タリバンとアルカイダの違い

「戦争映画」は、ただ国同士が争う映画ではない。

迫力ある戦闘シーンだけでなく、涙なしには語れない数々の人間ドラマがある。

数ある戦争映画の中でも、今回は実話を元にしたエピソードのみを厳選して紹介する。

一度は見ておきたい実話の戦争映画5選!

「主要都市が1週間で陥落した予想外に迅速で比類のない勝利だ!」

アフガニスタンから米軍が撤退して瞬く間に、タリパンが首都カブールを制圧し、その政治部門トップのバラダル師がビデオ声明を発表した。

アフガニスタンは米軍が約20年にわたり駐留し、政府と軍を支援して治安の維持を行ってきた。

アメリカはアフガニスタンが国として自立し、自分たちだけで国民を守れるように支援してきた。

その間、アメリカは約110兆円以上の支援を行い、犠牲者は他国を合わせると約3500人以上にも及ぶ。

6万人のタリバンとの衝突を避けるために、アフガニスタン政府軍30万人は蜘蛛の子を散らすように隣国のタジキスタンへ逃亡した。

ガニ大統領は現金を詰めた車4台と一緒に脱出しアラブ首長国連邦に避難している。

米軍が20年間という長い期間を費やし多くの犠牲が出たにも関わらず、アフガニスタン政府と軍は、ほぼ機能していなかったのだ。

長い間、テロリズムの温床、紛争が絶えないという印象強いアフガニスタン。

なぜタリバンは国を占領しようとするのか?

テロの目的や動機はなんなのか?

今回は、タリバンの目的とアルカイダとの違い、なぜテロリストになってしまうのかについて解説していこう。

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タリバンとアルカイダの違い

タリバンとアルカイダ

中東情勢の報道で、「タリバン」や「アルカイダ」という言葉をよく耳にするが、いったいタリバンとは何者なのか?

またアルカイダとの違いや関係性はどのようになっているのだろうか?

タリバンとはアフガニスタンのパシュトー語で「学生」を意味する。

ソビエトとアフガニスタンの戦争により、難民となった子供たちをパキスタンがうけいれアフガン難民キャンプで育ったことが始まりである。

のちに最高指導者となるオマル師の夢に預言者「ムハンマド」が現れ「武装蜂起し、味方を助けよ」というお告げがあり、1994年、30名ほどの教え子でタリバンが結成された。

生徒たちは「マドラサ」と呼ばれるイスラム神学校で、軍事や神学を徹底的に教育される。

この時点で過激派の思想を洗脳し、イスラム原理主義の教育が行われた。

タリバンはイスラム教の教えを厳守し、服装、写真や音楽、テレビなどの娯楽禁止、10歳以上の女子が学校に通うことも禁じていた。

人権を無視したやり方に国際社会から大きな批判をされるが、同じイスラム教のパキスタンやサウジアラビアの情報機関の支援を受けながら、その勢力を拡大していった。

タリバンの戦闘員は最大8万5000人にも及ぶ。

イスラム国家を守るために、多くの武器を手にし、兵士たちを育て上げたのだ。

そして、1996年に9.11テロの首謀者であるウサマ·ビン·ラディンを客人として受け入れ、テロリストを養成する訓練キャンプの設置や、麻薬の密輸などで資金を獲得する。

当時、アフガニスタンで生産される「ケシ」は世界の生産量の4分の3にものぼり、テロリストが使用する兵器の資金源になっていた。

そして、2001年9月11日、アメリカの世界貿易センタービルで同時多発テロが起きた後にも、タリバンはビンラディンを含むアルカイダ幹部をかくまい、引渡しを拒否した。

それがきっかけでアメリカはアフガニスタンを軍事攻撃し、2001年、10月7日、アメリカ軍を中心とした連合軍がアフガニスタンへの軍事攻撃を開始。

アフガニスタンで政権を握っていたタリバンは連合軍の軍事攻撃により、約2か月後にはタリバンは崩壊した。

しかし、この時、最高指導者のオマル師やアルカダのビンラディンなどの重要人物は攻撃から逃れた。

その後、タリバンはアメリカと交渉し、米軍への攻撃を止めると宣言。

さらに、過激派組織アルカイダによる支援も認めないという内容も約東した。

しかし、タリバンの影響力は強く、崩壊したあとも、独自の過激組織を結成し、アフガニスタン軍や市民への攻撃を続け、その勢力を徐々に拡大していったのだ。

最高指導者であるオマル師は2013年に病死しているが、オマル師の右腕であったナンバー2のアクンザダが最高指導者を継ぎ現在もトップに座している。

タリバンの目的はコーランの教え通りに政治を行うこと、つまりイスラム原理主義国家をつくることである。

コーランとはキリスト教でいう聖書のことであり、預言者ムハンマドが神から受けた内容が数千ページにわたって記されている。

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アルカイダとはどのような組織か?

タリバンとアルカイダ

アルカイダは1988年に創設者である、ウサマ·ビン·ラディンとモハマダ·アティフによりパキスタンで設立された組織である。

そのきっかけとなったのが、1979年に旧ソ連がアフガンを攻撃した戦争である。

この戦争で、イスラム国家を守るためにビン·ラディンをはじめ、世界中から数万人のイスラム教徒たちが集まってきた。

自分たちの国を守るために、武器をとり、兵士を集めたのが「アルカイダ」の始まりである。

アルカイダ

この戦争が終結して、自国の治安維持のために結成されたのがタリバンであり、当初は自警団のような存在であった。

ソビエトがアフガニスタンから撤退したあともビンラディンを中心とした集団は各地でジハード(聖戦)を継続し、1988年に創始者であるビンラディンがアルカイダを結成。

ビンラディンはパキスタンの隠れ家で米軍の特殊部隊に殺害される2011年までアルカイダの司令官を務めていた。

アルカイダはタリバンに爆弾の製造や攻撃法を教え、戦闘員の訓練も行っており、その関係は23年以上続いている。

アルカイダは軍隊のように階級などは存在せず、明確な構成員も不明であり、地域ごとにイスラムを守るため自主的に集まった集団である。

ビンラディンの自宅を襲撃した際に押収した文書によれば、中核となる構成員は170名と記載されていた。

そして40か国に千人前後のアルカイダを潜入させていたという。

過激派組織と呼ばれることから、過去に数々のテロをおこしている。

スペイン列車爆破、ロンドン同時爆破、アメリカ同時多発テロ、アメリカ大使館爆破、日本人青年殺害、フィリピン航空爆破などがあり、これらのテロにより日本人乗客や観光客も死亡している。

さらに旅客機同時爆破や小型機をアメリカ国会議事堂に突入させる計画も立てられていた。

日本では2002年FIFAワールドカップでのテロ計画が練られていたが、日本にはイスラム教徒が少なく、協力者がいないことから白紙となったが、アルカイダ幹部が偽造旅券で日本に4回入国

しており、新潟に潜伏していたことが発覚している。

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なぜテロリストになり過激なテロを起こすのか?

まず、勘違いしてはいけないのが、「イスラム教=テロリスト」ではなことだ。

イスラム教は世界に約17億人もの教徒がおり、イスラムの教えが「過激思想」ならば、世界の4人に1人がテロリストということになる。

17億人中、戦闘員は3万人から5万と言われており、少数が過激なテロや攻撃を行っているのだ。

逆に言えば、ほとんどのイスラム教徒はテロなど起こさずに、平和に暮らしているのである。

アフガニスタンやパキスタンなどの国では日本のように豊かな教育ができない。

小学校の中退率はなんと5割にも達し、教師においてもそのレベルは低い水準である。

4割以上の人々は文字を読み事ができないまま大人になっていき、その大人の子供ももちろん同じ道をたどる。

文字が読めない大人は、仕事を選ぶことができず、安い賃金で働かされ、いつまでたっても貧しい生活が続くのだ。

イスラムの教えしか知らない貧しい者たちは、だんだんと不満をためていき、行きつく先がイスラム原理主義の集団タリバンやアルカイダである。

なぜ過激なテロ起こすかであるが、その原因は「不満と恨み、妬み」である。

不満がたまって八つ当たりで物を壊すという行為が過激化していき、市民を巻き込むテロとなるのだ。

ビンラディンがアメリカでテロを起こした原因も、イスラムの聖地に勝手に米軍基地を作られたことが原因なのだ。

イスラム教は熱心な信者が多く、幼いころからその教えを守ってきた。

尊いイスラムのため、自分たちの聖地が荒らされることは許せず、彼らからすれば「正義の戦い」まさに「聖戦」だったのだ。

タリバンとアルカイダ まとめ

「政治が宗教を利用する」つまり独裁国家である大統領や国家元首が民主化を拒否する理由として「イスラム教が禁じている」という理由で、自分の都合のいいように宗教を利用しているのだ。

現在の状況では、アフガニスタンが今後、再び国際テロ組織の温床になる可能性は高いだろう。

その理由として、20年以上もの間、米軍が駐留していたにも関わらず、タリバンやアルカイダを根絶させることはできなかった。

戦争は国と国との戦いであり、相手の国が機能しなくなった時点で勝利が決まるが、はっきりとした姿がなく湧いて出てくるテロリストに対しては報復が効かない。

米軍のいない今、タリバンが政権をにぎることで、アフガニスタンはテロリストの活動が一層活発になるだろう。

「戦争映画」は、ただ国同士が争う映画ではない。

迫力ある戦闘シーンだけでなく、涙なしには語れない数々の人間ドラマがある。

数ある戦争映画の中でも、今回は実話を元にしたエピソードのみを厳選して紹介する。

一度は見ておきたい実話の戦争映画5選!