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中国初の空母「遼寧」(りょうねい)に続き、2019年12月17日、初の国産空母「山東」(さんとう)が就役した。
1隻目の遼寧についてはウクライナから購入した空母を改修したものであるが、山東は純粋な中国産空母である。
さらに3隻目も建造中という情報があり、空母の保有を急ピッチで進めている。
中国空母の実力はどの程度のものなのだろうか?
今回は、中国が初の国産空母である「山東」の試験航海と3隻目の建造、また中国が抱えている問題について解説していこう。
中国初の国産空母「山東」の解説動画も最後に見てね!
中国空母「遼寧」と「山東」の違い
遼寧と比較するとサイズは 305mから315m に一回り大きくなっており、満水排水量は 59000トンから67500トンに増えている。
この理由としては、J-15戦闘機の搭載数が 24 機から36機に増加したことだ。
格納庫には戦闘機、ヘリコプターを合わせて40機前後搭載できる能力がある。
また、艦首部分に傾斜がついた特有のスキージャンプ式の発艦であるが、この角度が遼寧は14°であったが、山東は12°になっている。
これは滑走路が10m長くなったことにより艦載機の加速距離が上がったことが理由であろう。
遼寧の場合、滑走路が短く十分な加速ができないため、安全に発艦させるには艦載機自体の重量を軽くしなければいけない。
そのためには弾薬や燃料を40%カットする必要があると報じられていることから、航空機の運用にはかなりの制限があるようだ。
艦載機の能力制限の他にも、実際のところ中国はJ-15戦闘機を20機しか保有しておらず、古いレーダーと操縦装置に不具合があり、現在生産も停止されている。
そのため、遼寧と山東の2隻体制の場合、艦載機は10機ずつという何とも心細い戦力になってしまう。
これでは宝の持ち腐れといわれても仕方がない。
ちなみにアメリカ海軍のニミッツ級空母の標準搭載機数は固定翼52機、ヘリコプター15機となっている。
ただ、中国メディアによると J-15戦闘機は50~60機保有していると報じているが定かではない。
飛行甲板上は遼寧と比較すると 18 機から 20 機以上の運用に向上しているが、載せる航空機の数が足りない。
サイズが大きくなったとはいえ、10万トンを超えるアメリカ海軍のニミッツ級やフォード級と比較すると一回り小さい印象だ。
空母「山東」による試験航海で不具合発覚!
2018年4月、試験航海のため出港した山東は海外からの注目度も高く、複数のメディアがこの姿を報道した。
試験航海では、空母の基本システムを試験するものであり、通信系、動力、レーダー、ダメージコントロールなど、長距離航行はせず、近海で行うものだ。
航海から戻った直後に、ドライドックに入っており、試験航海に使用する海域を航行禁止区城に設定していた日付を1週間延期したことも発表。
米国メディアは推進装置等に重大問題があったと報道しているものの、中国国営メディアはその理由については一切報道していない。
2018 年には就役するといわれていたが、2019 年になってもまだ未完成のまま部隊に配備される基準にいたっておらず、国産初の空母の運用試験に手こずっているようだ。
3隻目の建造開始!加速する中国の空母建造
山東に続き、2017年3月、中国は上海江南造船所で2隻目の国産空母の建造を開始。
2番艦の電子装備品の試験は、新型コロナウイルスで一躍有名になった「武漢」にある、空母技術陸上試験場で行われている。
2番艦からは、遼寧や山東のように甲板に傾斜をつけたいわゆるスキージャンプによる発艦ではなくアメリカ海軍と同様の蒸気式カタパルトによる加速で艦載機を発艦させる構想である。
アメリカ海軍のフォード級のように、最新の電磁カタパルトを装備するのではないかという推測もあったが、技術的な問題から蒸気式カタパルトを採用すると見積もられる。
現在の進捗状況から、2021年ころには部隊に配備される可能性がある。
船体も大型化され 9万トン近くになるといわれており、スキージャンプ台の廃止と大型化により艦載機の搭載数はさらに増える見込みだ。
ただ、艦載機の数とパイロットの数がまったく足りておらず、中国はパイロットを中国海軍ホームページで募集している。
中国は艦載機用パイロットには極めて高い技術と厳しい条件を求めており、その基準をクリアするパイロットはまだまだ少ない状況だ。
パイロットの募集内容は4500人の中から1400人まで絞りこまれ、最終選考に56人が抜擢されるという難関である。
晴れて合格したパイロットは空母の艦載機を操縦することとなる。
中国空母の実力 まとめ
中国は2030年までに4隻の空母打撃群を運用することを目的としており、最終的には遼寧を含め6隻体制を計画している。
2019年5月にアメリカの衛星がとらえた画像によれば3隻目の建造が始まっているようだ。
まだブロック状態で艦艇の形には程遠いが、就役まで急ピッチで進めることが見積もられる。
画像サイズから分析してサイズは80000トン前後で、就役予定は順調にいけば2022年ごろになるといわれている。
分析画像から3隻目からは、発艦装置はカタパルトを使用すると予想され、遼寧の艦載機問題が解消され、中国海軍の戦力を向上させることになるだろう。
就役して部隊に配備された後は、主に西側のインド洋、アフリカ、欧州に対しプレゼンスを示すために運用されると可能性が高い。
さらに5隻目からはロシアから入手した原子力空母「ウリヤノフスク級」のデータをもとに、アメリカに対抗すべく、原子力空母の話も出ているが実際のところ技術的、政治的問題もからむことから、実現は極めて難しいようだ。
しかし、もし中国が原子力空母を運用できるようになったとしたら、行動海域は一気に広がる可能性がある。
アフリカ周辺海域やペルシャ湾、アラビア海など欧州を含めた広いエリアで他国に中国海軍のプレゼンスを示すことが可能になるだろう。
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