Amazonのオーディオブック12万タイトルの本を好きなだけお楽しみいただけます。・本の1冊分の月額で聴き放題
・料金をメリットが上回る
・いつでも読書できる
・読書量が格段に増え、積読が解消される
・長時間の読書も目が疲れない
・聴くたびに学びを感じる
重巡洋艦「鳥海」は、大日本帝国海軍の高雄型4番艦として1932年に就役し母港は横須賀であった。
艦名は、秋田と山形の県境にある鳥海山に由来する。
そして現在、海上自衛隊のこんごう型4番艦としてイージス艦に受け継がれている。
母港は佐世保である。
重巡洋艦「鳥海」は数々の戦闘に参加し、高雄型の中でも指揮能力に優れていたこともあり、旗艦を任されることが多かった。
一方、イージス艦「ちょうかい」は北朝鮮の弾道ミサイルや中国の海洋進出から日本を守るために現在任務についている。
今回は、重巡洋艦「鳥海」にイージス艦「ちょうかい」について比較していこう。
大日本帝国海軍 重巡洋艦「鳥海」
日本が大日本帝国時代に所有していた重巡洋艦で高雄型重巡洋艦の4番艦である。
この艦のコンセプトは他の巡洋艦とは異なるノウハウが詰め込まれている点が特徴で、1932年6月30日、長崎県の三菱重工長崎造船所で就役した。
客船建造の経験豊富な三菱のノウハウにより同型艦と比べて艦内の居住性が快適になっていた。
射撃管制装置や魚雷発射指揮装置などをできるだけ高い場所に設置したため、大きな艦橋構造物が特徴的である。
就役時の兵装については、50口径連装砲を10門、45口径高角砲を4門、魚雷8門、機銃2機である。
重巡洋艦「鳥海」は改造工事が遅れたため、旧式の魚雷発射管の他、対空装備が12センチの単装砲など問題が多く、ガダルカナル島の戦いではラバウル海戦において空襲により装備が破壊されるという事態に見舞われたのだ。
この戦闘で、鳥海は戦死34名、戦傷32名を出した。
しかし、撃沈はまぬがれており、航行可能であったため再度近代化改修を行い、砲や魚雷については旧来の物を使用し、対空性能の強化が行われた。
また、近代化改修により、新たに装備されたレーダーが2基搭載されており、対戦能力がより強化された形となった。
しかし、問題はこのレーダーが当時はうまく機能せず、目視による戦闘を強いられていたこともあった。
鳥海は太平洋戦争において、東南アジア攻略作戦、ベンガル湾通商破壊作戦、ミッドウェー海戦、第一次ソロモン海戦、第三次ソロモン海戦、マリアナ沖海戦、レイテ沖海戦などに参戦。
ガダルカナル島沖合では、、味方の損害なしに米豪海軍の重巡4隻を撃沈する一方的な勝利を収めた。
1944年10月25日早朝、最後の戦いとなったレイテ沖海戦で敵艦上機の攻撃を受けて沈没した。
鳥海の生存者は駆逐艦「藤波」に救助されているが、その藤波もその後消息を絶っており、2隻の乗員の生存はいないとされている。
海上自衛隊 イージス艦「ちょうかい」
海上自衛隊のイージス艦「ちょうかい」はアメリカ海軍のイージスシステムを導入したこんごう型の4番艦である。
長期防衛計画により生み出された7200トンクラスのイージスシステムを採用した弾道ミサイル迎撃能力を備えた護衛艦である。
1998年3月に石川島播磨重工業で就役し、すでに20年以上が経過している。
こんごう型4隻、あたご型2隻、まや型2隻のうち、唯一の石川島播磨製である。
2008年、ハワイ沖にて弾道ミサイル撃墜実験を行ったが、BMD能力を持つイージス艦の中で唯一失敗している。
その理由であるが、ターゲットの捕捉とSM-3の発射・追尾はできたものの弾頭の軌道姿勢制御装置の不具合により迎撃が失敗した。
防衛システム自体の追尾機能やシステム自体に問題なかったものの、肝心のSM-3の弾頭部分に不具合が発生し、ターゲットを追うことができなかったのだ。
武器については弾道ミサイル迎撃用のSM-3、対空ミサイルSM-2、対艦ミサイルのハープーンの他、5インチ砲、短魚雷3連装、VLA(アスロックミサイル)、20㎜機関砲(シウス)を装備している。
重巡洋艦「鳥海」とイージス艦ちょうかいの比較
重巡洋艦鳥海とイージス艦ちょうかいを比較すると、サイズや排水量、最大速力、航続距離、馬力、乗員数のどれをとっても重巡洋艦「鳥海」が勝っている。
ただ、太平洋戦争など第2次世界大戦においてはまだミサイルと言う兵器はなく、この時代の主要兵器は主砲や魚雷であった。
2艦の兵装はこのようになっている。
魚雷においては重巡洋艦鳥海は酸素魚雷ではなく、旧型の89指揮魚雷を用いていたことから魚雷発射後の気泡が発生して迎撃される可能性が高かった。
また、対空防御においては遠距離で迎撃できるSM-2や近接防御用のCIWS(シウス)を装備しているイージス艦と比較した場合、重巡洋艦鳥海は航空機にも弱い上、自動で目標を追尾し迎撃する機能は備えていない。
ただ、これらは技術の発達はもちろんのこと、目視による迎撃が主であったため武器自体に根底的な違いがあるのは言うまでもない。
エンジンについては、イージス艦ちょうかいはLM2500ガスタービンを使用しており、ボイラー式のように暖まるまで待つ必要なく、エンジン起動してすぐに発進でき、旧来のエンジンシステムと比較すると、即座にトップスピードにまで上げることが可能である。
レーダーについては、重巡洋艦「鳥海」の二式一号電波探信儀の探知距離は70~100㎞であり、一方、イージス艦ちょうかいのSPYレーダーは500㎞以上の対空目標を同時に200以上、もしくは大気圏外の弾道ミサイルを追尾することが可能である。
重巡洋艦「鳥海」とイージス艦「ちょうかい」 まとめ
重巡洋艦「鳥海」の時代は敵として戦ったアメリカであるが、現在は、そのアメリカが開発したイージスシステム搭載した「ちょうかい」が日本を守っている。
大幅な進歩に伴い、戦闘状況の変化はより迅速となり新兵器が開発されている。
現代の戦闘は戦場のシチュエーションが多様である。
所要の時期・場所に、必要な規模の火力を陸上・海上・水中・空中の様々な装備から攻撃できなければなれない。
重巡洋艦「鳥海」の艦名は80年近く経った今、海上自衛隊のこんごう型4番艦「ちょうかい」に受け継がれている。
これからも日本の海を守り続けるイージス艦ちょうかい、そして重巡洋艦「鳥海」で任務にあたられたすべての英霊に敬礼。
Amazonのオーディオブック12万タイトルの本を好きなだけお楽しみいただけます。・本の1冊分の月額で聴き放題
・料金をメリットが上回る
・いつでも読書できる
・読書量が格段に増え、積読が解消される
・長時間の読書も目が疲れない
・聴くたびに学びを感じる