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1961年10月30日、午前11時32分、人類史上最大の破壊力を持つ水素爆弾が旧ソビエト連邦により投下された。
そのエネルギーは広島に投下された原子爆弾「リトルボーイ」のなんと3,300倍という破壊力で、2,000キロ離れた場所からもその爆発は確認されている。
そして、その衝撃波は地球を3周しても、なお空振計に記録され、日本でも観測されている。
過去に物理学者のアインシュタインはこう言った。
「第三次世界大戦がどのように行われるかは私にはわからない。だが、第四次世界大戦が起こるとすれば、その時に人類が用いる武器は石とこん棒だろう」
この発言は何を意味するのか?
つまり、第三次世界大戦の核爆弾により人類や文明が消滅することを表しているのだ。
今回は、人類が開発した兵器で史上最強の爆弾「ツァーリ・ボンバ」の破壊力について、また日本に落ちた場合どのような被害になるかについて解説していこう。
ツァーリ・ボンバの破壊力と解説が動画でも見られるので、最後まで見てね!
人類史上最強の兵器「ツァーリ・ボンバ」の威力
ツァーリ・ボンバとは、旧ソビエト連邦が開発した水素爆弾である。
ロシア語で「爆弾の皇帝」という意味で、その名にふさわしく巨大で最強の破壊力を持つ水素爆弾である。
このツァーリ・ボンバという名前は西側諸国が名付けた通称で、正式名称はAN602であり、開発時のコードネームはイワンと呼ばれた。
2021年現在においてもその破壊力を超える兵器はなく、人類史上最大の破壊力となっている。
このように驚異的な破壊力を持つ水素爆弾であるが、過去に爆破実験がおこなわれている。
場所は北極海に浮かぶ「ノヴァヤゼムリャ」というヨーロッパの最北東端に位置する列島で、ほとんど住んでいない地域である。
現在までに、未公表実験を除いても約224回もの核実験が行われた場所である。
ツァーリ・ボンバの投下はTu-95戦略爆撃機により行われた。
熱線による被害を最小限に抑えるために特殊な白色塗料が塗られたTu-95戦略爆撃機と測定や撮影としてソ連初のジェット爆撃機Tu-16Vが使用された。
Tu-95はもともと大量の爆弾を搭載できる大型の爆撃機であったが、27トンのツァーリ・ボンバがあまりに巨大だったため、爆弾倉の扉と翼燃料タンクが取り外され、さらに半埋め込みという、かなり強引な搭載方法がとられた。
午前11時32分、目標のノヴァヤゼムリャ上空10,500メートルからツァーリ・ボンバが投下された。
Tu-95戦略爆撃機は爆心地から45キロメートルにある安全圏に退避する時間を稼ぐため、ツァーリ・ボンバには落下速度を遅くするためのパラシュートが装着された。
高度4,000メートルに降下したとき、ツァーリ・ボンバはまばゆい閃光を発して爆発した。
この時点で、後にも先にも人類史上最大の破壊力を持つ水素爆弾の実験が完了したのだった。
次に、ツァーリ・ボンバの破壊力について、どのくらいに被害がでるか、広島、長崎の原爆との比較、もし日本に落ちたらどうなるか、その後の環境への影響などを解説していこう。
ツァーリ・ボンバの破壊力!首都圏に投下されたら?
被害は数値的な目安が公表されている。
広島と長崎に投下された原爆のキノコ雲と比較すると、ツァーリ・ボンバの破壊力がどれほどのものか分かるだろう。
爆発時のキノコ雲の高さは約60キロに達し、幅は30~40キロにも及ぶ。
ちなみにこの破壊力は、実験のため本来の威力を半分に抑えたものであり、本来のツァーリ・ボンバの破壊力はこの倍以上の威力と言われている。
兵器としての性能を見ていくと、一般的な兵器に使われるTNT火薬の換算で50メガトンと算出される。
50メガトンがどのくらいか例えると、第二次世界大戦で使用された全爆薬の10倍に値する破壊力である。
データによると23キロ半径にいた生物はほぼ全て死亡する威力を持っていることが判明している。
一次放射線の致死域は半径6.6キロメートルで、放射能だけでも十分広範囲に人間を死に至らしめることができる威力である。
16.8キロ圏内のビルや家屋はすべて跡形もなくなる。
加えて、その熱量の大きさによって半径75キロの人間に致命的なやけどを負わせることが可能である。
また、約100キロ以上離れた地点においても、熱風により建物のガラスは粉砕され火傷を負わせることができる。
これがもし日本に落ちたらどうなるだろうか?
仮に東京の都心に落としたとしたら、23区の人々は一瞬で蒸発、千葉県や埼玉県、神奈川県、など首都圏の全域がやけどでほとんど死亡する。
さらに関東周辺で、その熱線による負傷、一部の人が死に至るケースが考えられる。
衝撃波で建物もほぼ壊滅し、仮に生き残ったとしても放射能によって何かしらの健康被害を受けることは間違いない。
さらに放射能の影響で、その後、長期間にもわたり人が住めない環境になるだろう。
ツァーリボンバが開発された背景
ツァーリボンバが開発された背景として東西の冷戦が要因である。
これはアメリカやイギリスを中心とした西側諸国とソ連やその衛星国を中心とした東側諸国との世界規模の対立である。
当時、第二次世界大戦で前代未聞の破壊力で世界に衝撃を与えた原子爆弾の開発が両陣営で盛んにおこなわれていた。
この核兵器の破壊力によって地球滅亡の危機が懸念されたことから、部分的に核実験を禁止する条約を結ぼうという動きが東西両陣営で起こり始めた。
しかし、当時はアメリカが冷戦時代の軍拡競争をリードしており、核兵器においても実験成果などでソ連を超えていた。
実際に1954年にアメリカが行った、ビキニ環礁とエニウェトク環礁で行った一連の核実験がその証拠になった。
こういった背景から、アメリカの核兵器の性能よりもソ連が劣っていないことを証明しようとしていたのだ。
こうして計画されたのがツァーリ・ボンバによる核実験であった。
当時ソ連の最高指導者であったニキータ・フルシチョフ第一書記は1961年7月10日がこの爆弾を使用した実験を指示し、実験計画が開始されたのだ。
この実験の背景として、核実験でアメリカの優位性を否定するという目的以外にもアメリカへの本格的なけん制も含まれていた。
当時の東西対立はピークに達しており、ベルリン市内に東西を分断する壁を建設、キューバへの核配備計画実施など西側諸国を十分に刺激していた。
さらに西側諸国、とりわけアメリカへのけん制として人類史上最大の破壊兵器であるツァーリ・ボンバを使った核実験を行うに至ったである。
計画指示から実施日までわずか15週という短期間でありながら驚異的なスピードで実験の準備が行われている。
唯一の被爆国「日本」と周辺国の脅威
日本は世界で唯一の被爆国であるのは周知の事実である。
第二次世界大戦末期、広島と長崎に投下された「リトルボーイ」「ファットマン」と名づけられた2つの原爆。
この原爆により、広島では14万人、長崎では7万人もの尊い命が失われてしまった。
その原爆の3,300倍もの威力を持つツァーリ・ボンバは人類史上最大の破壊力を持った水素爆弾であり、もしこれが使われるようなことがあれば、冒頭で紹介したアインシュタイの言葉が現実に起きてしまう可能性も0ではない。
現在、北朝鮮は通常兵器の劣勢を挽回するために核・ミサイル開発を続けており、日本は弾道ミサイルの射程圏内におさまっている。
争いごとなく平和な日常が続くという幻想、いわゆる「平和ボケ」を抱いている日本人であるが、北朝鮮や中国の実情から目をそらしてはならず、いついかなる時でも対処できる準備を整えていかなければならない。
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