海上自衛隊の最新鋭FFM「もがみ型」よりも3ヵ国のフリゲートが重武装
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海上自衛隊に最新鋭護衛艦であるFFMが続々と建造されている。

敵のレーダーに探知されにくくするため、船体は完全ステルス化になり、魚雷発射管やミサイルはすべて艦内に格納されている。

無人機を3種類搭載でき、従来の護衛艦とはまったく違ったコンセプトの艦艇である。

FFMとはフリゲート艦の事をさし、軍艦の種類の内の一つの名称である。

現在では、対潜水艦能力や防空能力を装備し、商船などの護衛を任務とする艦のことをいう。

船体の大きさや装備の面からいうと駆逐艦より、やや小型の位置づけになる。

これ以外に「コルベット」という艦種も存在する。

これは「フリゲート」よりさらに小型の艦種で、作戦行動範囲が短いため、主に沿岸警備用に使用されている。

駆逐艦、フリゲート、コルベット、それぞれの総トン数や装備面での、明確な違いを表す共通の基準は存在していないが、各国の海軍が、それぞれ独自の基準で表しているのが現状だ。

今回は海上自衛隊の新型護衛艦である「もがみ型」をはじめ、ロシア、中国、イタリアのフリゲート艦について、性能や装備している兵装、特徴について解説していこう。

しまかぜ

各国のフリゲート艦の違いを動画でも見られるので、最後まで楽しんでね!

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海上自衛隊 FFM「もがみ型」22隻建造予定

もがみ型護衛艦は、海上自衛隊が新しく導入を進めている護衛艦である。

艦種記号は、「FFM」というフリゲートを表す「FF」と多目的というみのMultiと機雷の頭文字Mineの「M」を合わせ意味を持つ。

もがみ型は従来の護衛艦と比べると明らかに形状が異なっている。

今までの護衛艦は船体上部にある艦橋や煙突、それにマストの形状は常に垂直であったのに対して、もがみ型は、それらのほとんどに傾斜がつけられている。

これはレーダー波を垂直に反射させないようにして反射面積を少なくし探知されにくくしているのである。

今やステルス技術は航空機のみならず、艦艇さらにはミサイルにまで取り入れられている。

海上自衛隊のFFMは2019年より建造が開始されており、すでに6隻が建造されている。

今後1年間に2隻のペースで建造を進めていき、合計で22隻建造予定である。

FFMのスペック

満載排水量:5,500トン
全長:133.0 m、最大幅16.3 m
主機:ガスタービンエンジン×1、ディーゼルエンジン×2
最大速力:30ノット
乗員約:90名
兵装:62口径5インチ砲×1、RWS×2
Mk.41 VLS、Sea RAM近接防空ミサイル1
対艦誘導弾4連装発射筒×2
3連装短魚雷発射管×2
324mm3連装短魚雷発射管×2
搭載機:SH-60K哨戒ヘリコプター×1
無人機:無人水中航走体、無人水上航走体、対機雷戦システム

満載排水量5,500トン、全長133.0 m、最大幅16.3 mで、近年の護衛艦よりもコンパクトな船体になっている。

主機はガスタービンエンジン×1基とディーゼルエンジン×2基、最大速力30ノット、乗員約90名と少なく、もがみ型は従来の護衛艦の半分の90名の乗員で運用できるように設計されており、人員不足に悩む海上自衛隊には、うってつけの艦と言えるだろう。

兵装は62口径5インチ砲×1基、RWS×2基、RWSとは小火器にビデオカメラ、レーザー測距儀を統合したもので、艦内から周囲を監視し、射撃できるシステムだ。

Mk.41 VLS ミサイル垂直発射システム×16セルであるが、現在はスペースは確保されているものの後日装備となる予定だ。

それ以外にはSea RAM近接防空ミサイル、対艦ミサイル×8、3連装短魚雷発射管×2基のほか、搭載機SH-60K哨戒ヘリコプター×1機を搭載可能である。

また、もがみ型には機雷掃海の装備も施されており、島嶼(とうしょ)防衛時に対機雷戦を含む水陸両用作戦を行うする艦として期待されている。

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ロシア海軍 重武装のアドミラル・ゴルシコフ級

アドミラル・ゴルシコフ級フリゲートは、ロシア海軍のフリゲート艦であり、正式名称は22350型フリゲートと呼ぶ。

現在2隻が建造されており、計画では合計15隻が建造される予定である。

アドミラル・ゴルシコフ級のスペック

満載排水量:5,400 トン
全長:135 m、最大幅16 m
主機:ディーゼルエンジン×2、ガスタービンエンジン×2
最大速力:29-30ノット
乗員:180-210名
兵装:70口径130mm単装砲×1、 CIWS×2
SAM VLS×1、多目的VLS×1
4連装短魚雷発射管×2
搭載機:Ka-27哨戒ヘリコプター×1

満載排水量5,400 トン、全長135 m、最大幅16 m、主機はディーゼルエンジン×2基、ガスタービンエンジン×2基、最大速力29-30ノット、乗員180-210名である。

兵装については 70口径130mm単装砲×1基 、 CIWS×2基、SAM VLS×1基、多目的VLS×1基、4連装短魚雷発射管×2基を装備しており、Ka-27哨戒ヘリコプター×1機を搭載している。

アメリカのフリゲート艦よりも重武装化されており、長崎県の対馬海峡を抜け、日本海に航行する姿を海上自衛隊としては初めて哨戒機P-3Cが確認した。

アドミラル・ゴルシコフ級は中国の青島港にも入港しており、人民解放軍70周年の国際観艦式に参加したとみられる。

この艦の特徴としては、艦橋などの上部の構造物にはポリ塩化ビニールを使用した炭素繊維強化プラスチックが使用されている。

これによりレーダー反射断面積を低減させ、艦を軽量化することができるようになった。

主機関はディーゼルエンジンとガスタービンエンジンを組み合わせた、推進システムを2基搭載されている。

この方式は通常はディーゼルエンジンを使用し、加速が必要になった時にガスタービンエンジンを使用することにより燃費性能と速度性能を両立できるメリットがあり、ロシア海軍では初めて採用された方式である。

レーダーはマスト周囲4面に配置されているアクティブ・フェーズドアレイ式「ポリメント」が搭載されており、これは、対空・水上目標の捕捉と、攻撃を一括して行う多機能レーダーである。

アンテナ1面あたり4目標を追尾でき、同時多目標処理能力に優れている。

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中国海軍 空母打撃群の054A型ジャンカイII型

054A型ジャンカイIIは、中国海軍が保有するフリゲート艦である。

中国空母「遼寧」を中心とした空母打撃群として、沖縄、宮古海峡を通過する姿を海上自衛隊が確認している。

また、2021年10月にはロシア艦艇と共に、中露艦艇10隻が津軽海峡を通過し、日本をほぼ一周する合同軍事訓練を行っている。

054A型は、沿岸防衛用の小型艦を多く保有していた従来の中国海軍のフリゲイト艦の能力を上回っており、中国海軍の海洋進出を反映するかのような艦であると言える。

また、対空ミサイルを装備することにより中国のフリゲートとしては初めての防空能力を備えることとなった。

054A型の建造することにより中国海軍は外洋における艦隊防空能力の強化に努めているものと思われ、現在、合計20隻が建造されている。

054A型は、従来の051型駆逐艦や053H型フリゲート艦をに変わる中国海軍の主力フリゲート艦として建造されていくだろう。

054A型のスペック

満載排水量:約4,000~4,500トン
全長132m、全幅16m
主機:ディーゼルエンジン×4
速力:27ノット
乗員:190名
兵装:艦対空ミサイルVLS×4、対艦ミサイル4連装発射筒×2
対潜ミサイルVLS×4基、250mm6連装対潜ロケット発射機×2
3連装魚雷発射管×2
60口径76.2mm単装砲×1、近接防御30mmCIWS×2
搭載機:Ka-28対潜ヘリ×1

満載排水量 約4,000~4,500トン、全長132m、全幅16m、主機 ディーゼルエンジン 4基、速力27ノット、乗員190名、兵装としては、艦対空ミサイルVLS4基、対艦ミサイル4連装発射筒2基、対潜ミサイルVLS 4基、250mm6連装対潜ロケット発射機2基、324mm3連装魚雷発射管2基で火砲については、60口径76.2mm単装砲1基、近接防御30mmCIWS2基を装備しており、Ka-28対潜ヘリコプター1機を搭載している。

054A型では、ロシア製の電子機器をライセンス生産しているものが多数あり、ロシア製のフレガート三次元レーダーを中国で国産化した382型が搭載されており、最大探知距離は300km、戦闘機ならば230km、 対艦ミサイルなら50kmの距離で探知が可能である。

2枚のレーダーを搭載しているのが特徴で、通常は毎分6回転し、危険を伴う海域では毎分12回転に変更でき目標の探知を行う。

2秒に1回データの更新が 行われ、同時に20の目標を追跡することが可能だ。

イタリア海軍 電気推進のカルロ・ベルガミーニ

カルロ・ベルガミーニ級フリゲートは、イタリア海軍が保有するフリゲートの艦であり、フランスとイタリア両国のよる多目的フリゲート計画に基づいて設計、建造されたものである。

アメリカ海軍のフリゲート艦であるコンステレーション級のベースとなった艦艇でもある。

本級は、レーダーに反射する断面積を低減させるために、船体外壁には傾斜が施されており、レーダー波に反射しやすい搭載艇などは船体内に収容するか、開閉式のシャッターによって覆うという処置が行われている。

又、本艦の船体にはウェーブ・ピアシング・バウという波に乗って衝撃を吸収する形状の艦首を搭載している。

カルロ・ベルガミーニのスペック

満載排水量:5,950 トン
全長142.0 m、全幅 19.4 m
主機関:ディーゼル発電機×4、電動機×2、ガスタービンエンジン×1、
最大速力:27 ノット
兵装:64口径127mm単装砲×1、62口径76mm単装砲×1、25mm単装機銃×2
VLSミサイル垂直発射システム×2、対艦ミサイル 4連装発射筒×4
ミラス対潜ミサイル 4連装発射機×2、324mm連装魚雷発射管×2
搭載機:NFH90哨戒ヘリコプター×1

各種性能は、満載排水量5,950 トン、全長142.0 m、全幅 19.4 m、主機関はディーゼル発電機×4基、電動機×2基、ガスタービンエンジン×1基、最大速力27 ノットで、兵装は64口径127mm単装砲×1基、62口径76mm単装砲×1基、25mm単装機銃×2基、 VLSミサイル垂直発射システム×2基、オトマート対艦ミサイル 4連装発射筒×4基、ミラス対潜ミサイル 4連装発射機×2基、324mm連装魚雷発射管×2基で、NFH90哨戒ヘリコプター×1を搭載している。

 

イタリアは、インドネシア国防省とカルロ・ベルガミーニ級フリゲート×6隻の建造と現在運用中のマエストラーレ級フリゲート×2隻の売却に関する契約を締結したとの発表しており、大きなニュースとなっている。

艦対空ミサイルは、新開発の「リドゥート」が搭載されている。

これは射程15 kmの短射程のミサイル、射程40~120 kmの中射程ミサイル、そして射程200 kmの長射程ミサイルといった、複数のミサイルを使用することにより、一つのシステムで広い範囲をカバーできるようになっている。

カルロ・ベルガミーニ級では、装備されている32セルのVLSは1セルあたりミサイルの種類によって4発~16発搭載できる。

海上自衛隊のフリゲートの役割

現在、世界では、 55の国がフリゲート艦を保有しており、中国は52隻、台湾は24隻、米国が22隻の艦を持っている。

日本も今後22隻の「もがみ型」フリゲート艦を保有することになる。

フリゲートは主に沿岸防衛を担う役目を担っており、その中で対潜戦、対空戦、監視活動、船団護衛など幅広い任務に用いられている。

周辺を海に囲まれている、わが国に対して武力攻撃が行われる場合には、まず空からの攻撃、次に海からの攻撃、そして最後は、領土に対する陸の攻撃が行われるものと思われる。

 

そして南西諸島における離島防衛では兵員を運ぶ輸送艦が必要不可欠になってくる。

その際の護衛任務に最適な艦がフリゲートである。

イージス艦やヘリ空母などは別の任務に従事することから、いわばフリゲート艦は主力艦を影で支える大事な存在なのである。

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