消息を絶ったF15、離陸直後に何が?墜落原因は操縦ミスではない
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F15戦闘機が、航空自衛隊の小松基地を離陸した直後に消息を絶った。

「魔の11分間」という言葉をご存じだろうか?

世界の航空機事故の約7割が離陸後の3分と着陸前の8分に起きているという意味の言葉である。

小松基地のF-15においても、離陸して間もなく、管制官がオレンジ色の光を目撃していたことを明らかにした。

付近住民の話では、午後5時半ころに車を運転中に海上から火柱が上がるのを目撃しており、その後煙が見えたとのことである。

岸信夫防衛相は、海上で機体右側の水平尾翼や燃料配管の一部が見つかったと説明している。

海上自衛隊の掃海艇が捜索を始めており、これに陸上自衛隊も加わって内灘町の海岸などを捜索している。

岸防衛相は「発生から72時間以上経過したが、引き続き行方不明となっている2人の人命救助に全力を尽くす」と強調している。

F15を操縦していたのはアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」の隊長も務めたベテランパイロットであり、何のエマージェンシーコールも出さずに墜落するとは考えられない。

緊急脱出の際に発進される救難信号が確認されていないことから、一瞬でコックピットまで巻き込む爆発や脱出装置の故障があったのだろうか?

今回は、墜落したF15について緊急脱出する際のシステムや記録装置であるブラックボックスについて、また脱出後に生還するためのサバイバルキットについて解説していこう。

しまかぜ

F-15が最後に離陸する瞬間の動画もあるので見てね!

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墜落したF-15の経過概要

まず、墜落までの経緯だが「1月31日、航空自衛隊小松基地に所属するF-15戦闘機が離陸直後に海に墜落した」のが初報である。

2月3日時点では、事故発生から60時間後でも隊員2人が見つかっておらず、捜索が続いていることが報道された。

次いで、2月4日に開かれた閣議後会見で岸信夫防衛相が72時間以上経過したが、引き続き行方不明である旨を報道陣に告げている。

防衛省によると、捜索の対象となっているF15に搭乗していた隊員は、総飛行時間は2800時間をこえる田中公司1等空佐(52)と植田竜生1等空尉(33)とのことだ。

二人は「アグレッサー」と呼ばれる仮想敵役で訓練をおこなう飛行教導群に所属するエリートパイロットであった。

なお、アグレッサー部隊は、2016年6月に新田原基地(宮崎県)から小松基地に移転した部隊だ。

事故当日である1月31日の詳細にさかのぼると、まずは午後5時半ごろに

「F15戦闘機が要撃戦闘訓練のため、搭乗員2人により小松基地を離陸」

「直後、管制官がオレンジ色の光を目撃し、小松管制隊のレーダーから航跡が消失」

となっている。

これを皮切りに、

「5時50分以降 航空自衛隊による捜索救難活動を開始」

「7時10分ごろ 小松救難隊UH―60Jが浮遊物を発見」

「7時25分ごろ 浮遊物(航空機の外板等の一部)を回収」

「8時20分ごろ 浮遊物(救命装備品の一部)を回収」

「8時40分ごろ 回収した浮遊物を、当該機のものと断定」と続いている。

事故発生からわずかの時間で浮遊物の発見・回収まで至っているのに、そこから数日以上、捜索活動に目立った進展がないことになる。

また、海面に燃料油などが浮いてないことから空中分解した可能性も否定できない。

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緊急脱出の方法とサバイバルキットの内容

今回墜落したF15には、当然ながら射出座席(ベイルアウト)装置が搭載されている。

パイロットにとっては、まさに最後の命綱とも言える装置である。

これは、作動させると搭乗者を座席ごと機外へと射ち出す仕組みだ。

打ち出されたパイロットは、パラシュートで降下する。

主に戦闘機など小型の軍用機に装備されている装置である。

射出時には搭乗者に15G – 20G程度の加速度が掛かるため、訓練経験がないと脊椎損傷などの危険があるといわれている。

また、座席のシート下にはケースがあり、そこにはサバイバルキットが入っている。

サバイバルキットがなければ、山中や海に無事脱出できたとしても、発見されるまで命をつなぐことができないからだ。

このサバイバルキットには「非常食や医薬品、海水脱塩材、救命保温具、携帯用の特殊毛布、無線機、拳銃、ナイフ、方位磁石、マッチ、ワイヤー、鋸、釣り具、ゴムボートと補修用品」などが入っている。

私たちの国は海に囲まれているので、海上に着水することを想定してゴムボートがサバイバルキットの中に入っている。

あらかじめ、海に着水することが想定されているわけだ。

また、非常食も入っているが、非常食が切れれば、水は海水脱塩材で飲用できる状態にして確保できる。

これらのサバイバルキットを活用して、数日は海上で生命を維持できるようになっているのだ。

海上に墜落しても、捜索を待つだけの道具はそろっていると言えるのである。

しかし、冬の海では海水温度が低く、水温10~15度 で生存率は6時間、5~10度であれば1時間以内の生存率50%とされている。

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墜落原因とフライトレコーダー

F15の墜落事故は、離陸から消息を絶つまでわずか1分程度でだったといわれている。

そのため、滑走路の目と鼻の先で異常が起きたということだ。

乗っていたのは熟練パイロット2人。過去の墜落事故では、操縦士が平衡感覚を失う「空間識失調」に陥ったケースが多い。

たとえば、19年の最新鋭ステルス戦闘機F35の墜落もこれが原因とされた。

しかし、今回の事故機のF15DJで2人乗りである。

そのため、主操縦士に異常が生じても同乗者が代わりに操縦できた。

事故の原因としては考えずらい。

防衛省の関係者も、現時点では「本当に、何があったのかわからない」と、コメントしている。

また、航空機には通常であればブラックボックスと呼ばれるボイスレコーダー、フライトデータレコーダーを収容している堅固なボックスが搭載されている。

そのため、そこから発信される救難信号などが分かるはずなのですが、こちらについてのオフィシャルな発表は今のところ出ていない。

これが本当に不思議なポイントである。

離陸から消息を絶つまでわずか1分程度と言われているため、捜索範囲はかなり限定される。

しかし、手がかりとなるフライトレコーダーが未だ発見されていないのだ。

空自は機体の破片を回収するなどして、原因の特定を急いではいるが、いまのところ大きな進展がない。

そもそもF15はエンジントラブルに強い双発機であり、離陸直後の事故のため燃料切れもありえない。

そのため、結果的に、事故の原因が未だに全く分からないという事態になってしまっているのだ。

パイロットの捜索と墜落原因

今回の事故は、本当に不可解なことが多い。

離陸直後に消息を絶っていること、パイロットは熟練2人だったこと、基地近くで墜落しているのに未だ捜索が続いていること。

そして、脱出時の救難信号を受信していないことだ。

言うまでもないが、まずは、行方不明となっているパイロット2名の捜索を最優先させてほしい。

機体よりも、優秀なパイロット2名の方が国にとって、そして航空自衛隊にとっては宝である。

政府・県だけでなく、周辺住民も協力に当たっているということなので、奇跡を祈るばかりだ。

一方で、パイロットの安全が確保できた際には、しっかりと今回の事故の原因を究明し、公表してほしいと思う。

なぜ事故が発生したのか、なぜこんなにも目と鼻の先で起きた墜落事故の原因特定と捜索活動が長引いたのか。

今はこれらを追求すべき時ではないが、最終的には事故の真相についての解明していくべきである。

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