海上自衛隊護衛艦
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陸海空自衛隊の中でも、もっとも歴史が深いのが帝国海軍からの伝統を引き継ぐ海上自衛隊である。

海上自衛隊の起源は、77年の歴史を閉じた帝国海軍の解体から7年後の昭和27年にさかのぼる。

昭和27年4月26日、海上自衛隊の前身である海上警備隊が発足し自衛艦隊は、昭和29年7月に新編された。

自衛隊初の実任務としての海外派遣は、第一次湾岸戦争終結後の 1991 年のペルシャ湾への海上自衛隊掃海部隊派遣であった。

それ以降、テロ特措法に基づくインド洋派遣やソマリア海賊対処、南西諸島や弾道ミサイルの警戒監視任務、東日本大震災での災害派遣など、実任務で活躍する機会が多くなっている。

日本の“海上自衛隊”はアジア最強であると海外メディアが評価している。

今回は、海上自衛隊が誇る第1護衛隊群から第4護衛隊群までの全艦艇とその活躍を紹介していこう。

しまかぜ

海上自衛隊の第一線で活躍する護衛艦32隻を動画で全て解説してるよ!

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第1護衛隊群

DDHいずも、DDGこんごう、まや、DDむらさめ、いかづち、あけぼの、ありあけ、あきづき

旗艦は横須賀を母港とする「いずも」で、海上自衛隊最大のヘリコプター護衛艦である。

平成 27 年3月に就役し、現在 F-35Bを運用できるように2回に分けて空母化改修が行われている。

最終的には 2025 年に完了し、上甲板の耐熱処理と甲板の拡張、誘導灯や弾薬庫の設置などが行われる。

第1護衛隊群のイージス艦は、佐世保のこんごう、横須賀のまやである。

まや型は、海上自衛隊では最新鋭のイージス艦であり、初の装備である共同交戦能力CEC を有している。

CEC とは、まやが探知できない遠距離からのミサイルや航空機を早期警戒機のE-2D などが上空で探知し、そのデータをもとにまやのミサイルで攻撃ができるというシステムである。

また、まや型は就役時から弾道ミサイル迎撃用の SM-3の運用が可能となっているのも、他のイージス艦との違いである。

DD 型のむらさめ、いかづちの母港は横須賀、あけぼの、ありあけ、あきづきはの母港は佐世保である。

DD は汎用護衛艦として、ヘリコプターを搭載し、整備する能力もあることから、広範囲の捜索や

現場までの迅速な展開が可能なため、南西諸島の中国船などの警戒監視をはじめ、ソマリア海賊対処、中東情報収集といった海外派遣など多くの任務をこなせる艦艇である。

従来のゆき型、きり型からミサイルが垂直発射システム VLS に進化し、ESSMと呼ばれる対空ミサイルを搭載している。

また、また、あきづきは従来の「たかなみ型」護衛艦をベースとし、新しく開発されたレーダー「FCS-3」を装備している。

これは、一般的な回転するレーダーとは違い、イージス艦の SPY レーダーのように電子的に全周を捜索するレーダーで、通常の航行補助だけでなく、航空機の追尾やミサイル攻撃時の目標の追尾も兼ねることができる。

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第2護衛隊群

DDHいせ DDGきりしま、あしがら、DDはるさめ、あさひ、たかなみ、おおなみ、てるづき

旗艦は佐世保を母港とする「いせ」である。

いせは、ひゅうが型護衛艦の2番艦で「いずも」の次に大きなヘリコプター護衛艦である。

海上自衛隊初の空母型護衛艦として、就役当時は注目されたが、いずも型と比較すると船体構造が小さく、エレベーターの運用効率も悪いことから、F-35Bの運用には適さないと判断され、空母化の対象とはならなかった。

しかしながら、車両や大型ヘリコプターも搭載可能なことから災害派遣では大きな活躍をしている。

第2護衛隊群のイージス艦は横須賀の「きりしま」と、佐世保の「あしがら」である。

「きりしま」は「こうごう型」の2番艦で平成16年に半年間におけるテロ特措法での海外派遣の帰路において、スマトラ地震が発生し、引き返して捜索・救助および遺体の収容にあたった。

「あしがら」はあたご型イージスの2番艦で、こんごう型との見た目の違いは、後部にヘリコプター格納庫があり、マストがステルスマストになっているのが特徴である。

DD 型のはるさめ、あさひは佐世保、たかなみ、おおなみ、てるづきは横須賀を母港としており、「あさひ」は海上自衛隊初の大型汎用護衛艦で満水排水量は6800トンになる。

あさひ型をもって、海上自衛隊はDD型の建造を一時中断することとなっており、今後は新しいコンセプトである3900トンのFFMという護衛艦が建造されていくこととなる。

FFMは計画では22隻まで建造することになっており、7番艦までは建造が決定している。

たかなみ、おおなみの主砲はこんごう型と同じ127mm5インチ砲が装備されており、ミサイルについてもVLSのセルが 32発に増えたことから、むらさめ型の16セルから倍になっている。

なお、東日本大震災では護衛艦たかなみが、津波から逃れるために幼稚園の屋根に避難して、一晩中寒さに耐え忍んでいた園児と保育士を救助し、食事と入浴などを提供し幼い命を救った。

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第3護衛隊群

DDHひゅうが、DDGみょうこう、あたご、DDふゆづき、ゆうだち、まきなみ、すずなみ、しらぬい

旗艦は舞鶴を母港とする「ひゅうが」は「いせ」と同型艦の1番艦である。

ひゅうが型はオスプレイの発着艦(はっちゃっかん)や陸上自衛隊が保有する大型ヘリコプターの運用も可能となっている。

東日本大震災や熊本地震では、その優れた航空運用能力をフル活用して、4機が着艦し物資を被災地に運ぶなど、36トンを空輸した。

第3護衛隊群のイージス艦は、舞鶴の「みょうこう」と「あたご」である。

「みょうこう」はこんごう型の2番艦であり、近代化改修を行い、弾道ミサイル迎撃用の SM-3のアップグレード版である、ブロック 1Bの運用が可能となった。

これにより、弾頭部に赤外線センサーを備えることとなった。

また、イージス艦初となる女性艦長が指揮を執ったことでも有名である。

一方「あたご」は、初のステルスマストを採用し、近代化改修により海上自衛隊初となるレーダー「SPQ-9B」が装備された。

これは、米海軍が装備しているレーダーで水上目標のほか、ミサイルを探知するためのレーダーである。

DD 型においては、まきなみ、ふゆづき、すずなみが舞鶴、ゆうだち、しらぬいが大湊を母港としている。

「すずなみ」はたかなみ型の5番艦で最終艦である。

当初から SH-60K ヘリコプターを2機運用することを前提に建造されたため、「むらさめ型」よりも格納庫が広くなっているのが特徴である。

第4護衛隊群

第4護衛隊群に所属するのは、DDHかが、DDGちょうかい、はぐろ、DDいなずま、さみだれ、さざなみ、きりさめ、すずつきである。

旗艦は呉を母港とする「かが」である。

「かが」はいずも型護衛艦の2番艦で、同じく空母化のために改修される。

なお、いずもが2回に分けて行われる空母化改修を「かが」は1回でまとめて行われる予定だ。

第4護衛隊群のイージス艦は、佐世保の「ちょうかい」と「はぐろ」で、「はぐろ」は2021年に就役した最新鋭イージス艦である。

これで、海上自衛隊の各群にはイージス艦が2隻ずつとなり、イージス8隻態勢が完成するとともに、世界でアメリカ海軍の次にイージス艦保有数が多い国となった。

イージス艦以外のDDGでは最後の艦となる「しまかぜ」は、昭和63年3月就役し「非イージス防空ミサイル護衛艦」最後の1隻として、現在は練習艦として呉を母港としている。

練習艦とは、幹部になったばかりの隊員達を乗せて、国内、国外において各種訓練を実施し、幹部として艦の運用を学ぶための実習艦である。

DD 型においては、いなづま、さみだれ、さざなみが呉を母港とし、きりさめ、すずつきは佐世保を母港としている。

3タイプの DDはそれぞれ特徴があり、きりさめ、いなづま、さみだれは「むらさめ型」の4番艦、5番艦、6番艦で海上自衛隊の中ではもっとも多い9番艦まで建造され、国内、海外において幅広く活躍している。

さざなみは「たかなみ型」の4番艦で、にソマリア沖アデン湾の海賊対処任務などにも派遣された。

その際、シンガポール船籍タンカーの「オーシャンアンバー」から救助要請をうけ、4隻の不審船に対しソマリ語による警告を行い護衛活動を実施した。

海上自衛隊 護衛隊群 まとめ

海上自衛隊の護衛艦は2021年現在で46隻が就役しており、その他の補助艦艇も含めと130隻を超える。

その中でも今回紹介した第1護衛隊群から第4護衛隊群の艦艇は、第一線で活躍しており、多くの艦艇から選ばれた精鋭部隊でもある。

海上自衛隊は東日本大震災での展開の早さや活動を通じ、国民から高い信頼を得た。

災害派遣にとどまらず、中国の海洋進出や北朝鮮のミサイル発射事案、現在も続いているソマリア沖・アデン湾における海賊対処をはじめ、海上防衛力をもって、あらゆる脅威、あらゆる事態に確実に対処できる態勢を維持している。

装備やシステム、隊員の能力や部隊の練度など、アジア最強と評価される海上自衛隊は、これからも日本を守り、さらなる進化を遂げていくだろう。

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