潜水艦弾道ミサイル「やられたら、やり返す」報復核攻撃の2つの攻撃法
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日本海や東シナ海には国籍不明潜水艦が探知されることがある。

おそらく、ほとんどが中国の潜水艦による情報収集活動であろう。

潜水艦は水中から侵入してくるため、航空機のように簡単にレーダーで探知することはできない。

その潜水艦が搭載している武器は魚雷だけでなく、ミサイルを装備し、水中から奇襲攻撃を仕掛けることができるタイプも存在する。

潜水艦には対空、対艦ミサイルのほか、核弾頭ミサイルを多数搭載できるものもある。

日本は第2次世界大戦においてB-29から原爆を投下され、甚大な被害を受けたが、現在は潜水艦から相手の国に撃ち込むことが可能となっている。

しまかぜ

潜水艦の2つの攻撃法とその性能や特徴について動画でも解説!

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各国が潜水艦弾道ミサイルを持ちたがる理由

日本は唯一の戦争被爆国であり、そこで証明された核の破壊力は、世界の軍事大国に核保有を急がせることとなった。

自国に対して核を使わせないこと、つまり核抑止を実現させる方法はただ1つ、核で攻撃してきた国には核で報復攻撃をすることである。

これは、核保有国が暗黙の了解で認識していることである。

現在、日本の周辺国のうち、韓国以外の中国、北朝鮮、ロシアはすべて核武装しており、中国においては年々その数を増やしている。

現在、核の三本柱とよばれる発射プラットフォームは陸上、爆撃機、潜水艦の3種類が存在する。

陸上のミサイル施設や車両においては、常に相手の軍事衛星がにらみを利かせており、発射準備など情報が筒抜けの状態である。

そのため、地下からの発射など相手に暴露されない手段をとる必要がある。

また爆撃機による発射においては、レーダーに探知され爆撃機自体が撃墜されれば、核兵器による攻撃は無力化されてしまう。

その中でも、敵の攻撃から最も生き延びる可能性が高いのが、水中に潜む潜水艦である。

潜水艦はレーダーでは探知できず、もちろん軍事衛星からも発見されることはない。

そして、先制攻撃により国が大規模な被害を受けて機能しなくなったとしても、潜行中の潜水艦から報復核攻撃を行うことができる最後の手段でもある。

そのために、アメリカ、イギリス、フランスの原子力潜水艦は常に洋上展開しており、命令があればいつでも攻撃可能な体制をとっている。

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核兵器の2つ攻撃法

核攻撃には2種類の攻撃法があり、1つがカウンターバリュー攻撃である。

これは、相手の国の人口、政治、経済の中心となるエリアに撃ち込む攻撃である。

日本で言えば東京がターゲットである。

この攻撃により、国の機能は喪失し、その後も長期にわたり大混乱が収まらず、これに乗じて国内においても略奪や多くの犯罪が起きることが予想される。

もう1つがカウンターフォース攻撃だ。

これは核ミサイルが装備されている陸上施設や爆撃機配備されている航空基地司令部など軍の施設を中心に攻撃するもので、相手の核を無力化することが目的である。

カウンターフォース攻撃の場合、正確な情報を入手し、目標を確実に破壊できるように精度の高い命中率が求められる。

命中率を表すCEPは半径約200mが目安となっている。

つまり目標の半径200m以内に落下させれば狙ったターゲットを破壊できるということである。

こういった敵の弾道ミサイルの脅威から国を守るために、日本やアメリカは弾道ミサイル防衛システムを有している。

現在日本はイージス艦を常に洋上展開させ、陸上はパトリオットミサイルが最後の砦として2段構えで迎撃体制をとっている。

イージス艦は2隻で日本全体を防護することができる能力をもっており、この迎撃システムを保有しているのは世界でもアメリカと日本の2カ国のみである。

しかし、近年の弾道ミサイルは1つのミサイルから複数の弾頭が発射される多弾頭ミサイルが開発され、それぞれが個別の目標に向かうことができる能力をもつようになったことから、迎撃システムを強化する必要が出てきている。

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地球の全てのエリアを攻撃可能なSLBM

潜水艦から発射される弾道ミサイルをSLBM(Submarine Launched Ballistic Missile)という。

潜水艦から発射された弾頭ミサイルは大気圏外に出たのち、地球の重力によりターゲットめがけて落下してくる。

加速のためのブースターなどの多段ロケットで構成されていることから、通常ミサイルよりも大型であるのが特徴である。

そのため、それを搭載する潜水艦はミサイルの大きさを元に設計されており、サイズも必然的に大きくなる。

アメリカの原子力潜水艦が搭載している弾道ミサイル「トライデントD5」は長さ13.6m、直径2.1m、重量59トン、弾頭部分は14基まで搭載可能な巨大なミサイルである。

オハイオ級原子力潜水艦は、当時トライデントD5を24発も搭載していた。

SLBMが登場した当時の射程は、約2,000km程度であったため、敵国の本土を射程に収めるためにはその付近の海面まで進出する必要があった。

しかし、現在アメリカ海軍の原子力潜水艦に搭載されているトライデントD5は射程12,000kmにも及ぶため、太平洋と大西洋に1隻ずつ展開すれば、地球のどのエリアも攻撃可能となるのだ。

現在は20発までに削減されているが、それでも相当な攻撃力を持つことには変わりない。

命中精度は半径90mという高精度であることから、先に解説したカウンターフォースにより先制攻撃で敵の核を無力化することも可能である。

オハイオ級潜水艦の後継であるコロンビア級においても、トライデントD5を16発搭載予定で1番艦は2028年に就役し、オハイオ級と交替が開始するのは2031年という計画である。

完成すればコロンビア級はアメリカ海軍史上最大の原子力潜水艦となる。

建造数はオハイオ級よりも2隻少ない12隻であるが、その全てにトライデントD5を搭載すれば192発のミサイル数になる。

日本近海に現れる国籍不明潜水艦の正体

アメリカ、イギリス、フランスの潜水艦は太平洋や大西洋といった広大なエリアを拠点に行動し、その広さを利使用して身を潜めることで隠密性を維持し、自分の身を守るとともに攻撃可能な体制をとっている。

一方、日本近海で探知される国籍不明潜水艦と呼ばれるものは、ほとんどが中国潜水艦で、情報収集や日本の探知能力を試す目的で作戦行動に出ているものと思われる。

日本周辺の海底には音響センサーが設置されており、例え潜行状態であっても、センサーが探知すれば音響情報から、その潜水艦のタイプや場所をある程度まで絞りこむことができる。

そして、その場所に対潜航空機や護衛艦を向かわせて追尾するという作戦をとっている。

中国は南シナ海を自国の勢力化に置こう目論んでおり、その背景には海底資源や漁業権確保だけでなく潜水艦の行動海域を確保するためでもあると思われる。

現時点では中国のSLBMでは南シナ海からアメリカ本土を射程に収める能力はないが、射程10,000kmに達する新型ミサイルJL-3の試験発射を行っていることから、いずれは長射程のSLBMを搭載した潜水艦が現れることになるだろう。

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