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陸上自衛隊には戦車をはじめ、装甲車・装輪車・水陸両用車など、用途や作戦によってさまざまな車両が配備されている。
有事において厳しい状況下でも対応できるように、その種類は多種多様にわたる。
毎年夏に行なわれる「富士総合火力演習」では、戦車や装甲車など実際の射撃を目にすることができる。
特に、10式戦車は世界最高レベルを目指して開発された最新鋭戦車で、その性能は海外からも好評である。
今回は、陸上自衛隊が保有している3種類の戦車や最新戦闘車、水陸両用車について解説していこう。
陸上自衛隊のカッコいい戦車や装甲車の迫力ある動画もあるよ!
74式戦車
74式戦車は第二次世界大戦後、2番目の国産戦車で1965年から開発が始められ、74年から89年までに873両が生産された。
全長9.4m 重量は38トンで陸自の戦車の中では最も軽いものの、最高速度は一番遅く53kmである。
国産独自の技術により車体を前後左右に傾けることができる。
この技術のおかげで、日本のように山間部が多い地形でも車体を地形に合わせて傾斜させることで、水平に保ちつつ敵を待ち伏せすることができる。
また、前面の装甲は190mmという厚さで防御力も高い戦車である。
現在も現役で活躍しているものの、さすがに老朽化により随時10式戦車にかわりつつある。
自動化がまだ進んでいない時代の戦車のため、乗員は他の戦車よりも1名多い4人で運用している。
最新の10式戦車のように電子機器や高度なシステムを搭載しておらずアナログな戦車であるが、逆に電子的な故障が少ないのがメリットといえる。
90式戦車
90式戦車はその名の通り、1990年に登場し、すでに約30年近くが経過しているが陸自の主力戦車として最前線で活躍している。
90式戦車は1977年に開発を始め、90年に制定された陸上自衛隊の主力戦車である。
全長9.8m、燃料は1,100L搭載、重量50トンであるが、最高速度は70kmと速く、エンジンや乗員数は10式戦車と同じである。
装甲はセラミックを使用した複合装甲、そして高出力のディーゼルエンジンで機動性は高い。
世界初となる自動目標追尾システムを採用したのも90式戦車の特徴である。
冷戦時代の影響もあってか、主に北海道にしか配備されていないが、雪上だろうが砂漠だろうが、どこでも戦える性能をもっている。
7.62mm機関銃を装備しているため、近接戦にも対応でき、普通科連隊などを強力に援護できる。
敵から攻撃される前に、撃破することを目的とし90式戦車は高度な射撃指揮システムを搭載している。
10式戦車と同様に、スラローム走行でも正確な射撃が可能であり、夜間暗視装置や赤外線センサ一を搭載しているので、暗間でも敵を捜索して攻撃することができる。
防御力も高く、戦車砲を食らっても耐えられる装甲だといわれているが、衝撃による人員のへ影響は少なからずあるだろう。
2010年までに341両が完成しているが、10式戦車の登場により徐々に、その数を減らしつつある。
10式戦車
74式戦車の後継として作られたのが10式戦車である。2001年から開発が始まり、2009年に制定された。
全長9.8m、燃料は880L搭載、重量44トンにもかかわらず、8気筒の1200馬力エンジンにより、最高速度は約70kmを出すことができる。
日本の地形や道路事情に合わせて車体はコンパクト化されているが、その装備は最新戦車と変わらない。
特徴は90式戦車よりも6トンも軽量化されているため、機動性に優れており、運動性能だけでなく指揮通信システムも進化している。
装填装置などの自動化により梁員は3名で運用することが可能だ。
広帯域多目的無線機を搭載しており、これは味方部隊からの情報を受信して敵や味方の位置情報などをモニターで確認することができる。
車体には、多くのカメラやセンサーが装備されていて、周囲の状況をモニターで監視することができる。
タッチパネルモニターの情報を元に、射手や車長が操作を行い、高速でスラローム走行しながらでも正確な射撃ができる。
従来の戦車では、バックする場合はハッチから出て目視によって安全を確認する必要があったが、バックモニターのおかげで、車内から後方確認ができるようになったのは隊員にも好評である。
攻撃力だけでなく、防御力の高さも向上しており、装甲は陸自戦車では初となる「モジュラー装甲」が使用されている。
モジュラー装甲とは、脅威度によって装甲の強度をかえることができるものだ。
かんたんにいえば、取り外しができる装甲で、被弾して損傷した時にすぐ交換したり、輸送時にモジュールをすべて取り外して軽くしたりすることもできる。
敵の脅威が低いときは、装甲を薄くして機動力を重視でき、戦闘などで脅威が高くなった場合は、装甲を厚くして防御力を3段階にアップさせることができる。
さらに、10式戦車は国内初となる「クーラー」が装備された点も特徴といえるだろう。
鉄で覆われた車内は夏場は地獄のような署さになるが、クーラーのおかげで任務にも集中できるようになった。
ただし、このクーラーは人間のためではなく、熱をもつ機器を冷却するために装備されたものである。
16年度までに82両が調達されているが、予算の関係上873両の74式戦車すべて10式戦車にすることはできず、必要とされる部隊のみに配置されている。
水陸両用車AAV7
AAV7はもともとアメリカ海兵隊用に開発された車両で、日本以外にもイタリア、韓国、台湾、チリなど多数の国に配備されている。
全長は8.1m 重量25トン 最大速力約72kmで、水陸両用車という名の通り、水上と陸上のどちらも走ることが可能な車両である。
陸上自衛隊では58両が配備されており、主に水陸機動団を輸送する目的で使用する。
水陸機動団とはアメリカ海軍でいう海兵隊で、占領された島を奪還するために上陸作戦を任務とする部隊である。
また、海上自衛隊の輸送艦「おおすみ型」が改修されて、AAV7 を搭載できるようになっており、海上で後部のハッチを開いて、水陸機動団を乗せたAAV7を発進させることが可能となった。
水上航走時はウォータージェットのカで進み、最大13kmの速度を出すことができる。
キャビン内には乗員のほかに、25名の隊員を収容することができる。
水上を走るため、装甲は軽量のアルミ防弾が使用され、戦車ほどの装甲ではないが、最大45mmの装甲で、ある程度の防御力と浮力を両立させることに成功した。
2019年、水陸機動団初が参加した日米共同演習「アイアンフィスト」が行われた。
この訓練では米海軍の揚陸艦から発進したAAV7が海岸線を確保した。上陸し、目的地点を制圧するという内容であった。
この訓練では、陸自に配備されたAAV7が初参加となった。
16式機動戦闘車(MCV)
16式機動戦闘車は戦車のような頑丈な装甲と強力な火力を持ち、キャタピラではなく装輪のため山間部でも市街地でも目的の場所まで迅速に展開でき、普通科部隊を援護できる能力をもっている。
予算の関係から10式戦車の生産数が限られており、その代わりとして開発されたのが16式機動戦闘車だ。
全長8.4m 重量26トン、乗員4名、最高速度100km、兵装は105mmライフル砲、12.7mm 重機関銃、7.62mm機関銃である。
16式機動戦闘車は航空自衛隊の輸送機にも搭載できることから、遠隔地や離島への空輸もできるため、広いエリアをカバーできる。
強力な105mm砲を装備しており、装甲車を撃破でき、戦車に対しても大きな被害を与える破壊力をもっている。
また、機動力の高い装輪を装備しているので、速やかに作戦エリアに展開して敵の攻撃準備を遅らせ、侵攻を防ぐことができる。
今後は、老朽化により退役する74式戦車の変わりに、全国的に配備されていく予定である。
89式装甲戦闘車
89式装甲戦闘車は戦車とともに行動することを前提に開発された自衛隊初の歩兵戦闘車両である。
全長6.8m 重量26.5トン 最高速度は70kmで機動性も高い。
装甲車のため戦車ほどの強力な主砲は装備していないが、35mm機関砲や7.62mm機関銃、対戦車ミサイルなども装備しており、敵ヘリコプターヘの対空攻撃も可能である。
89式装甲戦闘車の後部には7名の隊員を搭乗させられ、戦車部隊が制圧した後に、隊員を下ろして近接戦闘を行うことができる。
車載7.62mm機関銃を装備しているので、隊員達の援護射撃もできる。
89式装甲戦闘車は高性能がゆえに、1両約6億円と戦車並みの価格になったため、68両しか生産されておらず、実際に配備されているのは第11普通科連隊のみである。
陸上自衛隊 主要車両まとめ
自衛隊の活躍は地震や水害などの災害派遣がたびたび報道されており、特に東日本大震災では陸海空自衛隊が災害派遣で活躍し、被災者の救助や生活用品の支給などを迅速に行って注目された。
これは任務に影響のない範囲で行われる活動であり、自衛隊の本来の任務は災害派遺ではなく国防である。
自衛隊は、有事の際に命をかけて日本と国民を守ることが本来の職務である。
陸上自衛隊は、従来までの本土防衛という任務から離島への侵攻に備えた部隊運用へと変化している。
それは、中国が海洋進出を積極的に行っていることが影響していることは言うまでもない。
もし、尖閣諸島に中国が上陸したならば、AAV7や戦車などを投入して島嶼奪還を目指すことになる。
そのためにも、日々厳しい訓練に耐え、命をかけて戦う自衛隊員がいるからこそ我々は安心して暮らしていけることを忘れてはならない。
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