世界最強の自走砲をウクライナに提供。ロシアの核砲弾自走砲との戦い
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世界各国の軍隊はさまざまな装備品を保有しており、自走砲もそのうちの1つである。

自走砲とは、その名の通り自走できる車体に射撃可能な状態で大砲を搭載した兵器である。

また、一言に自走砲と言っても積載する大砲によって自走榴弾砲や自走迫撃砲と分類され、使用用途なども異なってくる。

自走砲は陸上自衛隊も保有しており、演習でもその姿を確認できる。

そして、自走砲と似た兵器として挙げられるのが戦車だ。

戦車も自走可能で、大きな砲弾を発射するための砲塔がついているため、一般の人には自走砲と戦車の違いが分からない人も少なくない。

では、自走砲と戦車にはどういった違いがあるのだろうか。

しまかぜ

動画では、自走砲と戦車による戦闘の違いや、ウクライナに提供された世界最速の自走榴弾砲について解説するよ!

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戦車と自走砲の戦い方

どちらも自走可能で、大きな砲弾を発射する能力を持つ戦車と自走砲であるが、開発の経緯や攻撃目標、目標に対しての攻撃方法が大きく異なる。

大砲は昔から使われている兵器だが、移動するときは動かしやすい形状で運び、攻撃を行う際に展開を行って砲撃を行うことが多い。

しかし、これではタイムロスが多く、そのタイムロスを少なくするために砲撃可能な状態で大砲を移動できるよう開発されたのが自走砲である。

対して、戦車は長期間に及ぶ塹壕戦を打開するために開発された兵器で、現在の主な使われ方は敵の戦車に対する攻撃が多い。

そのため、戦車が撃つ砲弾は真っすぐ飛び、砲弾が持つ運動エネルギーを敵の戦車にぶつけることによって分厚い戦車の装甲にダメージを与える。

戦車の砲弾が真っすぐ飛ぶのに対し、自走砲の砲弾は放物線を描くように飛んでいくのが特徴だ。

放物線を描くように砲弾をを飛ばすことによって障害物があっても敵を攻撃可能で、砲弾の先につける信管を変えるだけで、さまざまな射撃を行えるのも自走砲の強みである。

信管を弾頭が接地した瞬間に爆発する「着発信管」であれば点で敵を攻撃でき、目標に当たらずとも近くで爆発する「近接信管」であれば、砲弾の破片で敵を広範囲で攻撃できるのだ。

また、自走砲は放射線を描くように砲弾を撃つ曲射だけではなく、戦車のように直線で撃つ直射もできる構造になっていることが多い。

基本的に自走砲は陣地の前線から離れた場所から敵を曲射で攻撃することが多いが、万が一敵の戦車や装甲車が攻めてきて戦わなければならない場合に直射で攻撃するのである。

さらに、自走砲と戦車には装甲の厚さにも違いがある。

戦車は直接敵の戦車と戦うため、敵の攻撃を受けてもある程度は耐えられるように装甲が厚くなっている。

しかし、自走砲は相手の自走砲からの攻撃しか想定していないことが多く、敵が撃った砲弾が上空で爆発した際に破片が飛び散っても問題ない程度の装甲強度になっている。

そのため、自走砲は敵の戦車からの攻撃には弱いという弱点もある。

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ドイツの世界最強自走砲PzH2000

各国さまざまな自走砲を保有しているが、PzH2000もそういった自走砲のうちの1つである。

PzH2000はドイツが開発した自走砲で、正式名は「パンツァーハウビッツェ2000」だ。

ドイツだけではなく、イタリアやオランダ、ギリシャといった国も保有しており、現在ロシアとの戦闘状態が続くウクライナに対してオランダが保有している一部のPzH2000を軍事支援として提供している。

ドイツ連邦軍では当初、アメリカ軍から供与された自走砲「M109」を使用していたが、1970年代後半に西ヨーロッパ各国が共同で自走砲の開発を行うことになった。

しかし、各国の歩調が合わないなどの問題があり、1986年に共同の自走砲開発は頓挫してしまう。

そして、ドイツは単独で自走砲の開発を行うことになり、その結果、1990年代後半に誕生したのが「PzH2000」だ。

PzH2000の最大射程は30kmで、長射程弾を使用した場合の射程は40kmになる。

これほどの長射程を実現させるために、PzH2000には52口径155mm榴弾砲が搭載されている。

また、PzH2000は砲弾を自動で装填する装置が搭載されており、砲の角度を変えずに装填できるシステムになっているため、10秒に3発の砲弾を発射できる性能を持つ

さらに、PzH2000の重さは55tと主力戦車と同等の重量であるが、1000馬力のエンジンと前進4段、後進2段の自動変速機を備えており移動時の最高速度は世界最速の60km/hを誇る。

しかし、装甲に関しては14.5mm重機関銃弾や152mm榴弾の破片に耐えられ程度の防御力となっている。

PzH2000には自走榴弾砲としては珍しく、主力戦車と同等の直接照準器も装備しているため、万が一敵の戦車から攻撃を受けそうになった場合の反撃能力も兼ね備えている。

ドイツだけではなく、さまざまな国がPzH2000を保有してるのはこういった性能の高さが理由に挙げられる。

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核砲弾が撃てるロシア製「2S7Mマルカ」

2S7Mマルカは旧ソ連時代に開発された当時世界最大の自走砲で、ピオン203mm自走カノン砲の最新改良型である。

敵の陣地の前線から離れた場所にある戦術的に重要となる施設などを攻撃し、破壊するために開発が行われた。

マルカはピオンと同じくカノン砲が搭載されており、通常の砲弾を使用した場合の最大射程距離は37.5kmで、ロケット推進弾など使用した場合の射程距離は47~55kmまで伸びる。

長大な射程距離のおかげで敵の射程圏外から敵を攻撃できるだけではなく、着弾前に移動して攻撃場所を特定されないというメリットもある。

また、マルカはピオンと同じく開発を行っている段階から核砲弾を発射できるようになっており、原子砲としても使用できるようになっている。

その他にも、通常の榴弾だけではなくクラスター弾や化学砲弾なども発射可能で、さまざまな攻撃を行える自走砲でもある。

車両後部に装備されているプレートを油圧駆動で地面に食い込ませることによって、車体を固定し砲弾を撃つようになっている。

マルカの移動時の速度は50km/hで、1分に2.5発の砲弾を発射できる性能を持っているのも特徴だ。

ピオンの発射性能は1分で1.5発だったため発射性能は少し向上しているほか、通信設備の強化と搭載できる砲弾の増加が挙げられる。

さらに、マルカでは最新の砲弾装填装置が搭載されているだけではなく、エンジンの出力も750馬力から840馬力まで増強されている。

元々ソ連が開発した自走砲ではあるが、ロシア以外にもベラルーシなどの 元々ソ連を構成していた国やロシアと良好な関係を築いている国が保有している。

ウクライナ兵士から高い評価

昔から兵器として使われてきた大砲をすぐに発射できる状態で自走できるようにしたものが自走砲で、攻撃後にすぐに移動できるため敵からの反撃を受ける可能性を低くできるのがメリットである。

また、自走砲は使用する砲弾の種類や信管の種類を変えることによって攻撃のバリエーションを増やせるのも自走砲の強みだ。

ドイツが開発を行ったPzH2000やロシアが開発した2S7Mマルカなど世界にはさまざまな自走砲があり、実際にウクライナ戦争では使用されている。

兵士からは「ロシアの自走砲よりも機動性が高く、陣地に入ってからすぐに戦える」として評価は高い。

日本の陸上自衛隊もさまざまな自走砲を保有しており、有事に備えて日々訓練が行われている。

しかし、平和な世界を考えると、自走砲が実際の戦闘に使われなくて済む世界が来ることを願いたい。

次の動画では、ロシア戦車の装甲を突き破る3つの対戦車ミサイルについて解説しよう。

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