海上自衛隊の最新潜水艦「たいげい型」を輸出か?カナダ海軍が欲しがる4つの理由
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カナダ海軍では、老朽化した現行艦隊の更新が急務とされており、新型潜水艦の導入を積極的に検討している。

その中で、特に注目されているのが、リチウムイオン蓄電池を採用し、長時間の潜航が可能で、静粛性にも優れる「たいげい型」潜水艦で探知を避ける高度な技術を備えており、728億円の予算をかけて建造された。

対して、韓国海軍KSS-III級も候補に挙がっている。

今回は、北極海でのロシアや中国の活動に対抗するために、カナダがどちらの選択をするのか、その進化した技術と戦略的重要性を解き明かしていく。

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日本の最新鋭「たいげい型」潜水艦 カナダ海軍の次期主力艦になるか?

カナダ海軍の潜水艦運用の歴史は、日本海軍の潜水艦運用開始よりも古く、第一次世界大戦が始まる以前から運用されていた。

現在、カナダ海軍はイギリス製ヴィクトリア級通常動力型潜水艦4隻を運用中である。

これらの潜水艦は、もともとイギリス海軍で1990年代に就役し、中古購入後にカナダで再就役させられたものだ。

ただし、実際の艦齢は既に40年近くに及び、多くの技術的問題や事故に見舞われている。

しかしながら、カナダ海軍の潜水艦は、4隻すべてが作戦行動を行えない状態にあったことが明らかにされ、一時は「海にいるよりもドックで修理している期間のほうが長い」と揶揄されるほどであった。

電力システムの故障で6年間ドックに留まったり、耐圧殻の腐食や船体の溶接不良で5年間ドックに留まるなど、運用上の困難が絶えなかった。

このような背景から、カナダ海軍はヴィクトリア級の更新として新型潜水艦の導入を検討している。

最低でも8隻、理想的には12隻の潜水艦を調達したいと政府に働きかけているのだ。

この更新計画の背後には、潜水艦の運用サイクルがある。

1隻を常に稼働可能な状態に保つには、短期および長期の整備が必要な他の艦を考慮に入れる必要がある。

さらに、カナダは太平洋と大西洋の両方に面しており、それぞれの海域で最低2隻ずつの潜水艦を常時展開させる必要があるため、少なくとも4隻が稼働状態にあることが望ましい。

この潜水艦更新プロジェクトは、カナダ海軍の戦略的能力を維持し、強化するための重要なステップである。

老朽化した潜水艦を更新することで、より高い運用効率と戦術的柔軟性を確保し、将来的な脅威に対して適切に対応できる体制を整えることが目指されている。

北極海でのロシアと中国海軍の活動が増加する中、カナダ海軍はこれに対抗するため、次期潜水艦の導入を急いでいる。

その能力として次の4つが必要とされている。

① ディーゼルエンジン、発電機、バッテリーを搭載した通常動力型

② 長距離航行能力

③ 北極海での運用能力

④アメリカ製兵器および戦闘システムの搭載が可能

これらの要求を満たす潜水艦として、特に注目されているのは、日本の海上自衛隊が運用る最新鋭の「たいげい型潜水艦」である。

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世界初のリチウムイオン蓄電池を採用しており、従来鉛蓄電池よりも2倍以上のエネルギーを生み出し、その結果、潜航能力が大幅に向上している。

海上自衛隊が新たに就役させた「たいげい型」潜水艦は、探知を避けるための高度な技術が特徴だ。

この潜水艦は三菱重工業神戸造船所で建造され、728億円の建造予算をかけ、2022年3月9日に就役した。

そうりゅう型潜水艦の後継として設計されたが、外観はほぼ同じに見えるものの、多くの点で大きく進化している。

新型ソナーシステムの採用や、戦闘管理システムを通じて情報を最適に活用できる設計が施されており、艦内区画も大きく見直されている。

さらに、女性自衛官の勤務を考慮し、居住区には仕切りを設けた女性用寝室や、プライバシーを保護するカーテン付きのシャワー室が設置されている。

日本の潜水艦輸出は国際的に高い期待を集めており、特にカナダが計画する次期潜水艦プロジェクトへの参画に向けて、政府と企業が一丸となって取り組む必要がある。

また、日米間の密接な協力関係により、アメリカ製のシステムの搭載もスムーズに行るとされている。

「たいげい型」の最大の競争相手は、韓国海軍の「KSS-III級」潜水艦だ。

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海上自衛隊と韓国KSS-III級の性能差とは?カナダ海軍の選択肢

この潜水艦は韓国独自設計によるもので、水中最大速力20ノット、乗員約50人で、弾道ミサイルや巡航ミサイを発射できる垂直発射管を装備している。

このKSS-III級は、探知が困難であり、戦略的意義が高い潜水艦発射弾道ミサイル (SLBM) 保有を目指している。

一方、海上自衛隊の潜水艦には潜水艦発射弾道ミサイルの装備はない。

この性能差をカナダ海軍はどうとらえるだろうか?

たいげい型との性能比較をこのようになる。

カナダ海軍の要件には、数ヶ月間の連続運用能力と北極圏での長距離航行能力が求められており、 韓国のKSS-III 級潜水艦がこれらのニーズを満たす可能性がある。

しかし、 韓国の潜水艦建造歴は比較的浅く、 国産化率も約70%と日本よりも低い。

また、 リチウムイオン蓄電池の搭載実績もない。

カナダ海軍の新型潜水艦選定プロセスは、北極海での戦略的なプレゼンスを保つという重要な目的を持っている。

ロシアや中国のような国々の動向に対抗するためには、高性能かつ多機能な潜水艦の導入が必要不可欠である。

これにより、カナダは自国の海洋領域を有効に監視し、必要に応じて迅速に対応する能力を高めることが期待される。

カナダ海軍にとって、次期潜水艦は単なる軍事装備の更新以上の意味を持っており、国際政治の舞台でのカナダの立場を強化する重要な要素となる。

このためには、国内外の政府や企業との連携と、技術的な優位性を持つ潜水艦の選定が急務となっている

カナダが候補として挙げる国々は日本のほかに韓国、フランス、ドイツ、スペイン、スウェーデンとなっており、その中でも「たいげい型」潜水艦はその長距離航行能力、優れた潜航能力、静粛性から特に注目されている。

日本の潜水艦の運用と建造における長い伝統も、国際市場での信頼性を高めている。

これらの技術的な優位性と組み合わせた外交努力が、カナダの次期潜水艦プロジェクトにおいて日本の潜水艦が選ばれる可能性を高めている。

カナダ海軍専門誌にも次期潜水艦の有力候補として「たいげい型」が挙げられていることから、その期待の大きさがうかがえる。

日本がこのチャンスを生かし、 国際舞台でのプレゼンスをさらに高めるためには、 これからどのような戦略を展開すべきだろうか?

興味深い展開が期待されることは間違いないだろう。

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日本の潜水艦輸出戦略とスパイ活動の影響 日本の潜水艦は適合するか?

日本も潜水艦の国際市場でのプレゼンスを高めようとしているが、 潜水艦輸出には法的な見直しや特例が必要とされる。

三菱と川崎の両社には輸出経験がなく、 防衛機密の漏洩を避けたいという強い意向があるため、輸出に向けた意思が十分には固まっていない。

これがオーストラリア向け潜水艦輸出競争での遅れと敗北の原因の一端を担っていることが明らかだ。

オーストラリアが自国内での潜水艦建造にこだわった背景には、スパイ活動への懸念があった。

日本もこの点を非常に重視しており、三菱と川崎の両社は情報漏洩のリスクを懸念している。

もし当時、日本国内での建造にオーストラリアが同意し、 日本の政官民が協力して輸出を推進していたならば、 オーストラリア海軍は現在、 「そうりゅう型」潜水艦を運用していた可能性が高い。

カナダの場合も、潜水艦の調達に関しては、国内での建造か供給国での建造かが流動的である。

情報保全の観点から見れば、 神戸での建造が望ましいが、 それにはカナダとの間に厳格な情報保全協定が必要となる。

多くの国が機密管理と海外輸出を両立させており、日本の経験不足が懸念を招いている可能性がある。

防衛装備品の輸出には避けて通れない課題であり、一切のリスクを許容しない姿勢は、 もし維持するならば、 海外輸出からは手を引くべきである。

さらに、新型潜水艦の調達には複数の課題が存在する。

カナダ海軍は現在、4隻分の乗組員育成にも苦労しており、将来的には12隻分の乗組員を確保する必要がある。

また、インフレによる基本的な生活必需品の価格高騰の中、 12隻の新型潜水艦への投資を政府に説得するのも一つの大きな課題である。

新型潜水艦の調達には最低でも15年、戦略によっては最大25年かかる可能性が示されている。

これらの情報を踏まえ、カナダやオーストラリアといった国々が次期潜水艦調達にどのような戦略を取るのか、そして日本がこれにどう対応するかは、地政学的なバランスに大きな影響を及ぼすだろう。

興味深い事実がこれからも明らかになるに違いない。

次の動画では、世界屈指の能力を誇る「たいげい型」潜水艦の秘密に迫る。

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