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航空自衛隊は現在、F-2、F-15、F-35と呼ばれる3種類の戦闘機を運用している。
F-4については2021年をもって半世紀に及ぶ任務を完遂し幕を閉じた。
現在開発が行われている第6世代戦闘機「F-3」(エフスリー)
岸防衛大臣は、現役で活躍している国産戦闘機F-2(エフツー)の退役が始まる、2035年ごろまでに初号機を配備できるようにしたいと語っている。
三菱重工が設計・システム統合を行い、東芝&富士通がレーダーを開発、そしてSUBARUが機体を製造するなど日本の企業が大きく関わっている。
今回は、次世代戦闘機「F-3」の開発の経緯と、その性能、また第1世代から第6世代までの戦闘機について解説していこう。
F-3戦闘機の開発経緯
日本の防空識別圏には、たびたびロシアや中国の軍用機が侵入し航空自衛隊のスクランブル発進が行われている。
スクランブル発進とは、レーダーサイトで探知した他国の軍用機などが防空識別圏内に侵入し、領空に近づく恐れがある場合に、防衛上の目的で戦闘機を緊急に発進させることである。
そして、対象航空機に近接し確認を行ったのち、無線による呼びかけや防空識別圏外へのエスコートを行う。
場合によっては警告射撃や強制着陸の措置もとる。
近年のスクランブル回数は1年で、なんと371回にも及び、そのうち中国機が234回という内訳である。
航空自衛隊はアメリカなどの空軍力に比べ、その数的劣勢が強いられている状況である。
そのような状況化で、周辺国でも第5世代戦闘機の増加が進んでおり、日本も「航空優勢」の確保のために次世代の戦闘機の開発が求められるようになった。
航空自衛隊で運用している戦闘機は、防衛政策上に必要に応じて配備されるのだが、これまでの開発としては、日本はF2戦闘機、退役したF1戦闘機の開発実績はあった。
しかし、「戦闘攻撃機」として単独開発ではなく、当初は単独開発に向けて進められていたが、米国からのエンジン供給がないと開発ができないという事情もあり、結局は米国との共同開発となっている。
そのために、今回の次世代戦闘機F-3の開発は航空機大国・日本の復権という歴史的転換点ともいえるのである。
第二次世界大戦中の日本は、連合国の戦闘機を圧倒していた「零式艦上戦闘機」を開発するなど有数の航空大国であり、その復権を取り戻すためには、この次世代戦闘機の開発は不可欠となるのだ。
佐藤防衛副大臣のインタビューでは「日本はステルス関連や、機体の構造、航空機開発、材料、エンジン回りの優れた技術がある」と報じられている。
戦後のGHQ(連合国軍総司令部)により軍需産業、航空産業は解体され、それ以降の日本の航空開発は、その他の世界に大きく立ち遅れているというのが現状である。
開発が期待されるF-3戦闘機の経済効果は8兆円を超えると言われており、それは各産業にも大いに貢献される見通しになる。
佐藤防衛副大臣は「次世代戦闘機開発には1100以上の企業が関連し、その経済効果や、雇用、新技術の開発にもつながる」と伝えている。
では、次世代戦闘機F-3の性能や任務はどのようなものなのだろうか?
F-3のスペックや任務とは?
航空自衛隊の次世代戦闘機として開発が進められているF-3のスペックとして、最も重要視されているのは、大出力のエンジンと、高性能レーダー、そしてステルス技術の核心である「ウェポン・ベイ」である。
ウェポン・ベイとは、爆弾やミサイルを機体内部に格納する技術のことである。
従来の戦闘機は爆弾やミサイルを翼や胴体に装着していたため、敵の電波を反射しやすく、レーダー探知されやすいという欠点があった。
次世代戦闘機F-3の大きな特徴としてウェポン・ベイの開発にあり、ステルス性能を効果的に発揮させるため開発は必須であったが、日本の技術は完成の域に達していると言われている。
そして、重要度の高い国産エンジンについては、目標として「ステルス戦闘機に使用できるエンジン」というコンセプトに進められ、ステルス性能を重視するためには、エンジンのスリム化が研究されている。
そのスリム化によってエンジン本体を細くすれば、空気を取り入れる面積が小さくなる分、ハイパワーを確保する事が困難で、そのバランスが重要視されいた。
研究開発から8年を費やし、プロトタイプエンジン「XF9」が完成した。
これは、推力5トン級のエンジン「XF5」をベースに開発され、その推力を15トン級までに底上げされたエンジンである。
このエンジンは現在の「F-15」や「F-16」といった主力戦闘機のエンジンの推力13トンというスペックを上回る数値を叩き出しており、日本の開発力の底力が見える。
そして、もう一つ重要性の高いのが戦闘機の目となる高性能レーダーや、火器管制装置である。
より遠距離で敵を探知できる高性能レーダー大電力が必要となり、エンジン同様に戦闘機にとってコアな技術と言える。
この高機能レーダーの開発も大きく進んでおり、イージス艦が装備しているスパイレーダーの素材を用いるとされている。
以上エンジン、ステルス性能、ウェポン・ベイ、高機能レーダーの開発は進められ、そのスペックは現在の戦闘機を大きく凌駕する性能となっている。
主な任務としては、我が国周辺の常時警戒監視や、領空侵犯、または直上陸侵攻しようとする地上部隊、戦艦などの攻撃、阻止などであろう。
有事の際、「航空優勢」を失えば、敵の航空機やミサイルなどにより、空自機はもとより、陸自のミサイル部隊や洋上の艦隊、さらには港湾や飛行場も攻撃を受け、艦船や航空機の運用自体が困難となる。
F-3により遠方で敵を撃破し、航空優勢を確保することで戦況を有利に進めることが重要である。
第1世代から第6世代の戦闘機について
戦闘機の分類は、第1世代から第6世代までに分かれている。
第1世代
1940年代に登場した戦闘機の事で、アメリカ合衆国の「F-86セイバー」、ソビエト連邦の「MiG(ミグ)-15」などが挙げられる。
朝鮮戦争で活躍した戦闘機で、機関砲や射程の短いミサイルなど目視範囲内での戦闘が主体であった。
第2世代
1950年代に登場している、初期の低音速ジェット戦闘機の事で、1960年代までの戦闘機がこの第2世代に分類されている。
アメリカ合衆国の「F-100スーパーセイバー」などがあり、超音速ジェット機として1960年代までの物が第2次世代とされている。
兵器は第1世代とほぼ同様である。
第3世代
1960年代に登場している超音速ジェット戦闘機の事で、第2次戦闘機とは少し、区別が曖昧な部分はあるが、アメリカ合衆国の空軍所有のセンチュリーシリーズまでが第2次とされ、それより後の戦闘機が第3世代と言われている。
アメリカ「F-111アードバーク」やソビエト連邦の「MiG(ミグ)-23フロッガ-」などがある。
第4世代
1980年台から運用が始められ、2010年以降まで運用されていた戦闘機の事をいう。
アメリカの「F-15」「F-16」や、フランス軍の「ミラージュ2000」などが挙げられる。
第3、4世代は長射程のミサイルが開発されたことで、目視範囲外の戦闘が主体となった。
第5世代
およそ2000年台から運用を始められた戦闘機の事で、アメリカの「F-22」「F-35」や中国の「J-20」などが挙げられる。
高度な火器管制装置や、ステルス性能が備わり、新たに巡行で音速を超えられるスーパークルーズ性能もその一つとされる。
ステルスの登場により旧世代機との戦闘では圧倒的に優位である。
第6世代
2020年以降の最新戦闘機の事で、先進的な設計や、高出力エンジンなどがあり、レーザー兵器や人工知能などよる、完全無人自立制御を可能とされるシステムの搭載も計画されている。
現在は日本も開発にも関わり、日本国産の戦闘機の開発により、日本の航空機大国の復権にもつながるとされている。
次世代戦闘機F-3 まとめ
このように戦闘機の進化は世代によって分けられ、いまだに古い戦闘機などは発展途上国でも多く使われており、アメリカ合衆国がその先進的な開発を先導し、高度なステルス性と高出力のエンジンを持つ戦闘機が続々と開発されている。
さらに最新鋭の戦闘機の開発には膨大な予算が必要とされているが、各国、最新鋭の戦闘機の開発は続けられている。
F-3は現在運用中のF-2が退役する2035年ころから、導入を開始する必要がある。
今後の戦闘機としては、レーダーに映らないステルス戦闘機こそが、空を支配できるとされ、さらなるステルス性能の開発、研究が各国で進められている。
その反面、ステルス機を探知するための「マルチスタティックレーダー」の開発も進められているのが現状である。
今後は、「見えない敵との戦闘」が繰り広げられると予想され、その先には無人戦闘機も主流となっていき、今後の戦闘機事情は大きく変化する事となっていくだろう。
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