ロシア軍自慢の装甲車「ターミネーター」が破壊、そしてウクライナの手に
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「ターミネーター」とはロシア軍が開発した装甲戦闘車両の愛称の一つである。

正式名称「T-90 ターミネーター2」と呼ばれ、T-90戦車をベースにした改良型戦闘車両となっている。

ターミネーターは、主に戦車や装甲車などの敵戦車を破壊するために使用される。

この車両は、2基の30mm機関砲と4基の対戦車ミサイル発射機を搭載しており、周囲360度を監視するための高性能なセンサー類を装備している。

ターミネーターは、特に都市戦において敵の待ち伏せや建物の中に隠れた脅威に対処するために有効な装備をもっている。

この車両は、ロシア軍で運用されているほか、輸出市場でも評価の高い車両となっている。

なお、ターミネーターという名称は、アーノルド・シュワルツェネッガーが主演したSF映画『ターミネーター』から取られたものであり、その外観や威力から「未来から来た戦闘マシン」というイメージが付与されている。

今回は、ロシアの装甲戦闘車ターミネーターの性能とウクライナとの戦闘で鹵獲された事案について解説していこう。

しまかぜ

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ロシアのターミネーターの特徴と性能

BMPTターミネーターの主な特徴と性能であるが、T-72/T-90戦車のシャーシをベースにした車両で、砲塔部分には、30mm機関砲2門が装備されており、その上には4基の対戦車ミサイル発射装置が備わっている。

また、砲塔の前面には7.62mm機関銃が一基搭載されているのも特徴のひとつである。

車体の前面には、防弾材で覆われた追加装甲が取り付けられている。

ターミネーターは、3人の乗員が搭乗し、車長は車両を操作し、砲手は主砲を、射手は対戦車ミサイルを操作する。

砲塔は完全に自動化されているため、人の介入を必要とせず、射撃支援用のコンピューターシステムが備わっている。

30mm機関砲は、高い射撃速度と威力を誇り、対地・対空目標に対して効果的に使用できる。

対戦車ミサイルは、長射程と高い精度を誇り、戦車や装甲車などの重装備に対して有効となっている。

7.62mm機関銃は、小口径の銃弾を使い、近距離での敵兵器の制圧に使用される。

防御力についてターミネーターは、T-72/T-90戦車と同様に装甲が強化されており、砲塔前面には追加装甲が取り付けられている。

車体には爆発反応装甲が備わっており、地雷や即席爆発装置に対しても強い耐久性を誇る。

即席爆発装置とは、あり合せの爆発物と起爆装置から作られた簡易的な爆発物のことである。

また、車体上には、煙幕弾発射機が装備されており、煙幕を張ることで敵からの視界を遮断することができる。

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破壊されたターミネーター

2022年のロシアによるウクライナ侵攻において、BMPTターミネーターがウクライナ軍によって破壊されたとの報道があった。

戦闘状況においては両国側から様々な情報操作がおこなわれているため、確実性のある情報は限られているが、 ウクライナ側の報道によれば2022年の2月24日ウクライナ東部のマリウポリ市近郊で、ロシア軍のターミネーターがウクライナ軍によって破壊されたと報じられている。

また、3月4日にはウクライナ軍がロシア軍のターミネーターを撃破したとの報道があった。

しかし、このような報道には疑問もある。

なぜなら、ターミネーターはロシア軍の主力戦車であるT-72、T-90などと同様、重装甲であり破壊するのは容易ではないからだ。

また、ロシア軍はターミネーターを綿密に運用しているため、ウクライナ軍が簡単に破壊できるほど事は単純ではない。

次に、ジャベリンのような対戦車ミサイルの攻撃に対してであるが、ターミネーターは、重装甲であり戦車などの弱点である車体の上面には爆発反応装甲が装備されている。

爆発反応装甲とは、発火性の高い物質を装甲板に仕込み、敵の攻撃によって装甲板が破壊された時に、その物質が反応して爆発することで、攻撃を受けた箇所を一瞬で吹き飛ばしてしまうことで、攻撃力を弱める装甲のことである。

これにより、トップアタックミサイルの爆風を分散させることができるのだ。

トップアタックミサイルは、戦車の弱点である上部から目標を狙い強力な爆風で目標を破壊するため、対地攻撃の有効な手段とされている。

ターミネーターはトップアタックミサイルに対して十分な防御力を持つことが知られている。

また、ターミネーターは、迫撃砲や対空機関砲などの対空・対地火器を搭載しているため、トップアタックミサイルを発射する敵兵器を迎撃することができる。

ただし、トップアタックミサイルは高高度からの攻撃のため、目標によってはターミネーターの装甲に対しても有効な場合がある。

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鹵獲(ろかく)されたロシア車両

ウクライナ側がロシア軍のターミネーターをはじめとした車両を鹵獲している。

鹵獲とは、敵の兵器や軍用品を後続する戦闘のために奪うことである。

その理由として1つ目は、ターミネーターなどろ鹵獲した車両を解体または分析することで、その構造や性能などの詳細な情報を収集することができる。

これによりウクライナ軍は、ロシア軍の車両の弱点や特徴を把握し、有効な対策を練ることができるためターミネーターを鹵獲して情報収集をおこなっていると考えられる。

2つ目に、自国の軍備強化である。

鹵獲した車両を修理、または改修して、ウクライナ軍の軍備として再利用することも可能である。

ウクライナ軍が軍備強化を目的にロシア軍のターミネーターを鹵獲しているとも考えられる。

特に、ウクライナ軍が保有する軍用車両の老朽化は著しいといわれているため、ターミネーターをはじめとしたロシア軍の車両をウクライナ軍の車両として再活用することを目的に鹵獲しているとも考えられる。

そして三つ目がプロパガンダだ。

ウクライナ側のメディア戦略は報道等で周知のとおりである。

ウクライナ側は、鹵獲した車両を公開し、その存在をメディアをとおして広く知らせることで、ウクライナ軍の勝利や優勢をウクライナ国民にアピールする目的があると考えることもできる。

また、ロシア軍がウクライナ領土に侵攻していることを世界にむけて証明することで、国際的な支持を得たいという目論見も当然ながらあるものと考えられる。

以上の目的から、ウクライナ側がロシア軍のターミネーターなどの車両を鹵獲している理由として考察される。

ただし、鹵獲された車両はしばしば戦闘の痕跡が残っているため、修理や改修には時間や費用がかかることがある。

通常、兵器をおいていく場合、爆破してその性能や鹵獲を防止することが一般的であるが、ロシアは破壊する間もなく逃げ出していることがわかる

戦争の道具

ウクライナとロシアの戦争において、BMPTターミネーターという車両はあくまでも一部の側面や要素でしかなく、戦争全体を代表するものではない。

しかしながら、ターミネーターは戦場での戦闘において強力な武器と防御機能を有しているため戦闘結果に大きな影響を与えることはいうまでもない。

また、ターミネーターは戦場での情報収集や支援、兵士の生存率の向上にも大きく役立つ優れた車両となっている。

このようなことから、ウクライナ側がロシア軍のターミネーターを鹵獲している理由は一定の理解ができるものでもある。

しかし、ターミネーターを通して語ることができるのは、このような技術的な側面や戦術的な要素に限られることを覚えておかなければならない。

戦争は、単なる技術的な要素だけでなく、複雑な政治的・経済的・社会的な要素が絡み合ったものであり、また、人命に関わる深刻な問題である。

ターミネーターはあくまで戦争の道具の一部に過ぎず、戦争全体を語るためには、幅広い視点を持ち、複数の要素を総合的に分析する必要がある。

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