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原爆投下から78年後の長崎で、核戦争のシミュレーションを行う国際プロジェクトの会議が開催された。
現在、日本を含む北東アジアでは核兵器の数が急増しており、ロシアは5,889発、中国は410発、北朝鮮は約30発を保有していると見られている。
一方、日本と韓国は、アメリカの5,200発以上の核の傘の下にある。
この状況下で、核兵器が使用された場合の5つのシナリオが発表された。
今回は、核兵器が使用されるまでのシナリオと、もし核兵器が使用された場合、どのような事態に陥るかについてのシナリオを紹介していこう。
この記事に書かれている内容は
北朝鮮の短距離弾道ミサイル VS オハイオ級原子力潜水艦
1つ目は、北朝鮮が経済制裁で追い詰められ、アメリカや韓国を交渉に引き込むために戦術核兵器の使用に踏み切るというシナリオである。
北朝鮮は、韓国の艦船が自国の領域を侵入し国民を脅かすと主張し、韓国沿岸に核攻撃を行うことが想定されている。
これが引き金となり、北朝鮮が開発中の短距離弾道ミサイルが使用される。
アメリカは報復として、オハイオ級原子力潜水艦から8キロトンの戦術核を発射する計画である。
潜水艦発射弾道ミサイルは、大陸間弾道ミサイルおよび戦略爆撃機と共に、核戦力の三大要素を形成している。
特筆すべきは、これら戦略原潜が米国の核弾頭の約70%を搭載している点である。
この事実は、戦略原潜の重要性を強調している。
司令官の発言によれば、戦略原潜は常に秘密裏に行動し、世界中の海を航行している。
その潜行能力と偵察を避ける技術は、敵による発見を極めて困難にしている。
これにより、SLBMは核戦力の三本柱の中で最も高い生存能力を持つとされる
戦略原潜の狙いは、北朝鮮がICBMや核戦力を隠しているとされる山間部や地下基地である。
このような状況では、核兵器の使用によって放射線や放射性物質の飛散が発生し、最終的に4万人以上が長期的な影響で亡くなるとされる。
これは核兵器の恐ろしさを改めて浮き彫りにするとともに、その影響がいかに甚大かを示している。
そして、5つのシナリオの中で、最も多くの犠牲が出ると想定されたのが、次に紹介するシミュレーションである。
アメリカ軍基地への核攻撃シナリオ 第三次世界大戦の危機
台湾の独立を目指す政権の誕生を受けて、中国が軍事侵攻を開始し、アメリカが台湾支援のために大規模な部隊を送るというシナリオである。
中国は、「核の先制不使用」の戦略を放棄し、核兵器の使用を決断すると想定されている。
中国は、グアムや佐世保、嘉手納にあるアメリカ軍基地への攻撃を計画し、250キロトンの核兵器5発を使用するとされている。
さらに、中国は韓国にあるアメリカ軍基地や横須賀基地、アメリカ本土の基地にも攻撃を行う。
このシナリオでは、最終的に大規模な第三次世界大戦へのエスカレートも予測されている。
アメリカは中国の内陸部にあるミサイル基地を狙い、小型核兵器10発を使用して反撃するとしている。
中国の最初の攻撃では、中距離弾道ミサイル「DF-26」に250キロトンの核弾頭を搭載して使用するとされており、広島型原爆の15倍以上の威力があるため、大量の放射性降下物が発生すると予測されている。
これは核戦争の潜在的な壊滅的な結果を示すものであり、国際的な協力と外交を通じた平和的解決の必要性を浮き彫りにしている。
シミュレーションでは、両国が合計で24発の核兵器を使用し、数か月間で260万人が亡くなると予測されている。
さらに、放射線や飛散した放射性物質の影響で長期的に「がん」になって亡くなる人は9万6000人から83万人にのぼるとされている。
北朝鮮の特殊部隊 韓国原発への潜在的リスク
3つ目は、米韓の動向に警戒を強めた北朝鮮が、秘密裏に韓国の原子力発電所を狙うシナリオである。
北朝鮮は、米韓の攻撃を先手を打って回避する目的で、特殊部隊を派遣し、原発に核兵器を仕掛けると想定されている。
これに対して、アメリカと韓国は北朝鮮への全面侵攻が迫っていると判断し、軍事境界線付近の北朝鮮軍施設や指導部へ空爆を実施し、核兵器を使用する計画がある。
このような核兵器の交換により、北朝鮮南部は被害を受け、韓国国民は非武装地帯と南部の原発施設に囲まれる状況に陥るとされている。
また、北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)を保有している場合、米韓の攻撃に対する報復として、アメリカ本土や韓国、日本の民間地域を標的にする可能性が示唆されている。
この報復行動が、核戦争の更なるエスカレーションを引き起こす恐れがある。
さらに懸念されるのは、アメリカがロシアや中国の領土を通過して北朝鮮を攻撃する際、これらの国が米国が自国を狙っていると誤解し、核兵器を発射する可能性である。
この誤解が、アメリカ、ロシア、中国間での核戦争に発展するリスクを高めていることが予想される。
北朝鮮によるEMP攻撃シナリオ 北海道から九州に被害
4つ目のシナリオは、日本と北朝鮮の緊張関係がエスカレートする中、北朝鮮が東京に対し電磁パルス攻撃(EMP)を実施し、国内インフラに甚大な被害を及ぼす可能性が提起されている。
この攻撃は、日本の経済制裁強化への報復として想定され、電子機器への影響が懸念される。。
電磁パルス(EMP)は、強烈な電磁波を一瞬にして放出し、人体には無害だが、日本全域の電子機器に甚大な影響を及ぼす現象である。
EMP攻撃が現実化すると、送電網、通信システム、交通インフラなど、日常生活を支えるあらゆるインフラが機能停止に陥る。
この攻撃は、電磁パルス爆弾や高度30kmから400kmの上空での核爆発が原因となり得る。
EMP攻撃は、まるで巨大な雷が広範囲に瞬時に落ちるようなものだ
その結果、高電流と高電圧が発生し、通常の使用状態を超える入力に耐えられない電子機器が故障する。
例えば、変電所の変圧器が焼損することで広域の停電が発生し、銀行のオンラインシステムがダウンするなど、日常生活に重大な影響を及ぼす長期的な障害が発生する可能性がある。
大規模な停電が発生する場合、その影響範囲は非常に広範囲に及ぶ。
具体的には、影響の半径が1,000kmにも及び、これは日本国内において北海道から九州にわたる範囲を含むことを意味する
このようなEMP攻撃は、現代社会がいかに電子機器に依存しているかを浮き彫りにする。
瞬時に広範囲の電子機器を無力化する能力は、軍事戦略において非常に重要な要素であり、同時にそれがもたらす社会的な混乱とリスクは計り知れない。
EMP攻撃のリアルな脅威は、インフラのセキュリティと耐久性の向上、そして緊急事態への備えの必要性を強調している。
日本は、この攻撃が核兵器を含むさらなる北朝鮮の挑発行動へと発展する可能性に対して警戒を強め、アメリカに対して北朝鮮への核攻撃を要請する。
しかし、アメリカの北朝鮮指導部への初期攻撃が失敗した場合、北朝鮮は報復としてアメリカ本土や日本、韓国への核兵器使用を決定する可能性がある。
このような状況において、アメリカは、より強力かつ精密な武器を用いて北朝鮮の指導部を標的に再攻撃を行うとされている。
このシナリオは、核兵器を含む軍事衝突がいかに迅速にエスカレートし得るかを示し、核兵器使用のリスクがもたらす恐怖を浮き彫りにしている。
潜水艦部隊の誤認が全面核戦争へ
最後のシナリオは、ロシアとの全面核戦争である。
北方領土を巡る緊張が高まる中、ロシアは日本海での潜水艦部隊のパトロールを強化している。
この地域は歴史的にも軍事的にも緊張が絶えないエリアであり、各国の動きには常に注目が集まっている。
特にロシアの海軍活動は、周辺国にとって重要な安全保障上の関心事となっている。
この複雑な国際情勢の中で、アメリカと韓国が合同で実施していた軍事演習がある。
この演習は、同盟国間の協力を強化し、地域の安定を目指すものであったが、ロシアはこれを実際の攻撃と誤認し、沖縄の米軍基地に対して核ミサイルを発射するという重大な危機が想定されている。
このような誤解に基づく攻撃は、即座に国際的な緊張を引き起こし、アメリカは日本の要請に応じてロシアの太平洋艦隊司令部を含む東部基地に対して攻撃を開始する。
ロシアもこれに対し、韓国に駐留する米軍基地に対して通常ミサイルや核ミサイルを使用して反撃するとされている。
このシナリオは、誤認に基づく軍事行動がいかに迅速にエスカレートし、国際危機へと発展する可能性があることを示している。
有事の際のコミュニケーションが不十分である場合、北東アジアに限らず、互いの領土へのICBM発射など全面核戦争へと繋がるリスクが高まる。
このような状況は、国際的な緊張緩和と危機管理のための強化されたコミュニケーションがいかに重要であるかを強調している。
これらの5つのシナリオは、核兵器の使用がもたらす恐怖と、国際的な緊張状態がどれほど迅速にエスカレートし得るかを示している。核兵器の使用は、放射線や放射性物質の飛散により、甚大な被害をもたらす。
また、軍事戦略としてのEMP攻撃のリアルな脅威も、現代社会の電子機器への依存度と、それがもたらす社会的混乱とリスクを示している。
次の動画では、アメリカと中国の空母比較について解説しよう。
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