攻撃に限定して使用されている。

射程距離は、仕様に応じて約40kmから57kmで、平均誤差半径は、およそ5mから20mである。

また、砲弾はGPSで目標まで誘導され、風などの影響で誤差が生じないように翼がついており微調整ができるようになっている。

それ以外には 多機能信管も装備されており、瞬発、空中炸裂のほか、目標内部へ貫通してから炸裂させるなど様々な用途に対応できる。

エクスカリバーの最初の実戦投入は、2007年のイラクであり、94%の砲弾が標的の近傍4mに着弾するという成果を収めている。

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ウクライナに供与されたエクスカリバーと画期的システム

アメリカは、ウクライナへの軍事支援の一環として、アメリカ製の榴弾砲M777と「エクスカリバー」を提供することを決定した。

エクスカリバー砲弾は現代の砲弾の中でも特に優れた性能を持ち、正確な命中能力が期待される。

ドローンの位置情報と組み合わせることで、遠方からの正確な砲撃が可能になるため、戦術上の相性が非常に良い。

この攻撃で威力を発揮したのが「GIS Arta」というシステムである。

このシステムは、偵察用ドローンが発見した敵の位置を特定すると、計算ソフトにより、その目標を攻撃することが可能な周辺の地域の部隊を探し出し攻撃の指示を出す。

この作業を僅か1分で行うことのできるという画期的なシステムである。

このやりとりが、ウーバーイーツが利用客の住所に近い配達員をマッチングして配達させることに似ていることから「戦場のウーバー」という呼び名が付けられている。

このシステムには高速のインターネット回線が必要になってくるため、アメリカの実業家であるイーロン・マスク氏の宇宙開発事業で使用されている衛星を使用した通信技術のサポートを受けている。

また、アメリカは、ウクライナへの軍事支援の一環として、M777「155mm榴弾砲」とエクスカリバー弾を提供している。

M777は、イギリスで開発された最新型の榴弾砲で最大の特徴は、重量の軽さにある。

今まで使用されてきたM198榴弾砲が約7.1tであるのに対し、M777は、鉄より軽量で強度の高いチタン合金を使用することにより約4.7t と軽量化を図ることに成功している。

このため従来の火砲は、スリング輸送と呼ばれる火砲を機外に吊り下げての輸送を行う際は、大型ヘリコプターを使用する必要であったものが、中型の汎用ヘリコプターでも輸送することが可能となり、機動性が大幅に向上している。

アメリカは、M777を輸送可能なミルMi-17、11機と共に供与を行っており、悪路や、地雷原などは無関係に、目的地までの迅速な移動を可能にしている。

また、砲員は5名で従来の半分の人員での操作が可能となっている。

M777で使用するエクスカリバーは現代の砲弾の中でも特に優れた性能を持ち、正確な命中能力を持つ砲弾である。

通常の砲弾とは違い小型の翼を複数装備してGPS誘導により滑空しながら目標を攻撃する、ミサイルなみの高精度な機能をもった砲弾である。

M777は、東部のドンバスの戦いで実戦投入され、ロシア軍の戦車と装甲車を合わせて80両を破壊する戦果を挙げている。

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エクスカリバーに組み込まれたGPS誘導砲弾のメリット

GPS誘導砲弾は、目標の座標を事前にプログラムして発射する。

完全に違う方向に発射してしまった場合、その補正は厳しいが、軽微な誤差程度なら砲弾自体の誘導システムが修正してくれるので、高い命中率が得られる。

この技術は感動すら覚えるほど先進的だ。

GPS誘導砲弾の美点は、高い精度で目標を攻撃できる点にあるが、その性質上、静止している目標に限定される。

なぜなら、移動している目標はその位置情報が刻々と変わるから、予め設定するわけにはいかない。

このような砲弾が効果的な場面としては、例えば敵の交通路を遮断するための橋を破壊するシチュエーション、あるいは敵の砲兵部隊とその弾薬庫を一掃する瞬間が考えられる。

速度が違いすぎるような高速の移動目標を捉えるための誘導砲弾の開発も進行中である。

エクスカリバー砲弾も進化を遂げており、基本型にレーザー誘導機構を付け加えた「エクスカリバーS」のテストが行われたことがある。

しかし、量産に関する情報はまだ確認されていない。

陸上自衛隊にとっても、誘導砲弾は避けては通れない技術である。

しかし、砲弾一発のコストが隊員一人の年俸以上に匹敵するので、誘導砲弾があるからといって訓練の質を落とすわけにはいかない。

隊員それぞれのスキルを最大限に高め、緊急時に限り誘導砲弾を活用する形が最も合理的である。

今後も エクスカリバーは、継続的な能力向上を図るため 改良重ねた派生型が、続々と登場してくることになるであろう。

現在、膠着状態が続いるロシア、ウクライナ戦争において最終的にウクライナが勝利するためには、ロシア軍の火砲をいかにして制圧するかが重要なカギとなってくるのであろう。

今回紹介した長距離射撃が可能な自走砲、機動性に優れた火砲、それに精密射撃が可能な誘導砲弾は、敵戦車や重要施設に対する攻撃だけではなく、火砲に対する攻撃でも極めて有効な兵器である。

ウクライナ軍は、現在南部において防衛線を築いて占領地の防衛にあたっているロシア軍の火砲に対する攻撃を重点的に行っており、連日数十門の砲を破壊し、破壊した砲の総数は5000門を超えると言われている。

反転攻勢をかけているウクライナ軍にとって誘導砲弾は、それらの目標を破壊し防衛線を突破するために重要な役割を果たしているのである。

次の動画では、ウクライナが使用したクラスター爆弾の仕組みと威力について解説しよう。

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