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ロシアがウクライナに軍事侵攻して、すでに数週間が経過しているが、当初、プーチン大統領は、2、3日の間にウクライナの首都・キエフを陥落させることができると考えていたようだ。
しかし、実際にはウクライナの予想外の抵抗に苦戦し、陥落することができずにいる。
そのような中、ウクライナの最新兵器である無人機バイラクタルTB2が予想以上の活躍をみせ、ロシア軍を苦しめている。
この戦術ドローン「TB2」は長所と短所が極端で、使いこなすことが難しいとされているがウクライナ軍が優れた運用を行っている。
これに対しプーチン大統領は焦りと苛立ちをみせている。
今回は、ウクライナがロシアを苦戦させている「バイラクタルTB2」とはどのような兵器か?またロシア軍に対するドローン攻撃の成果や、今後の戦争を変える軍事用ドローンについて解説していこう。
バイラクタルTB2がロシアを攻撃する動画も見てね!
ウクライナの最新兵器「バイラクタルTB2」
ロシアとウクライナの戦いの中で、ウクライナが敵軍を叩くために大きな成果を生み出す兵器として機体が高まっているのが無人機バイラクタルTB2だ。
このバイラクタルTB2は、トルコのバイカルがトルコ空軍用に開発、製造した中高度長時間滞空型の無人戦闘航空機である。
リモートコントロールによる操作に加えて、自律飛行操作も可能なのだ。
元々はトルコのベーカー・ディフェンス社が同国軍専用に製造しているのだか、衛星を介して、機体は地上管制所のオペレーターが制御している。
アメリカ軍のプレデターのように武器の使用も可能である。
ウクライナは、このバイラクタルTB2を開戦前にトルコから18機納入しており、追加で合計で30機を超えるTB2を保有しているとされている。
過去にはナゴルノ・カラバフ紛争で使用されていたのだが、今回のロシア軍侵攻に対しても有効的な攻撃ができる可能性はあることを専門家も示唆している。
これまでウクライナのTB2は、ロシア軍の歩兵戦闘車を始め、牽引式榴弾砲(りゅうだんほう)・地対空ミサイル・移動式通信システム・燃料輸送車・軍用車輌を破壊した。
カメラにより、その瞬間を映像・画像で確認することもでき、重要な航空支援機の役割を果たしているのだ。
TB2はロシア軍と比較して少数のウクライナ軍にとって重要、且つ貴重な戦力であり、ロシア軍にとっては想定外の被害を受けていることになる。
しかも、その後、TB2がロムヌイ地区のロシア軍の集積場を襲撃。
80輌もの車輌を破壊しただけなく、他地区にあるロシア軍戦車・装甲車も破壊したとしているのだ。
バイラクタルTB2は電気光学・赤外線カメラ・レーザー指示装置・レーザー距離計・レーザーポインターが搭載されており、4つの長距離対戦車ミサイルを始め、小型精密誘導爆弾・レーザー誘導ミサイルが搭載可能。
短距離対空ミサイルの射程外高度5千m~8千mの高高度を130km/hの低速で最大27時間、6000kmを飛行できる攻撃ドローンなのである。
バイラクタルTB2によるロシア軍への攻撃
ウクライナでは民間人を含む多くの死傷者が出ており、東欧諸国に向けて100万人以上の避難民で溢れているが、ますますその規模は拡大する一方だ。
しかし、ロシア側の犠牲の規模は決して小さくなく、公式発表ではロシア兵の死者は数百人となっているものの、実際にはその数倍に昇っているではないかと言われている。
このようにロシア軍の進軍を止めたのは、バイラクタルTB2の存在も大きく影響している。
ウクライナ側はロシア軍の侵攻に対して、バイラクタルTB2によるドローン攻撃を積極的に展開。
戦闘が開始されてまもない時点でも32両の戦闘車両を破壊した。
TB2のドローン攻撃はそれだけに留まらず、ロシア軍の地対空ミサイル基地を爆撃することにも成功し、軍の車列を攻撃して、さらにその時の攻撃映像がSNSで拡散されてしまったために、ロシア軍に対して情報戦でもウクライナが大きなダメージを与えたと言ってもいいだろう。
実質的に自国の制空権を守ったと言っていいだろう。
しかし、バイラクタルTB2の知名度が高くなったのは、今回の戦闘ではない。
2020年にアルメニアとアゼルバイジャンによるナゴルノ・カラバフ紛争でその存在意義が証明されたと言ってもいいだろう。
トルコからの支援を受けたアゼルバイジャンがTB2を用いて、アルメニアの防空拠点や戦闘車両を攻撃して多大な戦果を挙げたのだ。
このことから、ポーランドを始め、パキスタン・イラク・エチオピアなど国々が採用を決定。
TB2は、6機1セットで2台の地上管制局、3台の地上データ端末、2台のリモートビデオ端末と地上支援装置セット6,900万ドルになるが、通常の戦闘機と比べると、決して高くはない費用ではないだろうか。
このようにドローン兵器が大国ロシアの侵攻を防いでいることを考えると、これまでの戦術のあり方が大きく変わってくるのかもしれない。
現代の戦争ではドローン攻撃は必須であるが、メリットだけでなくデメリットも存在する。
無人機のメリット、デメリット
バイラクタルTB2の導入によって、何とかウクライナはロシアからの侵攻に徹底抗戦しているのが実状だ。
一般的にも、ドローンを使うメリットを考えると、無人であるがゆえにどのような環境であっても、直接人間が現地に行かずに状況を確認することができ、そのまま映像を撮影・送信することも可能だ。
これが戦闘の場面になると、さらにもたらされる効果が大きいことは明白である。
敵軍から攻撃されたとしても、実際には命を落とすことはない。
あくまで遠隔制御なので、機体を失うだけなのだ。
その証拠に、アルメニアがアゼルバイジャンにバイラクタルTB2によって、大きな打撃を与えた。
このことから近隣諸国が採用を決めたことでも、TB2の有用性が理解できる。
いずれにしてもパイロットが直接、戦地に向かって撃墜される心配がないことが大きなメリットと言っていいだろう。
そのために限られたリソースを最大に活用できる点も大きな特徴と言っていい。
その一方でデメリットが全くないわけでもない。
過去にはアメリカのドローン攻撃によって中東の罪なき市民に被害をもたらしてしまうという事例も出ている。
飛行速度は遅くステルス性もないため、敵からの撃墜確率は高くなってしまう。
また、電波を使用して遠隔操作を行うため、重装備の正規軍の場合、電子妨害によりコントロール不能に陥る恐れもある。
つまり、バイラクタルTB2などのドローン兵器が真価を発揮できるのは味方の制空権下に限定されてくる。
今後の戦争を変える軍事用ドローン
これまで大きな戦力差でウクライナを圧倒し、数日の間に首都・キエフを攻略するだとうと見られてきたロシア軍。
大勢の予想を裏切り、ウクライナは今でも徹底抗戦している。
これもバイラクタルTB2というドローン兵器で、これまでとは異なった戦術で敵軍を撃退していることが少なくとも影響しているといえる。
このような戦闘方法はこれまで物量に頼った空母打撃群にさえ対応できる可能性があると言われてきたのだが、果たしてこれだけでロシア軍の撤退を実現できるかは、未知数と言っていいだろう。
軍事用ドローンの開発は「パイロットが死なない」ための無人化が原点であったが、今後さらに進化することで「人が介在しない戦争」になっていく可能性を秘めている。
ドローンによる完全自立が実現すれば、まさに戦争のあり方を変える「ゲームチェンジャー」となるだろう。
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