中国055型駆逐艦VSイージス艦「はぐろ」 ついにイージスを超えた中国艦艇
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現在の中国の軍事力は、1位のアメリカ、2位のロシアについで、世界ランキングでは第3位の位置にある。

総兵力は234万人で空母や強襲揚陸艦をはじめ、各艦艇を急ピッチで建造している。

米インド太平洋軍のデービッドソン司令官は 2026年までに西太平洋における軍事力で中国軍は米軍を上回る可能性があると発言している。

中国の現在の軍事費は22兆5000億円で過去最大の金額になっている。

これは日本の国防費の4倍にあたる。

中国は南シナ海の南沙諸島にある岩礁を埋め立てて人口島を作り、すでに航空基地まで建設している。

付近海域は中東から日本へ石油を運ぶタンカーの通り道になっている。

石油のほとんどを輸入に頼っている日本にしてみれば、まさに喉元にナイフを突きつけられているような状態だ。

今回は、イージス艦を超えるとも言われる055型駆逐艦の性能や「ステルス破り」と言われる高性能レーダー、海上自衛隊の最新鋭イージス艦「はぐろ」との性能比較について解説していこう。

しまかぜ

中国055型駆逐艦の性能とイージス艦の比較を動画でも見られるよ!

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中国新型駆逐艦 055型レンハイ級とは?

055型駆逐艦は、中国海軍が保有する最新のミサイル駆逐艦でNATOのコードネームは「レンハイ級」である。

満載排水量が13000トンと駆逐艦にしては、かなり大型なことからアメリカでは、このクラスをミサイル巡洋艦と位置づけている。

055型駆逐艦のスペックはこのようになっている。

055型駆逐艦のスペック

全長:180m、最大幅:19m、
ガスタービンエンジン:4基
最大速力:32ノット
乗員:280名
兵装:130ミリ単装砲×1、30ミリCIWS×1
艦対空ミサイル×24
VLS垂直発射×112(前部64・後部48)
324mm3連装魚雷発射管×2

全長180m、最大幅19m、ガスタービンエンジン4基を搭載、最大速力は32ノット、乗員は280名となっている。

兵装としては130ミリ単装砲1基、30ミリCIWS1基、艦対空ミサイル24連装発射機1基、VLS垂直発射システムは112セルあり、艦の前部に64セル、中部に48セルが配置されている。

 

このセルは西側諸国の艦艇に装備されているMK41垂直発射システムより大型のものが使用されている。

つまり、それだけ大型のミサイルを装てんしているということである。

この発射機からは対空ミサイル、対艦ミサイル、対地巡航ミサイル、対潜ミサイルなど、あらゆる種類のミサイルを発射することが可能である。

後部にある格納庫にはヘリコプター2機が収容可能だ。

さらには、324mm3連装魚雷発射管2基も装備している。

現在の建造数は8隻である。

開発の経緯としては1995年に起きた台湾海峡危機の話に遡る。

この時、中国軍は米海軍の空母機動部隊の前に、なすすべもなく、圧倒的な戦力差を見せつけられてしまった。

このため中国は将来の空母整備計画を視野に入れて、艦隊護衛用の優れた対空能力を持つ駆逐艦の建造を目標にしてきた。

1999年から2000年にかけてはロシア製のソヴレメンヌイ級駆逐艦を導入している。

さらに2002年から2015年にかけては国産の052C型駆逐艦を建造している。

アクティブ・フェーズド・アレイを装備しており、アンテナを艦橋構造物の4面に貼り付けた外見から、「中華イージス」と呼ばれている。

その後052C型の発展型である052D型が登場する。

さらに中国海軍は艦をさらに大型化させることにより火力の強化や生存性向上を図ることができると判断し、052D型より大型で先進的な艦艇を建造することになった。

それがこの055型だ。

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ステルス破りとよばれるレーダー

イギリスの新聞デイリーメールは、中国海軍の最新鋭防空ミサイル駆逐艦「055型」のレーダーは、ステルス性能の高い目標を補足できる能力を持っていると報じた。

052型に搭載されている346B型レーダーには、SバンドおよびXバンドという2種類のマイクロ波の周波数域を使ったレーダーが装備されている。

Sバンドは長距離の目標の探知、Xバンドは精密探知と射撃管理を行う役割を持っている。

その性能は米国のイージス艦が現在装備しているSPY-1レーダーを「大きく上回る」とされている。

中国の保有する艦艇のレーダー技術は段階的に発展してきている。

052C型は艦隊防空用として建造され、国産のSバンド空冷式フェーズドアレイレーダーを装備し、探知能力は450キロ~500キロになる。

中国海軍初のミサイル垂直発射装置(VLS)を備え、対空ミサイル「HHQ-9」計48発を搭載することが可能で、現在6隻が就役している。

その発展型の052D型は中国海軍の主力駆逐艦で、レーダーは液冷式に代わり探知距離は500~600キロに向上した。

この052D型から初めて防空、対艦、対潜の各種ミサイルをVLSに搭載することが可能になり、サイル搭載数も計64発に増加しており、17隻を保有していることが確認されている。

このように中国海軍のイージス艦は当初は「模倣版イージス」と言われていた時期から性能を向上させ、055型で世界のトップクラスの位置にまでたどり着いたと言えるだろう。

055型は将来、中国空母機動部隊の戦闘の指揮をとる艦となることが予想されている。

また対艦攻撃や地上目標の攻撃も行うことができ、海上自衛隊のミサイルよりも飛翔距離が長いことから、離島防衛を行う日本としても驚異となる存在だ。

今や中国海軍の艦艇は、模倣の域を脱しており、055型駆逐艦は世界最強説まで出てきているというのが現状だ。

もはや中国の艦艇は「他国の劣化コピー版」などではないことは確かなようだ。

では、実際に日米のイージス艦との性能はどの程度違うのだろうか?

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イージス艦と055型駆逐艦の比較

海上自衛隊が保有する最新鋭イージス艦「はぐろ」と055型駆逐艦の性能を比較してみよう。

はぐろの満載排水量は10,250トン、全長170m、最大幅21m、これに対して055型は満載排水量は13,000トン、全長180m、最大幅19mとはぐろより若干、大型の船体である。

はぐろのエンジンはガスタービン2基及び電動機2基の複合推進方式を採用しており、速力は30ノット。

055型も同じガスタービンを使用しているが、「はぐろ」より多い4基を搭載しており速力は32ノットを出すことが可能だ。

兵装は、「はぐろ」が127mm砲が1門、発射速度は毎分16-20発、最大射程は24.1km

055型は130mm砲が1門、発射速度は毎分40発、最大射程29.5km

近接防御システムCIWSは、「はぐろ」が20ミリCIWS2基、発射速度毎分4500発、射程1490m

055型は30ミリガトリング砲が1基、発射速度毎分5800発、射程3000mと055型の方が上回っている。

垂直発射システム(VLS)は、「はぐろ」で使用されているMK.41が96セルなのに対して055型は、それを上回る112セルを搭載している。

「セル」とはミサイルの保管容器と発射筒をかねるケースのことをいう。

ミサイルは、「はぐろ」が弾道迎撃ミサイルとしてSM-3ブロック2Aミサイルの運用が可能なのに対して055型は、この種類のミサイルは搭載していない。

対空ミサイルは、「はぐろ」はSM-2を搭載しており、将来的に性能向上型のSM-6も運用予定である。

SM-6は対空、対艦、終末段階における弾道弾迎撃という3つの任務を行うことが可能なミサイルで射程は300km以上である。

055型の対空ミサイルの射程は200km、また別にHHQー16Bという超低空を飛んでくる対艦ミサイルを迎撃するミサイルも搭載している。

対空ミサイルにおいては「はぐろ」の方が優れているといえる。

対艦ミサイルとして「はぐろ」はSSM2と呼ばれる17式艦対艦誘導弾を搭載している。

アクティブレーダーホーミンング方式で中間誘導にGPSが加わっており航法精度が向上している。

055型の方はYJ-18という対艦・対地巡航ミサイルを搭載しており、射程は約540kmである。

「はぐろ」が対艦攻撃のみに特化したミサイルなのに対して055型は対艦、対地両方を攻撃可能な長距離巡航ミサイルであることから、055型に分があると言えるだろう。

055型駆逐艦の今後

今後、055型駆逐艦は中国空母機動部隊の艦隊防空の任務を行うことになる。

055型の防空能力は海自のイージス艦なみの能力を持っているものと考えられる。

現状、対艦攻撃が可能な自衛隊の航空機はF-2及びF-35の二機種となる。

しかしステルス機をも捉えることのできるレーダーを持っているとされている055型に、非ステルス機のF-2で攻撃をしかけるのは危険極まりない。

F-35に搭載予定の射程約500kmのJSM(ジョイントストライクミサイル)での攻撃が必要になってくるだろう。

しかしこれでも十分とは言えず、さらに射程900kmの長距離対艦ミサイル「ロングレンジASM」の導入が必要になるであろう。

当初はF-15を改修し、このミサイルを搭載する予定であったが、改修費用が予想より大幅に増えることがわかったため一旦見送りとなっている。今後の展開が注目されるところだ。

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