【空母の生活】6000人が暮らす艦内の「意外な設備」と乗員の娯楽
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全長330m、その長さは東京タワーを横にした長さとほぼ同じサイズである。

アメリカ海軍の空母ニミッツ級は世界でもっとも大きい航空母艦である。

その乗組員はパイロットなどの航空団や司令部を併せると6000人にも達する。

海上自衛隊の護衛艦の乗員は1隻あたり200人前後なので、なんと30隻分の乗員が1隻に乗り組んでいる計算になる。

6000名の乗員の平均年齢は20代と若く、入隊して最初の配置が空母という者も少なくない。

空母の行動範囲は広いため、海軍に入隊したおかげで初めて外国の地を踏むという若者も多い。

幼い頃からアメリカという自由の国で育ってきた彼らが規律の厳しい海軍に入隊し、さらに空母という制限された空間で耐えられるように艦内は、いろいろな工夫がされている。

しまかぜ

動画でも巨大な空母の艦内にスポットをあてて、航海中の生活や艦内設備娯楽について解説するよ

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空母の艦内生活と様々な設備

軍艦に限らず船舶は飛行機のように数時間で目的地に到着することはほとんどない。

飛行機なら8時間で到着するハワイも10日以上の航海日数がかかる。

航海中は昼も夜も常に動いているため、空母では通常3交代制で勤務を行っており、配置によっては4交代制の部署もある。

1回のシフト時間は3~4時間で、訓練も行われるため、場合によっては休憩時間でも訓練に参加しなければならないこともある。

乗員は1区画20人ほどの大部屋でベッドも2段~3段であるため、プライベートな空間はほとんどないといえる。

幹部である士官の寝室は2人部屋で2段ベッドになっており、士官が集まる専用の士官室は艦内に3つあり、そこで会議などが行われる。

330mを超える巨大な空母であるが、それは航空機のためであって乗員6000人ともなれば、客船のようなプライベートな部屋を与えられることはできない。

シャワーやトイレは区画の近くに設けられており、士官のシャワー室はカードキーがなければ入ることができないようになっている。

洗濯物については、部屋の番号と名前が記入された専用のネットにいれておけば、洗濯担当の者が回収にきてくれ、士官の制服はアイロンもしっかりかけられた状態で戻ってくる。

艦内で出たゴミは専用のゴミ処理システムにかけられ、海洋法で投棄可能な種類のゴミは処理後に海に放出するが、ペットボトルやプラスチック、ビニールなど自然に戻らないゴミはプレス機で圧縮して港で陸揚げするようになっている。

ところで、空母における乗員たちの楽しみといえば、やはり食事だろう。

食事のメニューや味は乗員たちの士気にもつながるため、調理員たちはおいしい食事を提供できるように工夫をこらしている。

6000人分の3食分の食事と夜食をあわせると、調理員は1日2万食近い食事を作っている。

朝は卵料理やパンケーキ、フルーツ、昼はハンバーガー、チキン、パスタ、夜はステーキやハンバーグなどの肉料理が中心である。

メニューはメキシコ、エスニック、中華などレストランと変わらないクオリティーである。

ジュース類の飲み物はドリンクバー方式で自由に飲めるようになっているほか、スターバックス「空母カールビンソン店」もある。

また、実戦や夜間訓練などがある場合、夜食も追加されることがあり、サンドイッチやパスタなどの軽食が提供される。

訓練や作業で食事ができない者のためにランチパックで配られることもある。

そのほか、売店ではお菓子やジュース、カップラーメンなども購入できる。

売店はコンビニのような配置になっており、食料品のほか日用品なども購入することができる。

支払いはネイビーキャッシュと呼ばれるキャッシュレス式となっている。

下士官の食堂はショッピングモールのフードコートのような作りで大人数が同時に食事をすることができる。

士官は専用の部屋に4、5人の円テーブルが設置され、部屋には絵画や写真などが飾られており、レストランのような雰囲気となっている。

また、艦内には礼拝室もあり、軍人の牧師が乗艦して宗教ごとに別々の礼拝説教が行われるため信仰深い乗員は参加することができる。

一方、乗員6000人ともなれば、航海中に病気になったり、けが人が発生したりすることもある。

医務室では手術やレントゲンも可能で、眼科、耳鼻科、婦人科などの医師12名とスタッフ40名がほぼ全ての医療を担当する。

さらに空母と揚陸艦には軍人歯科医も5人乗艦しているので、長い航海中に虫歯になっても艦内で治療することが可能である。

法務部門では艦内で発生した事件や個人の法律相談のほか、作戦が法律的に問題あるかどうかを司令部に助言する。

長い航海となれば、もちろん散髪も必要になってくる。

空母には専門の理髪師が乗艦しているため、戦闘艦艇のように器用な乗員が仲間の髪を切るようなことはなく、陸上の理髪店と代わらない設備で散髪をすることができる。

また、女性隊員のための美容院も完備されている。

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空母の娯楽と寄港地

船乗りにとって大切なのはストレスを発散させるための娯楽である。

狭い艦内で数週間から数ヶ月も生活するためには娯楽は重要なアイテムである。

各区画にはテレビがあるが、洋上に出てしまえば電波は入らないため、番組は衛星放送やメディアチームが作成した専用の番組、DVDなどの映画のほか、テレビゲームをすることもできる。

もちろん携帯電話も洋上に出てしまえば使えないため、ネットやSNSを使用することはできない。

ただし空母にはインターネット区画があり、決められた時間であれば使用することができるので、家族とメールをすることも可能だ。

ただし、空母の作戦行動に関する内容などを送ることは禁止されている。

インターネット区画の隣には図書室があり、読書好きの乗員は多くの本を読むこともできる。

また、ラウンジでは大型テレビで映画などが放送されている。

ただラウンジといっても喫煙は禁止のため、タバコが吸える場所は艦外の決まった場所のみとなる。

空母の火災原因はタバコの火が多いため、喫煙場所についてはかなり厳しく制限されている。

また、飲酒については禁止となっており、売店でも販売はされていない。

しかし、酒類の搭載はしている。

その理由は寄港地などで政府のVIPや外国海軍の高級幹部が乗艦した際、会食時にワインやウイスキーを出すためであり乗員たちが飲むためのものではない。

ところで、空母は母港を出港してから帰ってくるまで、ずっと洋上にいるわけではなく、海外の港に寄港しながら行動する。

そのときは、乗員たちも羽を伸ばして海外旅行気分で寄港地を楽しむことができる。

初めての海外に喜ぶ若者達も多く、寄港地で家族に買ったお土産などは空母の郵便担当者がアメリカ本土に送る手続きを行う。

士官であれば、本土から家族を呼んで一緒に寄港地を楽しんだり、ツアーに参加したりすることができる。

若い乗員は久しぶりの上陸で羽目を外しすぎて、二日酔いや急性アルコール中毒になる者もいれば、酔いつぶれて行方不明になり出港時間に間に合わない者もいる。

作戦行動中は、たった1人を待つわけにはいかないため、やむなく出港するが、乗り遅れた乗員は大使館や領事館との調整により輸送機で空母に帰ってくることとなる。

その後、上官から厳しいお灸をすえられることは言うまでもない。

また、任務のため寄港地に入港できない場合には、広い飛行甲板でバーベキューやスポーツ、音楽イベント、海水浴なども行われる。6000人も乗員がいれば、かなりの腕前を持つ者もおり、趣味を披露することができる。

また、艦長次第では、バーベキューでアルコール類を飲むこともできる。空母にはビールは搭載されていないため、その場合は補給艦から洋上移送で送られる。

また、シフトや訓練時間以外は広い甲板をジョギングしたりトレーニングマシーンで体を鍛えたりでき、格納庫でバスケットなどの球技を楽しんでストレスを発散できる。

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    第一線で活躍する空母

    日本は現在空母を保有していないが、横須賀を母港とする第7艦隊のアメリカ空母が常に1隻配備されている。

    護衛艦「いずも」と「かが」の空母化改修が終われば、日本も軽空母を持つ国になる。

    ニミッツ級のような乗員3400名、航空団2500名、司令部100名という6000人の乗員の命を預かる特殊な空間で生活していくため、空母には各所にいろいろな設備があり、厳しい環境でも乗員のストレスを軽減できるようになっている。

    実戦や訓練といった厳しい職場環境ではあるが、世界中の寄港地で見聞を広め世界観を養うことができるのは空母の大きなメリットといえるだろう。

    また、アメリカの安全保障に貢献するため第一線で仕事をしているというプライドも彼らのモチベーション維持の1つとなっている。

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