Amazonのオーディオブック12万タイトルの本を好きなだけお楽しみいただけます。・本の1冊分の月額で聴き放題
・料金をメリットが上回る
・いつでも読書できる
・読書量が格段に増え、積読が解消される
・長時間の読書も目が疲れない
・聴くたびに学びを感じる
韓国海軍の主力イージス艦「世宗大王」(セジョンデワン)。
アメリカ海軍のアーレイバーク級フライト IIA (ツーエー)をモデルにしており、国産の巡航ミサイルを搭載しているイージス艦である。
全長は165.9m、満水排水量は10455 トンで、海上自衛隊の「あたご型」 イージスと、ほぼ同じサイズである。
なお、3番艦の「 西厓柳成龍(ソエ・リュ・ソンニョン)」は2012年の航海中に、水中の浮遊物に衝突して艦首部分のソーナーと呼ばれる音波探知機の保護カバーを破損するという事故を起こしている。
韓国海軍は、今後、弾道ミサイル迎撃が可能となるBMD能力の付加を検討しているが、何かと戦力の未熟さが指摘されている。
今回は、韓国海軍のイージス艦の性能や弾道ミサイルを見失った失態、また次世代イージスについて解説していこう。
韓国海軍のイージス艦の性能や不具合を動画でも解説してるよ!
韓国海軍新型イージス3隻追加か?
2008年から2012年の間に、韓国海軍は「世宗大王」級イージス艦を3番艦まで建造した。
さらに2016年には、アメリカ、ロッキードマーチン社が韓国に対し、次世代イージス3隻の技術提供をする契約を結んだことを明らかにした。
計画通りに建造されれば、韓国海軍は合計6隻のイージス艦を保有することとなり、海上自衛隊の8隻体制についで多い国となる。
この計画は、2028年までに約3720億円を投入して新型イージスを追加するものである。
韓国防衛事業庁は、この計画について「海外紛争に対応し、海外平和維持活動に参加。 対空、対潜能力が向上した艦艇を建造する」と報じたが、北朝鮮の核保有やミサイル攻撃に対抗するという内容は一切含まれていなかった。
アメリカ海軍や海上自衛隊の「まや型」など、次世代イージス艦は、対空戦と弾道ミサイル迎撃が同時に可能なスペックとなっている。
従来のイージス艦であれば、対空ミサイルSM-2 で向かってくるミサイルや敵航空機を撃墜し、弾道ミサイル迎撃用のSM-3で発射された弾道ミサイルを大気圏外で迎撃する。
しかし、次世代イージス艦では、その2つのミッションをSM-6という新型ミサイルで可能になる。
さらに対艦攻撃も可能であり、1つのミサイルで3つのミッションをこなすことができるようになる。
「まや型」においては、現在SM-6は搭載していないが、そのスペックは持ち合わせており、将来装備予定とされている。
韓国の次世代イージスは搭載ミサイルをSM・3かSM-6のどちらにするかを検討している。
では、現在主力となっている「世宗大王」級イージスの能力がどの程度なのかをみていこう。
韓国イージス艦の性能とは?
1998年8月31日、北朝鮮が弾道ミサイルを発射し、わが国の上空を超えて太平洋に向かい、三陸沖に落下した。
このとき、海上自衛隊の「こんごう型」 イージスの3番艦「みょうこう」が SPY(スパイ)レーダーにより、その飛翔物体を確実に追尾していた。
そのデータ分析から、1段目が日本海に落下、2段目以降は日本を飛び越えて三陸沖に落下したことが確認できた。
もし、「みょうこう」の追尾データがなければ、北朝鮮が報じた人工衛星の打ち上げという
主張を否定する材料はなかっただろう。つまり、「みょうこう」の活躍により、分離されたブースターや落下した物体から明らかに人工衛星ではないことが証明されたのだ。
その後も、北朝鮮は毎年のように、弾道ミサイルや短距離ミサイルを発射し、世界の批判を浴び続けた。
北朝鮮が弾道ミサイルを発射した2月7日、韓国海軍はその探知と追尾のため、飛翔コース近海に2隻のイージス艦を派遣していた。
韓国の中央日報が報じた内容によると、午前9時半に発射された弾道ミサイルは 6分後には、韓国海軍のイージス艦のレーダーから消えた。
突然のレーダーロストに戸惑う韓国海軍は、弾道ミサイルが途中で爆発してバラバラになったのではないかという憶測を立てた。
しかし、このとき、日米のイージス艦は弾道ミサイルをしっかりと捕らえ追尾していたのだ。
海上自衛隊は官邸を通じて、この追尾データを発表し、弾道ミサイルは5つに分離して、そのうちの4つの落下地点と、人工衛星と称する弾頭部分がどこに飛翔したかも全て報告した。
韓国海軍は、この事案の前にイージス艦の能力を自慢していた。
「1000km 圏内の弾道ミサイルは探知できる」
「500km圏内なら、同時に1000以上の目標を追尾できる」
「弾道ミサイル発射直後は、アメリカ、日本より速く、54秒で探知した」
などと誇示していた。
しかし、自慢しているのはアメリカ生まれのイージスシステムであり、自国で開発したものではない。
韓国海軍の自慢は、この弾道ミサイル追尾事案で砕け散ったのだ。
1000kmの追尾も可能と吹聴していたが、実際は半分にも満たない380kmで見失っていた。
これに対し、韓国国防部は「ブースター部分が分離され、弾頭部分だけで飛翔したため、レーダーの反射面積が小さくなり、今回は見失った」と弁明した。
勘のいい視聴者の方ならお分かりだろうが、当時のイージス艦が使用していた SPY レーダーは、日・米・韓とも同じアメリカ製で、どれも同じスペックである。
現に、日本とアメリカのイージス艦は確実に目標を追尾し、落下地点まで判明しているので、言い訳にはならない。
これらの事実から韓国の中央日報は「1隻1兆ウォン(約900億円)もするイージス艦は宝の持ち腐れだった」と報じているが、実際の原因はスペックではなく、レーダー操作員の技術不足であ
った。
韓国海軍に次世代イージス艦は必要か?
北朝鮮は、弾道ミサイルの発射を陸上からだけでなく、水中からの発射も可能な「ゴラエ」という潜水艦を保有している。
これにより、発射地点が不明になるため、迎撃される確立が下がることになる。
弾道ミサイルというのは、接続されているブースターにより加速して、一度大気圏外に出る。
計算された位置まで上昇した後、ブースターを切り離し、あとは地球の重力の力だけで、弾道を描き、超高速で落下してくる。
その落下速度はマッハ 10にもなり、秒速3kmにも及ぶ。
大気圏外まで飛ばすことで、グアムやアメリカ本土など、かなりの遠距離も射程に収めることができる。
それが弾道ミサイルである。
逆に言えば、近距離を狙う場合、わざわざ大気圏に出る必要はなく、通常のミサイルで攻撃した方が、高度も低く探知されにくくなる。
仮に北朝鮮が韓国を攻撃する場合、弾道ミサイルを使用せずとも通常ミサイルで攻撃が可能なわけである。
さらに言えば、ミサイルより射程の短い大砲でも北の国境から韓国ソウルに届くのだ。実際に、2010年に起きた延坪島(ヨンピョンとう)砲撃事件では、北朝鮮から大砲が撃ち込まれ、多数の死傷者が出た。
つまり、韓国海軍に弾道ミサイルを迎撃する能力を持つ次世代イージス艦は不要ということになる。
さらに言えば、アメリカ海軍の空母打撃群のように守るべき空母を保有しているわけでもない。
強襲揚陸艦「独島」(どくと)はあるものの、まともに運用できないほど設計ミスが多いのが事実だ。
海上自衛隊に対抗心をもち、見栄で購入したイージス艦では、その能力を持て余すのは当然である。
その結果、十分なスペックを持つにもかかわらず、使いこなすことができずに、弾道ミサイルを見失ったり、対空ミサイル SM-2の発射訓練では、目標と正反対の方向に飛んでいったりするなど、日本ではありえない失敗が2010年から続いている。
さらに、敵の魚雷の追尾をそらすための、デコイ弾と呼ばれる「おとり」を発射する際、さび付いており発射できないことが判明し大問題になった。
また、冒頭に説明したように、航海中に水中の浮遊物と衝突しただけで、ソーナーのカバーが破損しており、軍の指示としては「海中のゴミや浮遊物は全て避けながら航行せよ」というものであった。
韓国海軍イージス艦まとめ
韓国海軍は次世代イージスの契約を米ロッキードマーチンと結び、2023年から2027 年の間で就役が見込まれている。
新型イージスがSM-3 を発射できる能力を持つかは不明であるが、説明したように北朝鮮と韓国の距離を考慮すると弾道ミサイルをわざわざ撃ってくるとは思えず、オーバースペックではないだろうか。
韓国は、最も驚異の高い北朝鮮ではなく、脅威のない日本に対抗するために軍備増強を進めているようにもみえる。
今後、日本の軍備に対し韓国がどのように反応し、軍事力を増強していくのであろうか。
また、韓国海軍はイージス艦「世宗大王(セジョンデワン)」、潜水艦「孫元一(ソン・ウォニル)」級、強襲要揚陸艦「独島(ドクト)」において、重大なトラブルが続いている。
これは、人員、技術のどちらにおいても未熟であり、潜水艦においては改善も見られないまま2番艦、3番艦を建造し同じトラブルが発生するという事態になっている。
このよずさんな態勢を見直さない限り、韓国海軍の戦力は足踏みしてしまうだろう。
Amazonのオーディオブック12万タイトルの本を好きなだけお楽しみいただけます。・本の1冊分の月額で聴き放題
・料金をメリットが上回る
・いつでも読書できる
・読書量が格段に増え、積読が解消される
・長時間の読書も目が疲れない
・聴くたびに学びを感じる