世界最強のアメリカ【第7艦隊】が横須賀と佐世保を基地にする理由。
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世界最強で最大規模の艦隊。それがアメリカ海軍の第7艦隊だ。

西太平洋という広大なエリアを担当海域とする第7艦隊の任務は西太平洋に面した36カ国の地域の安全と安定を維持することである。

その総面積は12400万平方km、人口は地球上の約50%にも及ぶ。

7艦隊のシンボルである空母ロナルド・レーガンと11隻のイージス艦を横須賀に、3隻の揚陸艦を佐世保に前方展開して日本の防衛体制も担っている。

しまかぜ

動画でもアメリカ海軍の中でも最も重要とされ世界最強の第7艦隊について、その編成や日本に前方展開している部隊について解説するよ

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アメリカ海軍最大の第7艦隊

アメリカは世界中に海軍を展開させており、24時間以内に世界のどこでも攻撃が可能な態勢をとっている。

まず「ナンバード・フリート」と呼ばれる6艦隊について解説しよう。

フリートとは「艦隊」という意味で、つまり数字のついた艦隊を意味する。

まず大西洋全域を担当するのが第2艦隊である。

アメリカ西海岸から太平洋東側を担当する第3艦隊。

中南米とカリブ海を担当する第4艦隊、インド洋から中東を担当する第5艦隊、地中海を担当する第6艦隊、そして6つナンバード・フリートの中で最も広いエリアを担当する第7艦隊の担当

は、西はインド、北はベーリング海、南は南極(南氷洋)といった広大なエリアである。

7艦隊の司令部は神奈川県の横須賀基地に置かれており、ニミッツ級空母のロナルド・レーガンが母港としている。

7艦隊はイージス艦や揚陸艦、潜水艦など70隻、航空機150機、海兵隊員など20,000人を常時指揮下におく世界最強の艦隊である。

7艦隊の歴史は古く1943年から始まっている。

太平洋戦争では帝国海軍の戦艦「大和」や「長門」と戦い、大打撃を与えている。

戦後はベトナム戦争や朝鮮戦争にも参戦し、1973年、空母ミッドウエーが初めて日本に前方展開された。

空母と随伴艦の拠点が海外に置かれたのは、アメリカ海軍史これが初となった。

ミッドウエーはその後20年以上横須賀を母港としていたが老朽化による退役で1991年にインディペンデンスと交代した。

その後、1998年にキティホーク、2008年にジョージワシントン、そして2015年、ロナルド・レーガンに引き継がれ、約50年間、日本に第7艦隊の空母が配備されている。

ちなみに退役したミッドウエーは現在サンディエゴの岸壁に係留展示されており、自由に艦内を見学することができる。

キティホークはわずか1セントでスクラップ会社に売却された。

また、グアムに前方展開している原子力潜水艦4隻についても、横須賀や佐世保にたびたび寄港している。

さらに航空部隊においては海兵隊のF-35Bは岩国、オスプレイは普天間、哨戒機は三沢と嘉手納に配備され万全の態勢をとっている。

一方、第7艦隊は有事の際だけでなく、2004年に起きたスマトラ沖地震、2011年の東日本大震災においても災害派遣任務として人命救助や物資輸送などの人道支援を行っている。

また、近年は第7艦隊指揮のもと、フィリピン沖で中国が実行支配した人工島の12海里以内を通過する「航行の自由作戦」を決行している。

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横須賀基地に前方展開!空母と11隻のイージス艦

6つの艦隊のうち、アメリカ本土から前方展開しているのは地中海担当の第6艦隊と日本を母港とする第7艦隊の2つだけである。

横須賀に配備されているのはニミッツ級原子力空母の9番艦ロナルド・レーガンで世界最大の空母である。

ロナルド・レーガンの艦載機は常に空母に搭載しているわけではなく、整備などで長期間出港しないときには別の空母に搭載する仕組みだ。

7艦隊の航空戦力である第5空母航空団は厚木と岩国に分散されており、艦載機は主力戦闘機F/A-18、電子攻撃機EA-18G、早期警戒機E-2D、多用途ヘリコプターMH-60S、輸送機C-2Aなど75機を搭載することができる。

また以下の11隻のイージス艦も横須賀を母港としており、いずれも弾道ミサイル迎撃能力を持つシステムにアップデートされ、迎撃用のミサイルSM-3を搭載している。

横須賀基地の米イージス艦

CG:アンティータム、チャンセラーズビル、シャイロー

DDG:バリー、ベンフォールド、ミリアス、ヒギンス、

ハワード、デューイ、ラルフジョンソン、ラファエルペラルタ

横須賀に配備される戦闘艦艇は2007年から全てイージス艦になったことで空母打撃群として強力な防空体制が完成した。

1980年代に中東、ペルシャ湾での緊張が続いた際、アメリカ本土からの出撃であれば地球をほぼ半周しなけれならなかったが、日本からであれば進出日数を約17日間も短縮できるため、現場に迅速に展開できるというメリットがある。

空母インディペンデンスにおいては、日本に配備された後に湾岸戦争や台湾海峡危機に出撃している。

このように強力な戦力を日本に前方展開しておくことは作戦海域に迅速に展開できるメリットのほか、中国や北朝鮮に対しても強力な「けん制」となる。

ところで、艦隊には旗艦(きかん)と呼ばれる艦艇があり、司令部が乗艦して全体の指揮をとる重要な役割をもっている。

7艦隊の旗艦は意外にも空母ロナルド・レーガンではなく指揮統制艦ブルーリッジである。

ブルーリッジは高い通信能力と指揮系統により巨大な組織である第7艦隊の指揮をとる。

ブルーリッジは1991年に勃発した湾岸戦争でもアラビア海に進出し指揮をとっており、もとは揚陸指揮艦として建造された艦艇である。

水陸両用戦では陸海空をまたぐ複雑な戦術を必要とし、ブルーリッジはそれを指揮できる統制能力、通信能力に優れた艦艇である。

乗員は800名ほどであるが、そのうち数百名が司令部要員として乗艦している。

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中国の脅威に備えよ!佐世保基地の揚陸艦

佐世保基地には強襲揚陸艦アメリカ、ドック型揚陸艦ニューオーリンズ、グリーンベイ、ドック型輸送艦ラッシュモア、アシュランド、掃海艇4隻の合計9隻が進出しており、南西諸島周辺の有事に備えて揚陸部隊隊を集結させている。

有事の際、占領された敵陣に乗り込むのが海兵隊の役割であり、彼らを輸送し目的の場所に上陸させることが揚陸艦の主な任務だ。

佐世保基地には1992年から強襲揚陸艦が配備されるようになり、現在配備されている強襲揚陸艦アメリカ級はF-35B20機ほど搭載できるため、強力な航空攻撃が可能で軽空母としての役目も果たすことができる。

また揚陸部隊隊は必要に応じて遠征打撃群を編成する。

遠征打撃群とは海兵隊を乗せた揚陸艦とイージス艦、そして原子力潜水艦で編成される。

任務は海兵隊の輸送と揚陸をサポートすることがメインであるが、軽空母としての高い戦力もあることから、空母打撃群のかわりに緊張度の高いエリアのパトロールも行っている。

1996年に起きた第三次台湾海峡危機では佐世保を母港とした強襲揚陸艦ベローウッドが台湾海峡を通峡して上陸作戦も決行するという姿勢を見せ付けた。

日本の西に位置する佐世保基地の揚陸艦は沖縄に駐留する海兵隊の輸送、上陸作戦の拠点となっている。

7艦隊の近隣諸国への影響

7艦隊はアメリカ海軍にとって最重要部隊かつ最高戦力として重要な地位を占めている。

2021年にはイギリス海軍空母クイーンエリザベス率いるイギリス海軍が横須賀に寄港し、太平洋や南シナ海で日米英蘭の4カ国連合艦隊による共同訓練を行った。

また第7艦隊は毎年、海上自衛隊と日米共同訓練を行っている。

日本は日米安全保障条約を結んでいることから有事の際には共に戦うことになるため、このような共同訓練は重要である。

一方、国民の中には米軍基地や自衛隊に反対する者もいるが、世界最強である第7艦隊が日本を拠点にしているという影響は大きい。

もし米軍が日本から撤退すれば、中国の挑発行為は激しさを増し、北朝鮮やロシアも今以上に何らかのアクションを起すかもしれない。

7艦隊はこれからも海上自衛隊の良きパートナーとして日本を拠点とし、西大平洋からインド洋という広大なエリアの平和を維持していくだろう

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