「私は死んでいるはずだった」トランプ大統領を狙ったAR-15の性能と威力
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銃声が響いたのは、トランプ大統領が演説を始めてからわずか6分21秒後だった。

トランプ大統領は右耳に被弾し負傷したが、弾道があと数センチずれていたら頭部に直撃していたという。

分析によれば、もしその数センチの誤差がなければ、彼の命は奪われていただろう。

まさに「紙一重」という表現がぴったりの状況であり、偶然の重なりが彼を救ったのだ。

今回は、トランプ大統領暗殺未遂で使用された自動小銃AR-15の驚くべき威力と、容疑者の全貌について解説していこう。

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演台から140メートル先、トランプ大統領を狙った容疑者とは?

演台は見通しのいい場所に設置されていたが、約140メートル離れたところに工場の建物があり、容疑者はそこからトランプ氏を狙撃した。

120メートル先での約3センチのズレは、手元ではわずかコンマ1度の差に過ぎない。

ズームインした映像には、銃弾がドナルド・トランプの耳に命中するほんの数ミリ秒前に、彼が首を傾げている様子がはっきりと映っている。

スロー映像で弾丸が耳をかすめる瞬間が捉えられていた。

最後の1ミリ秒の頭の動きが生死の分かれ道となったのだ。

分析動画はこちら

発砲後、容疑者は即座に警護スナイパーの銃弾によって命を落とした。

トーマス・クルックス容疑者は父親が合法的に購入した半自動小銃AR-15を使用。

AR-15は殺傷力が高いにもかかわらず、米国では一般市民でも入手可能なライフルで、度重なる銃乱射事件でも頻繁に使用されている。

容疑者の車両からは爆発装置のようなものや携帯電話などが押収された。

クルックス容疑者の自宅は、会場から約55キロ離れたペンシルベニア州ピッツバーグ南方のベセルパークにあり、閑静な住宅街に位置していた。

クルックス容疑者は2022年に高校を卒業し、今年5月にコミュニティ・カレッジを卒業した後、地元のリハビリ施設で勤務していた。

高校時代、彼は友達が少なく、昼食の時間には一人で座っていることが多かったという。

いじめを受けていたという証言もある。

そんな彼が地元の高校を卒業する際、数学と科学での優れた成績が地元紙で報じられた。

また、彼は高校のライフルチームの選抜試験に挑戦したが、不合格となった。

また、ライフルや銃の取り扱いを訓練できるガンマニアが集うクラブにも1年間所属していた。

自宅周辺にはガン・クラブが多く、狩猟も盛んだったという。

捜査当局は動機や背後関係の調査を進めているが、単独犯とみられ、トランプ氏を狙った特定の思想や政治的信条は明らかになっていない。

今回使用された自動小銃AR-15とは、いったいどのような銃なのだろうか?

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銃乱射事件で使用されるAR-15、なぜこの銃が選ばれるのか?

事件当日、彼は射撃場に行きたいと父親に伝え銃を借り、弾丸は自分で最近購入したものだった。

トランプ氏の銃撃に使われたのは、容疑者の父親が購入していたAR-15アサルトライフルだった。

この銃は全米で2000万丁以上が流通しており、過去の多くの銃乱射事件でも使用されてきた。

アメリカの銃乱射事件には、少なくとも1つ共通点がある。

それがAR-15だ。

AR-15は「アメリカで販売されたライフルの中で一番人気がある」と言われる。

この人気が、銃乱射事件での使用頻度に直接影響している。

例えば、2012年12月にコネチカット州で起きたサンディフック小学校銃乱射事件、2012年7月にコロラド州オーロラの映画館での乱射事件、2015年12月のカリフォルニア州の福祉施設でのサンバーナーディーノ乱射事件など、いずれもAR-15が使用されている。

2016年6月12日にフロリダ州オーランドのナイトクラブで発生した乱射事件でもAR-15タイプのアサルトライフルが使用された。

この銃は本来、警察の特殊部隊が使用するために開発されたもので、その高い殺傷力と信頼性から多くの犯罪に使用されている。

AR-15の特徴として、以下の点が挙げられる。

カスタマイズ性:AR-15は部品の交換や追加が容易であり、使用者が自分好みにカスタマイズできる。

使いやすさ:初心者でも扱いやすく、精度が高い。

入手の容易さ:米国では多くの州で合法的に購入でき、流通量が多い。

これらの理由から、AR-15は一般市民に広く普及しており、その結果、銃乱射事件でも頻繁に使用されることになっている。

AR-15ライフルは、「できるだけ早く多くの人を殺める」ことを目的に設計されている。

そのため、銃乱射事件で頻繁に使用される。

さらに、「子供たちに人気のあるビデオゲームを模倣した広告」で宣伝されることが多く、その魅力が増幅される。

1994年に施行されたアサルト・ウェポン規制法のもとで、アメリカに出回っていたAR-15型ライフルは約850万丁だった。

しかし、この規制が2004年に失効すると、AR-15は広く普及し、銃乱射事件で使用されることが増えた。

AR-15は米軍採用小銃M16の民間仕様であり、連射機能を省いているが、その性能は高い。

反動が少なく、連続発砲がしやすいため150メートル先の標的にも命中する。

AR-15は、5.56mmの弾丸を使用し、銃口速度は秒速約1000メートルに達する。

これは一般的なグロック拳銃に比べて約3倍の速度だ。

軍隊仕様のAR-15は戦場での使用を前提に設計されており、大量の弾丸を発射できる。

反動が少なく、照準を合わせやすいため、初心者でも簡単に撃つことができる。

この銃の人気は、さまざまなカスタマイズが可能であることにも起因する。

スコープや大容量の弾倉、バンプストック(半自動火器を連射可能な自動火器に変える装置)など、さまざまなアクセサリーを追加できる。

これにより、AR-15はユーザーの好みに応じて改造され、さらに魅力を増している。

AR-15の有効射程は少なくとも約400メートル以上であり、これはグロックの160フィート約50メートルを大幅に上回る。

この長い射程距離が、AR-15を銃乱射事件で効果的な武器としている。

1986年に銃所有者保護法が制定される以前、銃の販売業者は自動火器を合法的に販売することができた。

初期のAR-15は半自動火器であり、引き金を引くたびに一発ずつ発射される。

一方、自動火器は引き金を引き続けるだけで連続して弾丸を発射する。

これらの特徴が重なり、AR-15は銃乱射事件で頻繁に使用されることとなった。

高い殺傷能力、使いやすさ、広範なカスタマイズ性、そして長い射程距離が、犯罪者にとって非常に魅力的な武器となっている。

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トランプ氏狙撃事件で浮かび上がる AR-15の恐るべき破壊力

AR-15の人気の一因は、その圧倒的な殺傷能力にある。

9mmのピストルと比較してAR-15が人体に与える損傷であるが、9mmピストルの損傷がナイフで切られたようなものであれば、AR-15のダメージはまるで手榴弾が体内で爆発したかのようになる。

弾丸のエネルギーが大きければ大きいほど、与える損傷も大きくなる。

ピストルの弾丸は、AR-15の弾丸に比べると速度が遅く、例えば太ももの骨に当たるとそこで止まることもある。

骨を貫通しても、通常は皮膚内にとどまる。

一方、AR-15の弾丸は比較的小型だが、ピストルの弾丸の3倍のスピードで銃口から放たれ、非常に大きなエネルギーを持つ。

そのため、脚の骨を粉々にするほどの威力がある。

さらに、AR-15の弾丸が肝臓を直撃した場合、肝臓はまるで床に落とされたゼリーのようになる。

高速の銃弾は撃たれた部位以外の組織にも損傷を与え、「キャヴィテーション」と呼ばれる現象を引き起こす。

これは銃弾が体内を通過する際に周囲の組織に衝撃波を発生させ、広範囲にわたって深刻な損傷を与える現象だ。

キャヴィテーションは、水に指を浸して動かすとさざ波が立つのと同じ原理で、弾丸が体内を通過する際に周囲の組織に衝撃波を生じさせる。

ただし、その激しさは比べものにならない。

AR-15の弾丸は、たとえ直接大腿動脈に当たらなくても、キャヴィテーションによって大腿動脈を破裂させることがある。

弾丸が持つ膨大なエネルギーにより、撃たれた部位だけでなくその周辺の組織にも広範囲に損傷を与える。

AR-15は、州によって購入の難易度に差はあるが、比較的簡単に手に入る。

例えば、フロリダ州では18歳以上で犯罪歴がなければ、待ち時間なしでAR-15を購入できる。

驚くことに、500ドルほどで買える店も存在する。

アメリカの銃メーカー5社は、過去10年間に銃乱射事件で注目を集めたAR-15と同じ形式の狙撃用ライフルの販売で10億ドル以上を稼いでいる。

これは、AR-15の人気とその市場の大きさを物語っている。

アメリカの一般市民が所有する銃の総数は3億9300万丁で、これはアメリカの人口約3億3000万人を上回っている。

このような背景から、法律が制定されても、「悪人たちの銃器へのアクセス」を完全に制限できない限り、悲惨な事件はなくならないだろう。

次の動画では、3.8㎞先のロシア将校を狙撃したウクライナのスナイパーについて解説しよう。

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