日本最後の砦、航空自衛隊のPAC-3の性能が2倍へ!日本を守る34基
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秒速6km以上で突入していくる弾道ミサイルから日本を守る「最後の砦」となるのが航空自衛隊が配備するPAC-3である。

上空20~30㎞で迎撃するため、対処できる時間はほとんどない。

PAC-3は、イージス艦が迎撃できなかった弾道ミサイルを地上付近で撃ち落とすために、全国に分散して配備されている。

1機の発射機で最大16発のPAC-3を装填でき、1発の価格は8億円である。

航空自衛隊はPAC-3による弾道ミサイル迎撃実験を数回ほど実施しており、その迎撃率は100%である。

しかし、その防空システムでは迎撃できない極超音速ミサイルという新兵器を中国や北朝鮮が開発し、配備している。

現在配備されているPAC-3は短・中距離弾道ミサイルに対処できる防空システムであるが、極超音速ミサイルにも対処できるように新型レーダーが導入される計画だ。

しまかぜ

動画でも新型PAC-3の性能と日本の防衛体制について解説するよ!

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航空自衛隊の新型PAC-3導入

ウクライナ戦争をきっかけにして日本は大幅な防衛力増強に舵を切り始めている。

防衛関係費は、前年比で、約1兆4,000億円増の6兆7,880億円を計上しており、ミサイル防衛能力の強化も行われる方針である。

ぺトリオットミサイルは、アメリカのレイセオン社が開発した地対空ミサイルシステムで、世界10か国以上で配備されている。

現在、航空自衛隊に配備されているPAC-3は2007年から運用が開始されている。

マスコミからは「パトリオット」と呼ばれることが多いが、自衛隊では、より英語の発音に近い「ペトリオット」の呼称で呼ばれている。

今回導入が予定されているPAC-3MSEと従来のPAC-3との違いは、射程距離の延長が一番の特徴である。

MSEとは(Missile Segment Enhancement)の略でミサイル部分向上型を意味する。

従来型のPAC-3はSRBM(短距離弾道ミサイル)に対しては、発射機の左右方向に各35km、前方に40km、後方に10kmの範囲で迎撃が可能である。

またMRBM(準中距離弾道ミサイル)には半径20kmでの迎撃が可能になっているが、PAC-3MSEでは、射程距離と高度は約2倍となり、弾道ミサイル以外に敵戦闘機や巡航ミサイルも対処可能となる。

発射器1基当たりの搭載ミサイルは、16発から12発に減少するが、敵の弾道ミサイルを捕捉するレーダーの精度が向上しており、従来型より直径が大きく、弾頭の破壊力も強化されている。

また、米軍が配備を予定している新型レーダーも導入される予定だ。

これにより探知距離が数倍に伸び、高速、変則軌道のミサイルにも対応が可能なため、迎撃率が向上することが期待される。

航空自衛隊では、これらのペトリオットミサイルを運用し、空の守りを担う部隊として「高射隊」と呼ばれる部隊が配備されている。

全国には千歳、三沢、入間、岐阜、春日、那覇に計6つの「高射群」があり、1高射群は4つの「高射隊」から構成されていて、合計24の高射隊が存在している。

PAC-3MSEは沖縄の部隊に配備済みであり、今後各部隊にも配備される予定である。

現状のPAC-3における弾道ミサイル迎撃実験では、米軍の迎撃成功率は84%となっており、航空自衛隊はソフトウェア更新後の迎撃率は100%を誇っている。

PAC-3MSEも、これと同等かそれ以上の成功率になると予想される。

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新型PAC-3配備による日本の防衛体制

航空自衛隊では、1970~1994年にかけてナイキ・ハーキュリーズというミサイルを使用していたが、その後継として配備を開始したのが、ぺトリオットミサイルである。

ちなみに、アメリカでは陸軍が運用しているぺトリオットという名称は英語で「愛国者」という意味だ。

日本の弾道ミサイル防衛は、海上自衛隊のイージス艦に搭載したSM-3及び航空自衛隊のPAC-3の二段構えで防衛している状態だ。

中国や北朝鮮が弾道ミサイルを発射した場合、まずイージス艦のSM-3が大気圏外の高高度で迎撃し、撃ち漏らしたミサイルは低高度でPAC-3が迎え撃つ体制が取られている。

高高度でのミサイル防衛を担うイージス艦のSM-3と、低高度のPAC-3の隙間を埋めるため、自衛隊は最新鋭の迎撃システムである「高高度防衛ミサイル(THAAD)」導入も検討されている。

今後、航空自衛隊の高射群は、指揮系統の効率化のため、6個高射群から4個高射群へ改編されることになっており、2023年3月には第1高射群と第4高射群が統合される予定だ。

高射隊は、射撃管制装置、レーダー装置、電源用発電機などの機材を全て車両に搭載して迅速に機動展開を行うことが可能である。

発射機については1高射隊あたり5機で構成されており、ミサイル防衛対応部隊においては、PAC-2が3機、PAC-3を2機搭載されていた。

しかし、北朝鮮のミサイル技術が向上していることから、全高射群にPAC-3を配備するため、既存のPAC-3を再配置する計画に変更されている。

射程距離の長いペトリオットミサイルは日本国内で実弾を発射できる演習場がないため、1971年よりアメリカ陸軍の協力の元で、ニューメキシコ州、マクレガー射場を使用しての実弾射撃訓練が行われている。

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新型PAC-3が導入される理由

航空自衛隊の地対空ミサイルが当初想定していた敵は航空機であった。

弾道ミサイル防衛は、今や当たり前のことのように語られているが、以前には弾道ミサイルをミサイルで迎撃するという発想はなかった。

これは、拳銃から発射された弾を同じ拳銃の弾で打ち落とすことに等しいことであり、現実的には不可能ではないかという説が出ていた。

つまり、弾道ミサイルを発射されてしまえば、それを防ぐ方法は、以前は全くなかったのである。

しかし今では、それが可能となり弾道ミサイル防衛は、国家戦略の柱として位置ずけられるまでになった。

日本のミサイル防衛は、迎撃ミサイル搭載の8隻のイージス艦と34基のPAC-3が担っているが、現行の装備では極超音速ミサイルの迎撃は難しいとされている。

極超音速ミサイルとはマッハ5を超え、軌道が予測できない新型ミサイルで現在の防空システムでは迎撃できないと言われている。

そのため政府は、PAC-3を改修し、探知・追尾能を強化するため、固定警戒管制レーダーの能力向上や、新型警戒管制レーダーの整備も進められている。

中国は、極超音速ミサイルを搭載可能な中距離弾道ミサイル「DFー17」を実戦配備しており、北朝鮮も極超音速で飛行し、なおかつ軌道を変更して飛行するミサイルを開発している。

本来であれば敵の弾道ミサイルが発射されて大気圏外の宇宙空間を飛行している間に、迎撃するのが一番効果的であると言えるが、変更軌道で飛行してくるミサイルを迎撃することは現状では困難である。

その極超音速ミサイルを迎撃できるPAC-3MSEの存在意義は、ますます高まってくるものと思われる。

日本政府は、この極超音速兵器に対処するため、現在配備している航空自衛隊のPAC-3を改修し配備することを決定した。

その理由としては、現在配備されているPAC-3は射程が短く、到達高度も限られているからだ。

政府は、国家安全保障戦略に今までになかった、敵のミサイル発射基地を攻撃できる「反撃能力」の保有を明記する方針で、それとともにミサイル迎撃能力の向上も引き続き行い、抑止力向上につなげる考えだ。

パトリオットミサイルの重要性

現在ウクライナ戦争においては、ロシア軍によるミサイル攻撃が、ウクライナの各都市のインフラ設備に対して行われている。

飛来してきたロシアのミサイルはウクライナの防空ミサイルにより大部分が撃墜されているが、全てのミサイルを撃墜することはできず、一部のミサイルは電力設備などに被害を与えている。

これによりウクライナの各都市は停電を余儀なくされ、国民の生活に大きな悪影響を与えている。

つまり、核兵器ではなく通常弾頭のミサイルでも、国の機能を麻痺させることが可能なのである。

もしウクライナに防空システムが存在していなければ、国内のインフラ設備はさらに壊滅的な被害を受けていたに違いない。

ロシアによるミサイル攻撃によりウクライナ市民の被害が増えていることに業を煮やしたアメリカは、ついにウクライナにペトリオットミサイルの供給するとの方針を決定した。

一方、日本においては、北朝鮮による日本海に向けての弾道ミサイル発射実験は、もはや日常化してしおり、その性能は日増しに向上してきている。

ウクライナの現状は、未来の日本にもなりかねないのである。

そういう意味においても、これからますますパトリオットミサイルの重要性は増していくだろう。

次の動画では、日本が400発の輸入を検討しているトマホーク巡航ミサイルについて解説しよう。

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