たった1隻のロシア空母【アドミラル・クズネツォフ】その実力は?

「戦争映画」は、ただ国同士が争う映画ではない。

迫力ある戦闘シーンだけでなく、涙なしには語れない数々の人間ドラマがある。

数ある戦争映画の中でも、今回は実話を元にしたエピソードのみを厳選して紹介する。

一度は見ておきたい実話の戦争映画5選!

現在、ロシア海軍は世界第三位の海軍力を誇っている。

しかし、 その海軍力の中心となる航空母艦の保有数においてロシアはアメリカに大きく差をつけられている。

米海軍が現在保有している航空母艦は11隻もある。

これに対してロシア海軍は一隻しか保有していない。

しかもその一隻であるアドミラルクズネツォフは2016年以降ドッグに入ったままの状態になっており、実質、運用能力を失っている状態である。

そのため、この航空母艦は「世界最悪の空母」「もっとも不幸な空母」という汚名を着せられている。

今回はロシア海軍唯一の航空母艦であるアドミラルクズネツォフの各種性能について説明をしていこう。

しまかぜ

アドミラルクズネツォフの解説は動画でも見られるのでお楽しみに!

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アドミラル・クズネツォフの特徴や性能

アドミラル・クズネツォフは全長305m、全幅72m、満載排水量59,000tの航空母艦である。

就役は1990年12月25日で主機関としては蒸気タービンを4基装備している。

最大速力は29ノット(時速約54㎞)で乗員は1980名である。

艦内の防水区画は11ヶ所に区分されており、空間装甲と呼ばれる二枚の装甲板の間に空間を持たせる装甲が施されており、これにより海水が浸水しても浮力を維持することが可能な構造となっている。

また、艦の水上部分の防御に関しては鋼と鋼の間にガラス繊維を入れた複合装甲が用いられている。

アドミラル・クズネツォフの艦橋には四面にわたり、固定式のフェーズドアレイアンテナが装備されており、同時に80目標を追尾することが可能である。

飛行甲板と格納庫を行き来するエレベーターは艦橋の前後に一基ずつ設置されており、約40トンの重さに耐えることができる。

アドミラル・クズネツォフとアメリカ空母との大きな違いといえば、航空機の発艦方法である。

アメリカ空母はカタパルトにより航空機を強制的に加速し発艦させることができるため、燃料を満載し、ミサイルや爆弾をフル搭載した航空機でも何の問題もなく発艦させることができる。

これに対し、アドミラルクズネツォフはカタパルトを装備しておらず、スキージャンプ甲板と呼ばれる甲板前部に14度の勾配をつけて航空機を発艦させやすいように作られた飛行甲板になっている。

しかし、この方式ではカタパルト式と比べて航空機に対して充分な浮力を与えることができないため、燃料やミサイルの搭載量を減らす必要があるという問題点がある。

中国空母も同様のスキージャンプ方式となっている。

アドミラルクズネツォフの同型艦としてはヴァリャークが就する予定であったが、1992年3月に建造中止となり、その後1998年に中国へ売却され、空母「遼寧」として生まれ変わった。

では、アドミラルクズネツォフの艦載機はどのような航空機が搭載されているのだろうか?

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アドミラル・クズネツォフの艦載機

アドミラルクズネツォフの艦載機はSU-33艦上戦闘機×15機、SU-25UTG艦上練習機×5機、Ka-27PL対潜ヘリコプター、Ka-27PS捜索・救難ヘリコプター、Ka-31早期警戒ヘリコプターなど約50機を搭載することが可能だ。

SU-33はSU-27の艦上戦闘機型として開発された機体であり、NATOのコードネームはフランカーDで、非公式ではシーフランカーとういう愛称で呼ばれている。

SU-25Kは当初カタパルトを使って発艦する空母に搭載することを想定して開発された機体だが、カタパルトの装備が断念れたため、この機種は開発中止となった。

その後SU-25Kの研究開発のための発着訓練機として実用化されたのが、SU-25UTGである。

Ka-27PL対潜ヘリコプターはカモフ設計局が開発した二重反転式ローターを持つヘリコプターである。

二重反転式ローターとは2機のメインローターを同軸に配置し上段と下段を、それぞれ逆回転させて飛行をするものである。

これにより、一般的なヘリコプターのようなテールローターが不要となった。

Ka-27PS捜索・救難ヘリコプターはKa-27PLの派生型であり、民間でも救難機として使用されている。

Ka-31早期警戒ヘリコプターは、艦隊上空の早期警戒任務をもつヘリコプターであり、ロシアの他に、中国、インドにおいて運用されている。

本来であれば米海軍のE2Cホークアイのような固定翼の早期警戒機を搭載するのが理想的であるが、スキージャンプ式の航空母艦では発艦させることはできないため、ヘリコプターにその役割を持たせるしかないのである。

艦載機の発艦方法としては、空母自体を全速で走らせることで、少しでも航空機に対する揚力を増すことで発艦させる。

燃料やミサイルを満載状態にすると機体重量が重すぎ、発艦ができなくなる点がスキージャンプ式甲板の不利な面であるといえるだろう。

しかし、アドミラルクズネツォフは兵器の面では空母とは思えないほどの重装備であるのが特徴だ。

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重装備のアドミラル・クズネツォフ

アドミラルクズネツォフの特徴は個艦戦闘能力が極めて高いことがあげられる。

その中核となるのがP-700グラニートと呼ばれる対艦ミサイルである。

射程は600キロあり、C4ISRシステムである「レゲンダ」と連動させることにより強力な火力を発揮することが可能である。

C4ISRシステムとは?

以下の頭文字をとったシステム

指揮(COMMAND)

統制(CONTROL)

通信(COMMUNICATION)

コンピューター(COMPUTER)

情報(INTELLIGENC)

監視(SURVEILLANCE)

偵察(Reconnaissance)

P-700グラニートは発射の際、航空機の発着が困難となる問題が出てきており、さらには冷戦終結後は軍艦同士でミサイルを撃ちあうような状況は少なくなっていることから、アドミラルクズネツォフのような強力な対艦攻撃能力をもつ必要性は薄れてきているというのが現状である。

そのため、このミサイルを撤去して空母としての性能強化のため改修する計画もある。

さらに個艦防空ミサイルとして垂直発射が可能な「キンジャール」も搭載している。

近接防御システムであるCIWS(シウス)とは敵ミサイルを迎撃する最後の砦として攻撃する防御兵器であり、世界の艦艇が装備している。

アドミラルクズネツォフが装備している、AK-630CIWSは口径30ミリで6本の銃身をもつガトリング砲で毎分5000発の発射が可能だ。

対艦ミサイルを含む精密誘導兵器に対する近接防御であるが航空機や艦艇に対する攻撃、それに浮遊機雷の処分に使用することも可能である。

コールチクは、1988年にソ連が開発した新型のCIWSで、1基のマウントに機関砲と対空ミサイルを備えた世界で唯一の複合型CIWSである。

日本の空母保有と周辺国の状況

現在世界では、空母を保有する国が増えてきた。

日本においても、ヘリ空母「いずも」と「かが」がF-35Bを搭載できる空母として運用できるよう改修が行われている。

日本の南西諸島において使用できる航空基地は現在、沖縄県の那覇基地しかない状況である。

そのため海上で航空基地としての役割を持つ空母の存在は極めて重要だと言える。

中国はアドミラルクズネツォフと同型艦のヴァリャークを購入し、それを改造して初の空母「遼寧」を就役させた。

それをもとに二隻目の空母「山東」を建造し三隻目は電磁カタパルトを備えた原子力空母を建造しようとしている。

ロシアも北方領土に軍を配備して日本に対する威嚇行為を行っている。

こういった脅威に対応するためにも、日本は在日米軍との連携を密にしていく必要があるといえる。

「戦争映画」は、ただ国同士が争う映画ではない。

迫力ある戦闘シーンだけでなく、涙なしには語れない数々の人間ドラマがある。

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