ロシア黒海艦隊の現在!被害を受けたモスクワと黒海の海上封鎖作戦の影響
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黒海艦隊の存在が今、ロシアの海上戦略にとってどれほどの影響を及ぼしているのか?

クリミア半島の深部へと進出したウクライナ軍の長距離攻撃の前に、黒海艦隊は震えてウクライナの沿岸に接近することすらできない。

これこそが、黒海艦隊がもはや無力化した現状を表している。

ところが、ウクライナの港に進入する全ての船を軍事目標と見なし、海上封鎖に近い状態を作り出していることが問題となっている。

今回は、ロシアの黒海艦隊の現状と水中に潜む生物兵器、そして黒海の海上封鎖作戦の影響について解説していこう。

しまかぜ

この内容は動画でも見れるよ!

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ロシア黒海艦隊の現状とモスクワの撃沈

ロシア海軍は、4つの主要艦隊と1つの小艦隊で構成されている。

ロシアの海上戦力は、その各艦隊が基地としている港によって特徴づけられている。

北極圏のバレンツ海を見下ろすムルマンスクは北方艦隊の本拠地で、バルト海のカリーニングラードはバルト艦隊、極東のウラジオストクは太平洋艦隊、黒海のセバストポリは黒海艦隊、そしてカスピ海のアストラハンはカスピ小艦隊がそれぞれ本拠地としている。

これらの艦隊の中でも特に注目すべきは、事実上の空母である「アドミラル・クズネツォフ」を保有する北方艦隊と、その次に力を持つ黒海艦隊だ。

クリミア半島を拠点とする黒海艦隊は、20機以上の戦闘機を擁する2つの航空部隊を持つが、ウクライナの攻撃で航空基地が爆破され、その戦闘力は半減した。

さらに、少なくとも24機の航空機と14機のヘリコプターを本国に後退させる事態になった。

バルト艦隊が地形上、NATOとの対抗に不利な立場に置かれているのに対して、黒海艦隊はロシアの懐に位置する。

基地となるセバストポリはウクライナ領にあるものの、周囲は実質的にロシアの支配下だ。

一方で、2010年頃の黒海艦隊にとって最大の課題は艦隊の老朽化だった。

約40隻の艦艇のうち、稼働状態にあるものは僅か20隻程度でしかなかった。

そのため、ロシア海軍は2020年までに黒海艦隊の近代化を重視した計画を進めてきた。

2022年のウクライナ侵攻時には、ロシアの海上戦力の主力を担ったが、反撃による損失や本部への攻撃も受けた。

特に、黒海艦隊旗艦であるミサイル巡洋艦「モスクワ」は、ウクライナが開発した地対艦巡航ミサイル「ネプチューン」2発によって沈没させられた。

「ネプチューン」は2014年のクリミア半島併合後、ロシアからの黒海における脅威が増したためにウクライナが開発したものだ。

ロシアは当初「モスクワ」で火災が発生し弾薬が爆発したと説明したが、それは軍艦の特性上考えにくいといえる。

軍艦は武器、燃料、弾薬が一体となっており、普通のビルの約50倍の密度でスプリンクラーが設置されており、最後の手段としてミサイル区画に海水を張ることで爆発を防いでいる。

対艦ミサイルが命中した場合、このような安全装置の全てまたは一部が作動不能になり、それが結果として搭載ミサイルや弾薬の爆発につながることが多い。

モスクワの悲劇は、まさにウクライナのミサイル攻撃によって機能が停止し、そして12時間後沈没したのだ。

ウクライナ軍の長距離攻撃がクリミア半島の奥深くに迫る中、黒海艦隊は恐怖によってウクライナ沿岸に進出することを阻まれている。

この現状から、黒海艦隊がもはや「機能しない存在」になってしまったと言わざるを得ない。

そんな中、黒海艦隊が野生のイルカを訓練して兵器として使用していると指摘されている。

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「高等生物兵器」ロシアの訓練イルカによる防衛戦略

ロシア海軍が海軍防衛の一環としてバンドウイルカの訓練を行っている可能性が高いと示唆されている。

これら訓練されたイルカは「高等生物兵器」とも称され、その主要な任務とは、ウクライナのダイバーの潜入を検知することだ。

特訓を積んだこれらのイルカは敵の潜水工作員を探し出し、捕らえる技術を持っていると言われている。

そしてもし捕らえることができなかった場合、訓練により侵入者を殺すためのスキルも身につけているという。

ロシア海軍は昨年の夏から、黒海艦隊が置かれている港の監視を強化し、港内には少なくとも四重のネットを張っている。

衛星画像からは、港内に急速に波立つ潮流が見受けられ、これは「ここ最近で訓練された海洋哺乳類が増えた証拠かもしれない」と推測されている。

ロシア海軍は動物を軍事的に訓練し、北極海ではシロイルカが使われていると伝えられている。

冷戦時代には、ソビエト連邦とアメリカは軍用イルカを潜水艦や艦船の防衛に利用していた。

2019年には、ノルウェー沖でロシア製のハーネスを身につけたシロイルカが発見され、これが軍用として逃亡したイルカかもしれないという仮説が立てられた。

冷戦の時代、旧ソ連と米国は共にイルカを軍事的に使用し、潜水艦や機雷を検出し、湾や船の周辺に不審物や人間がいることを探し出す訓練を施していた。

2014年のクリミアの危機の際には、ロシア軍がウクライナ軍の「バンドウイルカ部隊」を捕獲したと報じられている。

ロシア海軍はさまざまな任務のために海洋哺乳動物を訓練しており、北極海ではシロイルカやアザラシも動員しているという。

アメリカ海軍も、同様のプログラムを1960年代から実施している。

これらの動物は深海や濁った水中で目標を感知し見つけ出す能力があり、これは現在の人間の技術では模倣できないため、軍から見れば非常に有用な存在である。

自爆攻撃による潜水艦の破壊、潜水艦を探すためのソナー撹乱装置の装着、さらにはイルカ同士の戦闘までもが計画されているとされる。

ロシアは、さらに黒海を封鎖することで先進国に揺さぶりをかける軍事作戦に出た。

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黒海の海上封鎖 ロシアの新たな軍事戦略とは?

ロシアの国防省は、ウクライナの港に進行中のすべての船舶が軍事物資を運んでいるとの立場を示し、それらが潜在的な攻撃対象になり得ると明言した。

黒海の水域では、ロシア海軍が最新鋭の戦艦を展開し、時折、民間船の航行を妨げていることから、航行の安全性についての不安が高まっている。

ロシアがウクライナ港を利用する一切の船舶を攻撃対象と見なし、海上封鎖に近い状態を作り出している。

ウクライナ産穀物の出荷を黒海経由で行うことを見越して、ロシアは黒海艦隊の船舶の配置を変更し、ウクライナ封鎖の前哨戦として行動しているとの見解が存在する。

引用:産経新聞

穀物はウクライナから出発し、トルコのボスポラス海峡を経由する。

ここで国連は船上の兵器を検査し、船舶は海峡に入り北上を続ける。

ウクライナの近海では、「海洋人道回廊」と称される安全な航路を通行する。

人道回廊とは、一般的に戦闘地帯から民間人が安全に避難できるよう設けられた停戦地帯で、戦闘当事者らの合意により設置されるルートのことである。

船舶はウクライナの港に入港し、穀物を積んで出航する。

これらの海洋人道回廊ルートが攻撃対象にされるという事実は、船舶業界にとって衝撃的だ。

ロシアの黒海封鎖の狙いは、ウクライナが穀物を輸出する主要ルートを遮断し、その経済に深刻な影響を与えることである。

ロシアは、ウクライナの港に入港するすべての船を、軍事目的の運搬船と見なしている。

これは、ウクライナが穀物を輸出するために必要な人道回廊を通る船舶も攻撃の対象となり得ることを示している。

ウクライナは大量の小麦を生産し、「ヨーロッパのパンかご」とも言われている。

だが、ロシアによるウクライナ侵攻の影響で、2023年の穀物生産量は侵攻前の2021年の半分程度にまで落ち込む見通しだ。

引用:NHK

これは世界の食糧供給に大きな影響を与えると予想されている。

ロシアのこの行動は、世界中で苦境に立たされている人々にさらなる打撃を与える可能性がある。

ロシアが黒海を封鎖し、ウクライナからの穀物輸出が停滞すると、世界的な穀物価格が急騰するという問題が起こる。

ウクライナ軍の攻撃により「モスクワ」級巡洋艦を失ったとはいえ、黒海艦隊にはまだ多くのフリゲート艦、潜水艦、ミサイル艇が存在し、それらは民間船舶にとって侮れない脅威である。

だが、軽率な行動を取れば再度、ウクライナの対艦ミサイルの攻撃にさらされる恐れもある。

今後も穀物輸送の妨害に取り組むかどうかは、ロシアが対ミサイル防御策を強化できているかどうかを見極める好機でもあるだろう。

次の動画では、海上自衛隊とロシア海軍の戦力を比較していこう。

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