Amazonのオーディオブック12万タイトルの本を好きなだけお楽しみいただけます。・本の1冊分の月額で聴き放題
・料金をメリットが上回る
・いつでも読書できる
・読書量が格段に増え、積読が解消される
・長時間の読書も目が疲れない
・聴くたびに学びを感じる
夜の帳が下りたある時、ロシア海軍所属のミサイルコルベット「イワノベツ」は、未知の脅威に直面する。
水面を滑るように進む無人の水上ドローンたちが、闇夜に紛れて接近してきたのだ。
乗組員たちは緊張の中、機関銃や艦砲で応戦を試みるが、どれもこれも空しく海へと消えていった。
しかし、この攻撃はただの始まりに過ぎなかった。
今回は、ウクライナがロシアに仕掛けたハイテク兵器「水上ドローン」の脅威と米軍の今後の作戦について解説していこう。
この記事に書かれている内容は
黒海艦隊に打つ手なし!ウクライナ水上ドローンの圧倒的な攻撃力
ウクライナ国防省は、クリミア西部の海域での衝撃的な事件を捉えた動画を世界に向けて公開した。
その中心にあるのは、「イワノベツ」と名付けられたロシア海軍のコルベットが、水上ドローンによる未曽有の攻撃を受け、海の藻屑と化す様子だ。
使用されたのはジェットスキーのように駆動する小型ながらも、航続距離約800キロを誇る水上ドローン「マグラ」だ。
「マグラ」は、ウクライナ沿岸からクリミア半島の目標を攻撃する作戦行動の新たな可能性を開いている。
スターリンクの衛星接続を介して遠隔操作され長距離航行がプログラミングでき、目標接近時には手動での精密操作も可能だ。
一方、ロシアの軍艦がこの新しい兵器に対応していないことは、イワノベッツの悲劇からも明らかだ。
艦船間の戦闘に適した大砲を主武装としているため、小型のドローンによる攻撃を効果的に阻止することができなかったのである。
ドローンが接近する中で放たれた砲弾は、目標を捉えることなく水面に着水し、最終的には艦を守ることはできなかった。
「マグラ」を操縦していたのは、コールサイン「13」と呼ばれるウクライナ国防省情報総局に所属する特殊部隊の隊員たちである。
「マグラ」を操縦し、クリミア半島やロシア軍に対して画期的な攻撃を展開してきた。
彼らの活動は、通常兵器の射程を大きく超え、敵に予期せぬ打撃を与える新たな戦術の幕開けを告げている。
この一件は、ただ単に戦闘の勝利を伝える以上の意味を持っている。
それは、米海軍を含む全世界の海軍にとって、無人機による脅威が増大していることを如実に示しているのだ。
爆薬を搭載し、衛星技術によって精密誘導された複数のドローンによりタランタル級コルベットとして海を駆けてきた「イワノベツ」は、490トンの堂々たる姿をクリミアの西岸近くの海底へと沈めた。
この艦には約50人のロシア軍人が乗っており、一瞬にして彼ら全員が命を落とした可能性があるという。
1980年代に建造されたこの艦の最期は、残念ながら悲劇的な結末を迎えた。
これは、ロシア黒海艦隊にとって、また一つの重大な損失であった。
ウクライナは、戦略的に重要な自国南部の港を防衛し、穀物輸出を再開するため、ロシア黒海艦隊に対する継続的な圧力を加えてきた。
この成功は、穀物市場へのアクセスを確保し、経済的収入を増やすという点で、国にとって極めて重要な成果である。
しかし、これらの成果の背後には、水上ドローンという非対称的な戦術が鍵を握っている。
このような技術を用いた攻撃は、敵に対して深刻な損害を与えることができるのだ。
ロシア海軍が水上艦の運用をためらうようになるのは、時間の問題かもしれない。
ロシアはこの攻撃についてのコメントを避けているが、水上ドローンが通常300kgの爆薬を搭載し、今回の攻撃には最大6隻が使用されたと分析している。
一方、ウクライナ側は、6隻の「マグラ」水上ドローンが「イワノベツ」に直撃したと述べている。
この攻撃による損害は、ロシアにとって約6000万~7000万ドル(約89億~100億円)という大きな経済的損失を意味している。
この事実は、技術が進化するにつれて、より多くの水上ドローンが高価な艦船を撃沈または無力化する可能性があることを示唆している。
ウクライナ軍はその攻撃の手を強め、ロシア海軍の艦隊に甚大な打撃を与えた。
空からのミサイル攻撃により、揚陸艦2隻、潜水艦1隻、コルベット1隻、さらには退役した掃海艇1隻が破壊された。
これらの攻撃は、昨年水上ドローンが「タラントゥル」哨戒艇を攻撃し、これを沈没させた事件を始まりに、新たな次元へと突入した。
イワノベツがその後を追い、水上ドローンの攻撃によって沈没した2隻目の艦船となったのだ。
激闘の中、ロシア黒海艦隊は巡洋艦1隻、大型揚陸艦4隻、潜水艦1隻、補給艦1隻、そして数隻の哨戒艇・小型揚陸艇を失った。
- 2022年10月29日:掃海艇「イワン・ゴルベッツ」
- 2023年07月17日:クリミア大橋
- 2023年08月04日:揚陸艦「オレネゴルスキー・ゴルニャク」
- 2023年11月10日:小型揚陸艇「アクラ」型と「セルナ」型
- 2024年02月01日:コルベット「イワノヴェツ」
この損失リストに、最近イワノベツが加わったことは、黒海艦隊にとって大きな打撃である。
現在、ロシア艦隊はほぼ毎月のように艦船を失っており、その多くが攻撃に最も脆弱なクリミアやノボロシスクの港から撤退することを余儀なくされている。
この戦略により、ウクライナ軍は黒海艦隊の5分の1を破壊し、残りの艦船を東へと追いやることに成功した。
これによって、黒海西部とその穀物回廊を支配下に置くことに成功し、ウクライナの海軍だけでなく、経済にとっても大きな勝利を収めた。
ここ数週間で、ウクライナの穀物輸出は戦前の水準に戻り、農家には約60億ドル(約8900億円)の収入が見込まれている。
米海軍が導入する対ドローン最先端技術「DRAKE」
米海軍もこの問題に対処するために、中距離防御システムや近接防御システムを艦艇に搭載し、水上ドローンの取得を計画していることから、この脅威を認識していることがうかがえる。
特に、2021年には全ての水上艦に対ドローン電子戦システム「DRAKE(ドレイク)」を導入し、妨害電波により敵ドローンの動きを停止させる計画だ。
ドローンが使用する周波数に基づいて撃退することで機能し、特定の周波数がシステムの境界に入ると、ドローンが無効化される。
このような防御システムの重要性は、米海軍ミサイル駆逐艦「グレーブリー」が、イエメンの反政府勢力フーシ派から発射されたミサイルを撃墜した事例からも明らかだ。
この事例は、近接防御システムがいかに重要であるかを示している。
また、レーダー誘導方式のファランクス近接防御火器システム(CIWS)を装備するなど、対策を講じている。
近接防御システム(CIWS)は、軍艦などで対艦ミサイルなどの近距離防空に使用される武器システムで艦艇に接近したミサイルを撃破するための最終段階の防御システムである。
発射速度は毎分4,600~5,800発、最大有効射程3,000mと短いものの弾幕をはり、近接するミサイルやドローンを破壊する。
米海軍が、中国の台湾侵攻の可能性を抑止する新たな戦略として、攻撃型の無人艇の利用を計画していることが、軍事技術の進化とその戦術への影響に関する議論を再燃させている。
ドローンや水上ドローンがもたらす脅威への対応策として、米海軍は「指向性エネルギー兵器」いわゆる「レーザーウェポン」を含む先進的な防御システムの開発に力を入れている。
この動きは、ペルシャ湾や紅海での無人艇や小型ボートからの脅威に対処する長年の経験に基づいているが、技術の急速な発展が新たな対応を必要としていることを示している。
米海軍のPRIME計画とは? 水上ドローンが変える戦争のルール
米海軍は「PRIME(プライム)」というプロジェクトを通じて、自律型の海上阻止艇として機能する水上ドローンの大量生産を目指している。
この取り組みは、第5艦隊の作戦能力を向上させることを目的としており、紅海やペルシャ湾での米軍の存在感を強化することが期待されている。
アメリカ海軍の第5艦隊は、ペルシア湾、紅海、アラビア海からケニアまでの東アフリカを担当地域としている。
しかし、PRIMEプロジェクトにはもう一つ、重要な戦略的目標があるとされる。
それは、台湾海峡や西太平洋での作戦行動を想定した新型の水上ドローンを実戦配備することにより、中国による台湾侵攻の抑止力として機能させることだ。
この戦略が実際にどの程度の効果を発揮するのかは未知数だが、ウクライナが公開した動画が示唆する通り、小型でコスト効果の高い水上ドローンを適切な数量で使用すれば、敵の主要な海軍アセットを無力化することが可能になる。
ドローンはコストが安い割に高い効果を得られ、数十機から数百機単位で飛行制御し、目標に向かわせる「スウォーム攻撃」も想定されている。
数百機のうち9割以上を撃ち落としても、残る数機がレーザーサイトを破壊したり、滑走路に墜落しただけでも短時間は使用不能になる。
米海軍が「ヘルスケープ」と名付けた構想は、この考えをさらに推し進めたものだ。
この構想は、台湾侵攻を試みる敵に対して、攻撃型の無人機と無人艇を組み合わせた防御を展開することを想定している。
この戦略が実際に効果を発揮するかどうかは、今後の技術開発と実戦テストにかかっているが、ウクライナでの実例が示すように、低コストで高い殺傷力を持つ水上ドローンの可能性は、既存の戦術に大きな変革をもたらすかもしれない。
このような技術革新は、戦争のあり方に大きな変化をもたらす。
しかし、それによって引き起こされる軍事的、政治的な影響はどのようなものだろうか?
視聴者の皆さんは、無人艇やドローンのような新技術がもたらす未来の戦争について、どのように感じているだろうか?
戦艦が空母の登場によって役割を終えたように、これからの戦争の形態も大きく変わりつつある。
次の動画では、飛行迫撃砲ドローンがロシア戦車を破壊する瞬間をご覧いただきたい。
Amazonのオーディオブック12万タイトルの本を好きなだけお楽しみいただけます。・本の1冊分の月額で聴き放題
・料金をメリットが上回る
・いつでも読書できる
・読書量が格段に増え、積読が解消される
・長時間の読書も目が疲れない
・聴くたびに学びを感じる