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第4世代戦闘機であるF-15は対空戦で一度も敗れたことのない世界最強の戦闘機として謳われた。
そして、アップデートを繰り返すことで40年以上たった現在においても主力戦闘機として日本を始め数カ国で運用されている。
しかし、近年各国が力を注いでいるのはレーダーに探知されにくいステルス戦闘機が主流となっている。
そんな中、レーダー反射面積を低減化してステルス化されたF-15が再び空の支配者として返り咲く計画が発表された。
それが「F-15サイレントイーグル」だ。
今回は、戦闘機の中でも傑作機とされるF-15にステルス化が施されサイレントイーグルについて、その構想や機体の特徴について解説していこう。
サイレントイーグルの凄さを動画でも解説!
この記事に書かれている内容は
F-15登場からサイレントイーグルへ
アメリカ空軍は1960年代からベトナム戦争で旧ソ連製のMig-21をはじめとする戦闘機に苦戦を強いられていた。
F-15はそれまでの主力戦闘機であったF-4ファントムⅡの後継機として開発され、1972年に初飛行を行った。
機体はベトナム戦争での戦訓を元にエンジンは双発で機関砲を装備することが求められた。
F-15は大型の制空戦闘機であり、主翼や尾翼の構造はロシアのMig-25と同様である。
ただし、機体にはチタニウム合金が大量に使用されており、その割合は機体重量の26%にも及ぶ。
軽量化により見た目によらず高い機動性を持つ戦闘機となった。
そして1975年、不要な装備をすべて取り除き、塗装までもはがされ限界まで軽量化された「ストリートイーグル」が当時の上昇世界記録を達成した。
しかしながら、ステルスという概念がまだ世の中に存在していなかった時代に開発されたF-15は、その後に登場したF-22やF-35よりもレーダー反射面積が大きく、敵のレーダーに探知されやすいことが弱点であった。
その弱点を打破するために、ボーイング社は2009年にF-15のステルス性能を高めた機体であるF-15SE(サイレントイーグル)の開発構想を発表した。
F-15サイレントイーグルは韓国軍のF-4、イスラエル軍のF-16の後継機としても提案されていた。
F-15の特徴でもある、両サイドのエンジン空気取り入れ口は機体の姿勢によって入り口が上下に作動して流入空気量を調節することができる。
このダクトは入り口からエンジンまでほぼ直線でつながっていることから空気流入の点でいえば効率的であるものの、現在、重要視されているステルス性には欠けている。
そのため、F-15サイレントイーグルにはこの部分にレーダーブロッカーと呼ばれるステルスパーツが検討されていた。
機体には第4.5世代戦闘機がステルス性向上のために取り入れていた「レーダー波吸収剤」の塗布やコックピットを覆うキャノピーにもF-22のような金属コーティングが施され、コックピット内へのレーダー波の侵入を防ぐ目的であった。
近年のステルス機とF-15の尾翼を比較すると、F-15の垂直尾翼は、その名の通り垂直になっているため、レーダー波が当たった場合、反射率が高い。
一方、F-22などのステルス機は尾翼が斜めに取り付けられており、反射したレーダー波を他の方向にそらせる形状となっている。
ステルス性向上のため、F-15サイレントイーグルの尾翼は約10度の角度がつけられている。
ボーイング社は、その傾きはステルス性の向上だけでなく、追加の揚力が発生することで機動性の向上にもつながると述べている。
また、F-15の胴体両側に装着しているコンフォーマル燃料タンクのスペースを兵装搭載用に改造することで、内部にミサイルを格納するコンフォーマル・ウェポンベイも計画された。
実際にF-15Eのタンクを改造してコンフォーマル・ウェポンベイからの発射試験を行っている。
タンク側面には対空ミサイル、下部にはミサイルに加えてJDAM(ジェイダム)誘導爆弾など空対地兵装も搭載予定であった。
ただし、燃料タンクの一部のスペースを兵器スペースに割り当てたことから、燃料搭載量が減ることで戦闘行動範囲が狭くなることが懸念された。
そのため、ボーイング社は機体に軽量素材を使用し、電子機器などを小型軽量化するなどした結果、F-15Eの戦闘行動範囲である1250kmから20%程度の減少の1000km程度で抑えられたと述べている。
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F-15SE計画が中止された理由
F-15サイレントイーグルがステルス性向上にスポットが当てられた要因は、当時のイスラエルと韓国による戦闘機アップデート計画が影響していた。
当時、韓国はF-4戦闘機の戦力アップを進めており、新しくF-15Kの配備によってアップデートの第1段階が完了した。
第二段階においても引き続き能力の高いF-15の導入を計画していたが、ステルス性に劣るF-15の追加を空軍幹部は懸念していた。
さらに、韓国国産ステルス機である「KF-21ポメラ」の開発にあたり、韓国はアメリカ「ロッキードマーチン」の支援を得たいという狙いからF-35Aの導入を決めた。
一方、イスラエルではF-16の後継機が検討されており、時代の流れからステルス機であるF-35Aが候補となっていた。
しかし、F-35Aにイスラエル独自の改良を施すことが許可されないといった理由から導入するべきではないという意見もあった。
イスラエルはアメリカと交渉の末、F-35Aを自国の要求に合わせて改造できることが許可されたため、「F-35I」アディールを導入することとなった。
このように韓国、イスラエルを始め、その他の国からもF-15サイレントイーグルの採用国が現れなかったことなどから、開発計画は事実上の中止に追い込まれ、結果的にF-15SEは「幻の戦闘機」となったのである。
無敗の戦闘機F-15の今後のアップデート
F-15は接近戦におけるドッグファイトだけでなく遠距離攻撃でも無類の強さを発揮しており、F15が実戦で運用された1979年のレバノン侵攻から現在に至るまで空中戦においては1機も撃墜されたことはなく、115機の敵戦闘機撃墜記録をもっている。
航空自衛隊においても、現在運用れているF-2、F-35Aと同じくF-15は主力戦闘機として、領空に近づく国籍不明機に対しスクンブルを行い、警告やエスコートを行っている。
F-15の運用寿命は約8000時間に設定されているが、アメリカ空軍は10,000時間まで寿命が延長された機体もあることから、航空自衛隊のF-15も運用寿命を延長できる可能性はある。
F-15の能力向上型として201機中102機に対し、搭載ミサイル数の増加を検討している。
ただし、現在の8発よりも搭載数が多くなるという意味ではく、短距離と中距離の対空ミサイルの各4発ずつという制限をなくすというものである。
また敵射程圏外からの攻撃が可能な長距射程の「スタンド・オフ・ミサイルの搭載」のほか、電妨害などが強化された「電子戦能力の向上」といった改修を行うことで、F-15を長期にわたって運用する方針を示している。
ただし、契約期限が2028年12月31日となっており、それまでに予算の問題で改修が完了しない可能性も否定できない。
F-15SE計画は中止になったものの、そこで開発された飛行制御システムはF-15Eをベースにた多用途戦闘機F-15EXで活用されており、現在導入を進めている。
次の動画ではF-35の性能を超えるというF-15EXについて、改造の内容と性能について解説しよう。
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