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自衛隊において、女性パイロットや女性艦長が登場する中、最後まで女性自衛官が勤務できない場所があった。
それが潜水艦である。
潜水艦は、海上自衛隊の中でも特に秘密が多く特殊な任務を遂行しており、その実情や艦内での生活は謎だらけである。
そんな潜水艦に、ついに女性自衛官が配置できるようになったのだ。
長期間にわたり、プライバシーもほとんどない狭い艦内で共同生活を送るために、どのような工夫がなされているのだろうか?
また、勤務体制のほか、食事や娯楽など艦内の生活はどうなっているのだろうか?
動画では、謎に満ちた潜水艦の乗員たちが任務中にどのような生活を送っているのかについて解説するよ!
この記事に書かれている内容は
潜水艦乗りの勤務と給料
2018年12月21日、防衛省は配置制限を解除し、潜水艦に女性自衛官が配置されることとなった。
海上自衛隊の潜水艦の基地は横須賀と呉の2箇所で、おやしお型、そうりゅう型、たいげい型の3つのタイプの合計22隻が運用されている。
その中でも最新鋭の潜水艦が「たいげい型」で、艦名は大きな鯨を意味する。
2番艦「はくげい」、3番艦「じんげい」は就役に向けて艤装中である。
2019年9月から、はくげいに女性潜水艦乗りが試行として乗艦することとなった。
海上自衛隊の潜水艦乗員の数は70名ほどで、女性は最大6名が乗艦できるように居住エリアを設けている。
仕事内容は男性と変わらず、潜水艦の操縦や各センサーなど、重要な配置を任せられることとなる。
基本的に任務中は乗員の3分の1が配置につき、3交代のシフト制で当直をする。
この当直のことを海上自衛隊では「ワッチ」という。
潜水艦の1回のワッチ時間は作戦によって4時間から8時間と変わることがある。
ワッチ中はそれぞれの配置についた者が潜水艦の操縦や各センサーによる情報収集、機関の点検、食事の準備などを行う。
航海日数は任務によって変わるが、短いときで数日、情報収集任務などは1ヶ月以上出港することもある。
ちなみにアメリカやロシアなどの潜水艦は動力源が原子力のため燃料制限がなく、無寄港で3ヶ月という長期間行動を行うこともある。
任務を終えて、港に入港したからといって、乗員全員が家に帰れるわけではない。
自衛隊はどこの部隊でも当直という仕事があり、緊急事態に備えて最低限の人数を残して24時間勤務をしなければならない。
当直明けに訓練などが入っていれば、そのまま仕事をしなければならない日もある。
アメリカの原子力潜水艦などは、クル一制を採用しており、入港後は次のクルーが乗り込むことで完全に休みを取ることができる。
海上自衛隊の潜水艦乗りに女性を採用した理由は人員不足が原因の1つでもある。
人員不足に悩む海上自衛隊の潜水艦ではクルー制の採用は難しいだろう。
過酷な潜水艦乗りの給料は一体どのくらいなのだろうか?
海上自衛隊は護衛艦や航空機、潜水艦などに乗っている隊員には全員に手当てが支給される。
護衛艦は給料の33%、潜水艦は給料の45.5%が乗り組手当てとなる。
つまり潜水艦乗りは給料の約1.4倍が実際にもらえる額となる。
また「乗り組み手当て」とは別に「航海手当て」というものがある。
これは母港を出港して、帰ってくるまで、距離によって1日500円から2000円ほどの手当てが支給される。
つまり、給料+乗り組み手当+航海手当の合計が潜水艦乗りの給料である。
基本給216,400円
乗組員手当45.5%=125,170円
2航海手当(2週間)=7,000円
合計348,570円
では、潜水艦の乗員は航海中、どのような生活を送っているのだろうか?
潜水艦乗りの過酷な生活と食事
海上自衛隊の護衛艦や潜水艦は特に食事が美味しいことで有名である。
特に潜水艦は世界共通で軍隊一豪華であるといわれる。
その理由は、狭い艦内でプライベートな空間もなく、ストレスを発散できるような娯楽もない過酷な環境であるがゆえに「せめて食事だけでも喜んでもらいたい」といった精一杯の配慮からである。
水上艦艇であれば、専用のトレーニングルームや青空のもと、甲板をジョギングするなどでストレスを発散できるが、潜水艦はそんなスペースは一切ない。
そのような中でハードな任務をこなす乗員のストレスはかなりのものとなる。
日本海軍時代は、潜行中の酸素の消費をおさえるために、ワッチ以外は寝ることくらいしかできなかったという。
おいしい食事を食べることが、せめてものストレス解消になってくれればといった理由から、潜水艦の食事予算は海上自衛隊の他の部隊よりも高く設定されている。
特徴的なのは潜水艦の食事は1日4回になっていることだ。
3交代制で配置に就くため、夜勤になる者もいることから午前0時にも食事が提供されている。
朝食:午前6時
昼食:午後12時
中間食:午後6時
夕食:午前0時
ただし、肥満者が増えるという理由から3食に変更する潜水艦もある。
食堂は中央付近にあり広さは6畳程度で、一度に座れる人数は十数名程度である。
限られたスペースを有効活用するために乗員が座るベンチの下には常温保存できる野菜などが入っている。
約70名の乗員の食事は3名の調理員が賄っている。
海上自衛隊は全国どの部隊でも金曜日はカレーの日となっているのは有名な話であるが、もちろん潜水艦も金曜日の昼食はカレーだ。
その理由は、昼も夜も分からない状態で長期間、任務に従事すると次第に曜日間隔がなくなってくるのを取り戻すためである。
女性隊員の居住スペースには鍵付きのドアが設けられており、左右に3段ベッドが設置され6名が寝ることができる。
このスペースには男性隊員は入れないため、深夜の当直交代時は呼び出しのリモコンで起こすシステムをとっている。
シャワ一は男女兼用のため、男性と女性の使用時間を区切って使用する。
調理に必要な水は潜水艦では非常に貴重な存在である。
真水タンクは装備されているが使用量が限られているため、シャワーは3日に1回で、基本的には10分以内しか浴びることができない。
もちろん洗濯など大量に水を使うものは論外で、下着類は密閉袋にいれて入港まで各自で保管することになる。
つまり、航海日数が長ければ、それだけ下着も準備しなければならないのである。
これは女性隊員だからといって例外はない。
作戦行動中は、潜望鏡をのぞく者以外は外の景色を見ることはなく、もちろんスマートフォンの電波も一切入らない。
秘密の塊である潜水艦は保全上の観点からカメラの撮影なども制限されるため、個人のスマートフォンは出港から入港までの間、金庫に鍵を閉められた状態で保管されている。
そして、潜水艦乗りが一番気を使うのが「音を立てること」である。
わずかな音も、敵に探知されれば潜水艦の場所を特定されて魚雷攻撃を受ける恐れがあるため、絶対に音を立ててはならないのである。
艦内を歩く足音にも気を使っているため乗員はクッション性の高い運動靴を履かなければならない。
食堂に設置されているテレビは、電波は入らないがDVDなどで映画を見ることはできる。
もちろんスピーカーから音を出すことはできないので、全員がヘッドフォンをつけて見なければならない。
潜水艦乗りの娯楽といえば、映画、読書、ゲームなど非常に限られたものとなる。
このように過酷な条件化で勤務する潜水艦乗りであるが、入隊して希望すれば誰でもなれるわけではない。
潜水艦乗りの条件
潜水艦が出港すれば、長い航海の場合1ヶ月近く、緊張した状態が続くことになる。
外の世界から完全に遮断され、太陽の光など一筋も入ってこない閉鎖空間で長期間勤務してもトラブルを起こさない冷静沈着かつ温厚な人間が選ばれる。
性格だけでなく潜行した際の気圧の変化などにも適した身体能力がなければ潜水艦乗りなることはできない。
すべての適正をクリアした隊員だけが、潜水艦の訓練課程に入校でき修行した暁には潜水艦乗りの証であるドルフィンマークをつけることができるのだ。
潜水艦の乗員は海上自衛隊の中でも数%しかなることはできない。
潜水艦は航空機や護衛艦と違い、外の景色を見ることはできず長期間の作戦行動もあり、制限の多い狭い空間で勤務しなければならない過酷な職場である。
その生活は決して快適とは言えず、楽でもない。
しかし、潜水艦乗りであるというプライドと日本を守るという使命感を胸に、家族や友人、恋人との再会を心待ちにしながら、今この瞬間もどこかの深い海で任務についていることを少しでも知ってもらいたい。
次の動画では、日本最強の潜水艦といわれる「はくげい」について、より詳しく解説しよう。
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