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ウクライナはロシアと比較して総合的な軍事力は劣っているにもかかわらず、侵攻を食い止め抵抗を続けている。
その背景には、世界30カ国以上が支援する軍用機の存在がある。
ウクライナ国内にはロシアとの「戦闘データ」を受信して処理し、それをウクライナ軍に伝えるNATO要員が配置されているという。
その情報を収集するのが、各国から派遣された軍用機である。
NATO軍はロシアに対して直接攻撃はしないものの、ウクライナに軍用機や兵器などの支援を行っている。
各国は、一体どのような軍用機を派遣しているのだろうか?
動画でもウクライナに派遣された軍用機について、その種類と任務について説明するよ!
ウクライナを支えるNATO軍
ウクライナを支援するために各国からは、F-15、F-16、ステルス戦闘機F-35A、爆撃機B-52などのほか、早期警戒機や偵察機、空中給油機KC-135も派遣されている。
NATOとは北大西洋条約機構のことで、1949年にソビエトとドイツの軍備が拡大することを恐れて,
アメリカをはじめ、ヨーロッパの国など12カ国で協定を結んだのが始まりである。
現在NATOには30カ国が加盟しており、新たに承認される予定のフィンランドとスウェーデンを合わせると32カ国になる。
NATOの加盟国は徐々に増え、ユーラシア大陸の東方に拡大しつつ、旧ソ連領であったラトビア、エストニア、リトアニアのバルト3国も加わったことにより、現在もロシアのNATOへの反発は続いている。
NATOはバルト三国のほか、ポーランド、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリア、スロバキアの8カ国の戦闘機や早期警戒機、空中給油機を派遣しロシアに対して「牽制」を行っている。
軍事行動における牽制とは、こちらの軍事力を誇示して相手を自由に行動させないようにすることである。
兵力としては、アメリカ軍10万人、NATÖ軍4万人、航空機130機、アドリア海に待機する艦艇40隻といった戦力のほか、エーゲ海にはアメリカ、フランス、イタリアの空母打撃軍が展開しており、いつでも航空作戦が行える状態を維持している。
さらに軍事大国であるアメリカ、イギリス、フランスをはじめヨーロッパの国々17カ国がそれぞれ4機の戦闘機を6ヶ月交代で派遣している。
このようにウクライナのバックには非常に強力な部隊が控えており、実質ロシアの真の敵はウクライナと、それを支援する国々といっても過言ではない。
では、ウクライナを支援している軍用機はどのような活動を行っているのだろうか?
NATOの軍用機の活動内容
ロシアがウクライナ国境に軍隊を移動させたことをきっかけに、2021年4月にイタリア空軍の4機のF-35Aが初めてエストニアのアマーリ基地に派遣された。
ロシア軍の移動が、ウクライナ侵攻の準備段階ととらえたNATOは、さらにイタリア空軍のユーロファイターを4機、同基地に派遣。
その後、ポーランド空軍のF-16C、ベルギー空軍F-16AMも追加で派遣された。
ロシア軍の攻撃が激しさを増したことにより、アメリカ空軍は6機のF-15ストライクイーグルをアマーリ基地に派遣した。
この6機は、後にフランス空軍のミラージュと交替している。
一方、リトアニアのシャウレイ基地にはデンマーク空軍のF-16AM、チェコ空軍のグリペン、スペイン空軍のEF-18が次々と派遣された。
一方、アメリカ空軍の爆撃機B-52Hは空中給油を受けつつ23時間以上の連続飛行を行い、ロシアに対して航続能力の高さを見せつけた。
B-52Hが搭載している巡航ミサイルAGM-86Bの射程は約2400kmで、飛行ルートからはモスクワまでを射程圏内に収めており、核兵器の使用をちらつかせるロシアに対する威嚇ともとれる。
これ以外にも各国の様々な軍用機が投入されたことから、複雑になった指揮系統を効率化するためにドイツのラムシュタイン基地に司令部が置かれ、総合的な指揮がとられることとなった。
また、多くの戦闘機が作戦を遂行するためには空中給油機の存在は必須である。
ウクライナ周辺で支援を行った空中給油機
空中給油とは、軍用機に対して飛行しながら給油を行う作戦で、基地に戻る必要がないため長時間の作戦が可能となる。
ウクライナ周辺で支援している給油機であるKC-135は最大90トン、A330MRTTは111トンもの給油能力をもつ。
戦闘機への平均給油量は約5000ポンドなのでKC-135は100機分が可能で、さらに搭載量の多いA330MRTTの場合、120機以上の燃料を補給することができる。
他にもKC-64Aペガサスも戦闘機に対し空中給油を行っている。
また、ロシアの情報を収集し、ウクライナに提供して攻撃させるために早期警戒機の派遣も行っている。
ウクライナの目となる早期警戒機と偵察機
戦闘機による支援の裏で、NATOはロシア周辺に偵察機を飛行させ、戦況把握とロシア軍の情報収集を行い、その情報をウクライナに伝えている。
偵察機の種類はアメリカのP-8、ドイツのP-3、イギリスのRC-135のほか、軍事ドローンのグローバルホークが活動している。
表向きは支援という形であるが、生の戦闘情報を得ることができる貴重な機会ということもあり、各国は積極的に偵察機の派遣をしている。
戦車などの車両の監視やターゲッティングを上空から行い、偵察機の能力テストもかねていることは間違いないだろう。
また、リトアニアからはRC-12Xガードレールという偵察機を飛ばし、ベラルーシ国境付近において、ロシア軍とベラルーシ軍の通信傍受を実際しているほか、レーダーの電波を探知して分析する活動も行っている。
民間値察機も飛行する状態となっており、生の戦闘を用いた偵察システムの開発試験場といえる状況になっている。
また、空飛ぶレーダーサイトといわれる早期警戒機も活動している。
早期警戒機は上空で非常に広い範囲の目標を探知することができるという特徴がある。
戦闘機のレーダーは基本的には前方のみを捜索し、探知距離は180km前後であるのに対し、早期警戒機の背中に装備されている円盤型のレーダーは高度8000mで400km前後の目標を360度探知できる能力をもつ。
早期警戒機はロシア軍が攻撃できないポーランドの上空などで監視飛行を行いウクライナの目となり、その情報を戦闘機や艦艇などに共有して攻撃させる任務である。
NATO軍の戦闘機や爆撃機はロシアに対する警戒と抑止が目的であるのに対し、早期警戒機はロシア軍の位置をウクライナ軍の戦闘機や地対空ミサイルなどに提供し攻撃させることで、侵攻を食い止める大きな役割を果たしている。
戦闘機のように直接攻撃はできないものの、ロシアに与えた影響は計り知れない。
現在の戦闘において早期警戒機なしでは制空権は奪えないというほど重要な航空機である。
このような中、ロシア軍の攻撃により撃墜された機体も少なくはない。
撃墜された軍用機とロシアのステルス機
NATOの早期警戒機が国境上空からウクライナに情報提供という支援を受けつつも、ロシアの地対空ミサイル攻撃により、初日だけでMig-29とSu-27の合計9機を失っている。
Su-25においては、ミサイルを食らい大破したものの、着陸した姿が確認されている。
ロシア最新鋭の第5世代超音速ステルス戦闘機SU-57を保有しているものの、ウクライナ戦争では使用していない。
Su-57は、アメリカ軍のF-35戦闘機に対抗するために開発されたステルス機であるにもかかわらず、その姿を現していない。
その理由として、もし撃墜された場合に生じる評判へのダメージ、今後の輸出国への影響、そして機密技術回収を避けるためだと考えられる。
もう一つの理由は、SU-57が実践配備されている数はわずか数機という理由である。
数もそろっていない戦闘機を単発的に運用しても成果は知れている。
つまり、最新鋭戦闘機を持っていることと、戦争でそれをうまく使えるかどうかは違うのである。
次の動画では、激しい空戦の中、ウクライナの救世主ともいえる「キーウの幽霊」と呼ばれる伝説の戦闘機が現われたことについて解説しよう。
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